「探偵はもう、死んでいる。(TVアニメ動画)」

総合得点
65.9
感想・評価
385
棚に入れた
1118
ランキング
3032
★★★★☆ 3.1 (385)
物語
2.7
作画
3.3
声優
3.2
音楽
3.0
キャラ
3.2

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ネタバレ

あかえる さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8
物語 : 1.5 作画 : 2.0 声優 : 2.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

これはひどい(確信)

 今回は、2021年夏、最も波乱を呼んだであろう作品である、「探偵は、もう死んでいる」のレビューをします。最初にこの作品に対する注意点ですが、賛否が非常に大きく分かれる作品となっています。そして私は、今回批判意見が多いことを了解した上でご覧ください。
 まず早速この作品についての概要ですが、原作がライトノベルで、去年『ラノベ好き書店員大賞』を獲得したお墨付きの小説です。そのため、アニメファンの期待も大きかった作品でした。しかし結果としては、前述したように残念なアニメでした。(記事の筆者は原作未読です)
 先にこの作品の良かった点を言っておくと、話題作りは良くできていると考えます。初回1時間や、OPとEDや作中に起用したVTuberなど、このアニメを見るきっかけはよく構成されてます。その結果は数値にも出ており、アニメ公開後に原作小説の売り上げが大きく伸びたそうです。
 そして、ここから批判点ですが、大きく5つあります
①あまりにお粗末な演出  ②気持ち悪い主人公
③随所にありすぎるガバガバ ④劣化西尾維新先生のような会話
⑤いちいちストーリー止めないと会話できないのか?
各話ごとに、この点に気を付けながらレビューしていきます

1話(長文注意) {netabare}
 冒頭、「巻き込まれ体質」を名乗る中学生の主人公が飛行機にて、ハイジャックに遭遇します。(因みに巻き込まれ体質は、2話以降一回しか話題に出ないので忘れていいです)そんな時、探偵である少女シエスタに、助手になってと言われ、ともにハイジャック犯に立ち向かいます。そこで探偵あんま関係なさそうなレスバで「蝙蝠」を名乗る犯人を煽るのですが、、はい、ここから超展開が始まります。いきなり蝙蝠の耳から触手が生えて攻撃してきます。、、そうです、このアニメ探偵というのは建前で、ガチガチの異能バトルアニメです。その後はシエスタがこうなることを予期して念のため準備してたマスケット型銃で蝙蝠を撃退します。因みに銃には、撃った対象がシエスタに攻撃できなくなる能力があるそうです(なお12話)。また、蝙蝠の正体は「SPES」を名乗る改造人間団体で、基本的にこの作品は彼らとの闘いが主体となっています。探偵要素はおまけ程度ですw。
その後はなんやかんやあって、次の事件である、主人公の通う学校の「花子さん」の捜査に入ります。なぜか文化祭の日に捜査に入った2人は、中学生が知ってるとは思えない業界の隠語を駆使して、花子さんの正体を突き止めますが、普通に確保できそうなとこで逃げられます。そして校内での逃走劇が始まりますが、ここで上記の⑤「ストーリー止めないと会話できない」が現れます。急にシエスタが、「文化祭に違和感ない変装して捕まえよう」とか言います。その変装の内容が、、まさかのウェディングドレス。いや異質すぎるわ!しかも呑気に記念撮影しようとか言い出す始末。解ってる?君たち、今犯人追いかけてんだよ? まあ結局犯人は確保できたそうですが(なお確保するシーンはカット)因みに花子さんの正体は、中学生のヤクの売買グループだったそうです。普通にヤバい集団でした。それから正式に、主人公がシエスタの助手になることを決めた後、3年経過し、主人公の「探偵はもう、死んでいる」と言って終了します。
 先程言ったように、この作品は1話が1時間放送されました。そして結論から言うと、私は1時間も使う必要性を特に感じませんでした。この1話は前日談なのですが、後半の30分はいわゆるファンサービス回で、OVAとかでいいんじゃないか?って思いました。それ以外としては、作画は本当に良かったです。2話以降に物足りなさを覚えるレベルでよかったです。しかし、ここら辺からガバガバやグダグダが目立つようになってきます {/netabare}
2話{netabare}
さて、1話から三年後、シエスタが死に、空虚な日々を送る主人公のもとにある日、夏凪渚という少女が探偵業の依頼に訪れます。しかし、主人公が人違いだ言ったところ、この子急に主人公の口に手を突っ込んで脅迫してきます。汚い。さらに大量の主人公にまつわる新聞記事の切り抜きを提示して、主人公は名探偵だと証明してきます。怖い。
ついに根負けした主人公は、渚の依頼を受けますが、その内容は「私の心臓の持ち主を見つけて」。,,,いやそれは探偵の仕事じゃないだろ!医者とかドナー関連の方の仕事だろ!
ともあれ、ここから心臓の持ち主を探すため、ある人物の場所に向かうのですが、その過程がこれまたひどい。
[主人公たちが外に出てると、「たまたま」ひったくり犯に出くわす]→[すぐ捕まえて「たまたま」顔見知りの刑事に出会い、ある人物に会う手配をする]→[ある人物の正体、蝙蝠に会い、心臓探しの手伝いをさせる]→[蝙蝠は渚に攻撃しようとする形で、「たまたま」心臓が亡きシエスタのものだと明かす]
とんでもない「たまたま」のピタゴラスイッチですね。
さて、ここで渚が自身の事情を話すのですが、どうやら心臓の意思に動かされるままに、主人公のもとへたどり着いたとのこと。しかし、渚は自分が名探偵の心臓を持ってると知った今、どう生きていけばいいか迷います。そして主人公とのやりとりを経て、改めて自身の意思で、名探偵になることを決意します。因みに別段、シエスタの記憶を引き継いではないくせに、探偵において謎の自身を持ってます。皆さん大体察してると思いますが、渚はこの後特に探偵業でもバトルでも活躍しません。
最後に、次回のキーキャラとなる少女が出て2話終了です。
さて、2話は「たまたま」回でした。この後もこの手のご都合展開はまだまだありますので、お楽しみに(?)また、②主人公の気持ち悪さがここら辺から垣間見えてきます。{/netabare}
3話{netabare}
 今回は2話の続きからスタート。新たな依頼人、斎川唯は今話題のトップアイドル。因みに露骨に眼帯をしているので「あっ、目が今回の鍵なんだな」と薄々わかってしまいますし、実際そうです。
 話を戻し、彼女がアイドルと信じられない主人公がふと顔をあげると、「たまたま」街のモニターで斎川の特集をしていました。またかよ。そして斎川の依頼とは、「ライブの日の時価30億のサファイアの警備」でした。
 場面は変わり、斎川の豪邸で概要が話されるのですが、やけに長いテーブルとか、SPっぽい人が実は彼女のファンクラブでしたとか、割とどうでもいいボケを挟んできます。後は、彼女の孤独な生い立ちなんかが話される感じですね。
 そして一週間後のライブ前日、学校を休んでまで斎川について調べていた主人公は、すっかりドルオタになってました。ここでの主人公のトークは、オタク慣れしてない人にはまじでしんどいので必見?です。そして、最後に主人公が「斎川はウソをついている」と確信して3話終了です。
 
