をれ、 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
イイ御伽噺でした。
大正時代設定です。が、今の時代の価値観がかなり盛り込まれいます。それは今の時代の人が視聴するので当前なのですが、かと言って古い価値観が全然出てこない訳ではありません。恋愛至上主義の様式をとりますが、家制度や男尊女卑、それに人身売買といった社会の枠組み内でのお話です。しかし、これらは単に運命的な出会いのための舞台設定とみなし、健気にポジティブに生きる少女の恋物語として解釈するのが、このお話の意図に沿った行為と思います。
ワタシの場合この御伽話は楽しめましたが、そうでない人がいても不自然には感じません。
人に推すかと尋ねられたら、これは最も難しいあるいは誤解を生みやすい部類のお話だと思います。特に男性から女性に推すと昔の価値観を押し付けられているように取られる可能性が高い気がします。それは立場の違いにより気付きづらいもので、例えばパートナーに対して互いにではなく一方だけ敬称をつけて呼ぶ必要があるのは何故かということになるでしょう。もちろん舞台設定とお話の主張を混同するのは見当違いなのですが。
総じてワタシにはこの御伽話は好ましいものに思われました。枠組みを打ち破ろうとしたり、逆手に取ったり、あるいは枠組みの中でもしたたかに生きてみようとする少女たちのお話だからです。