 今回も相変わらず見ていて「?」な展開が続きますが、特に前回言った②が最も顕著でした。まず、序盤、騒ぐ斎川の口を手で抑えた後に一言、
「別にこの手にべっとりついたお前の唾液をどうこうしたりしないさ」
もう気持ち悪い通り越して怖いです。こんな主人公のヒロインたちへのセクハラジョークは、今後も何回かあります。
 あとこの主人公ですが、こういうドン引きな行動・発言が多い割には、「俺が本気でそんなことするとでも?」って感じの薄っぺらさがあるのもなんか鼻につきます。例えば前述のドルオタ展開ですが、後に演技だったと判明します。うまく言えないんですが、なんか常識人を気取ろうとしている感じです。

 この機会ですし、主人公の担当声優についても話しておきます。声優は長井新さん。なんと今回がアニメ初主演です。新井さんの演技力についてですが、忖度なく上手いですね。ただ、「覇気」は感じられませんでした。主人公は立場上、やれやれ系で突っ込みが多いのですが、いちいちくどくど言うように突っ込むので、なんか聞いててうんざりしてきます。間違いなく主人公の魅力の低下にも関わってます。新井さんには申し訳ありませんが、監督は声優の人選ミスをしていますね(主人公以外は合ってるとは思います)

 まあ、なんやかんやで、主人公がうるさい回でした。
あ、因みにVtuberがゲスト出演したのはこの回でしたが、アニメの世界観に違和感なく溶け込んでいました。そういうところは上手いよねこのアニメ
{/netabare}
4話{netabare}
前回の続きで、斎川のライブ当日、全てを理解した主人公は、犯人の確保に会場に向かいます。なんと犯人の真の目的は、斎川の抹殺だったようです。途中、警備員に遮られるなどトラブルはありましたが(因みに顔馴染みの刑事に裏合わせしてたのに、警備員には何もしてなかったようです。なんでだよ)、夏凪や蝙蝠の協力もあり、なんとか抹殺を阻止できました。
因みにここの犯人の行動もあまりに謎で、ただ斎川を殺せばいいものを、わざわざ会場も目立つ場所に陣取って、わざわざ斎川がライブ終盤に眼帯をとるのを待って、それからボウガンで殺すという計画だったようです。うーむ,,,
その後犯人だったSPESの真の目的が、斎川だけでなく、主人公たちも殺すことだと判明。さらに主人公たちの抹殺は斎川に依頼してたことも判明します。かくして、板挟みになった斎川ですが、夏凪の説得もあって、主人公たちの仲間にして4話終了です。

素直に言うと、今回は全12話で一番良かったです。まず各人物の行動の整合性があり、上手くまとまっていると感じました。ただし、今回の事件の真犯人のボウガンの人は多分確保されてません。彼がどうなったか、そこまでキッチリ描いて欲しかった所存です。
因みにここで敢えて言っておくと、これから9話まで、{netabare}夏凪と斎川は一切登場しません。{/netabare}
というのもこれから長い過去回想に入るためです。まぁ、彼女たちのことはできれば覚えといてください。{/netabare}

投稿 : 2021/10/10
閲覧 : 410
サンキュー:

10

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