「盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)」

総合得点
88.1
感想・評価
1168
棚に入れた
5459
ランキング
130
★★★★☆ 3.7 (1168)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

とろろ昆布禿莉緒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

序盤期待したのに

『盾の勇者の成り上がり』を視聴した感想は面白い。
けど、もっと面白くなっただろうし勿体無いなぁと思いました。
以下良い点と悪い点を分けて評価しました。

良い点
1.序盤の絶望感
{netabare}
主人公の尚文は、普通の大学生なのにも関わらず異世界から召喚され盾の勇者として生きて行くことになりました。

序盤から、仲間として行動していたマインという女性に冤罪をふっかけられて、所持金も仲間もなしという状態で旅立つハメになります。

かなり、重い始まりで好きじゃないっていう人がいるみたいですが私はその逆で、心躍りました。
{/netabare}
2.尚文の戦い方
{netabare}
盾の勇者として召喚された尚文は、名前の通りの盾がメインの勇者でした。そして、勇者はそれぞれ自分の担当武器以外を使用どころか持つ事さえできないという縛りを課せられてます。

そして、勇者同士が近くにいると経験値がもらえなくなるという縛りも。
つまり、尚文は盾のみで他の勇者の助けも借りずに、1で書いた絶望的状態で強くならないといけないのです。

そんな状況から生まれた戦略。尚文の技であるエアストシールドを防御ではなく攻撃手段として相手に飛ばしたり、野生モンスターを使った卑劣な攻撃もします。

植物モンスターには除草剤を使うという、主人公とは思えない地味な戦闘方法で攻略します。

地味でも卑怯でもとにかく勝つ。そんな闘い方は弱い尚文らしさが出ており、爽快なバトルと違った面白みがあります。
{/netabare}
3.ラフタリアが可愛い
{netabare}
とにかく可愛い。だけじゃないです。
ラフタリアは尚文にとっての心の支えであり、最高のパートナーとしての位置付けがしっかりとされてます。

奴隷として死にかけていたラフタリアを、普通の方法じゃ仲間が作れない尚文が買い取る。
尚文は必死に生きるために、ラフタリアを最大限利用。攻撃役として育てますが、その間に情が沸きます。

今では完全に尚文とラフタリアは打ち解けており、最恐の絶望をお互い知っているからこそ見えない硬い絆が可視化されるほどになっていると感じます。
{/netabare}
悪い点
1展開が早すぎる
{netabare}
これは前提として、二期以降があるという情報を知った上での悪い点です。

尚文が序盤に落ちるに落ちた原因。諸悪の根源とされる、マインと国王。まさか、2クール目終盤に因縁が一時的に断ち切れるとは思いもしませんでした。

まぁ、一期で終わればというよりその時点で終わるなら良作と言えましたが、他の世界の勇者との戦い一体どうなる……知らん!

成り上がり要素を早くも捨て去りあらたなフェーズに入る。私にとってこれは、別の作品です。盾の勇者の成り上がり後です。
{/netabare}
2.敵の層が薄い
{netabare}
展開が早い理由の一つでもある、敵の層が薄いという点。私の言う敵は、尚文が成り上がる最中に邪魔してくる人や、マイン、国王などの勢力のことです。

あまりに薄い。薄いなら薄いで、マインや国王が頭のキレる策士ならよかったのにと思うばかりです。とにかくバカでしかない。

それでも尚文がマインらを打ち負かすのに2クールも要したのは、そもそも打倒マインではなかったこと。そして、何よりも尚文自身のイメージが冤罪とその国の宗派によって最悪だったことが挙げられます。

そんな有利な状況下で、国王は露骨に他勇者との態度を変え無視する。資金面での援助をしない。という、まるで子どものような嫌がらせ。規模が少し大きいだけで、国民がやってる事とあまり変わりません。

王女であるマインは、あらゆる嘘で周りを巻き込んで追いつめますがそれも、結局は尚文が完全不利な状況下だからこそできることばかり。有る武器は権力のみ。馬鹿がふんぞり返って高笑い。ラフタリアを賭けた尚文と槍の勇者元康との対決中には、堂々と横やりというズルをしますが、あっさりバレるし。

ヘイト要員としては優秀ですが、諸悪の根源としてはいかがなものかと。彼女を周りを優秀な人材で固まるなら理解できます。しかし、彼女の上にいる国王も馬鹿。マインが頼れる守りの層は、彼女を信じ切っている槍の勇者元康のみ。
他は戦力にもならない一般兵。

最初の絶望はかなり重いですが、蓋をあけてみればこんなにも残念な中身です。
{/netabare}
3.中盤からの雰囲気
{netabare}
絶望は序盤だけですかと聞きたくなるような、中盤からの内容。序盤から国全体から嫌われる。生きるために、死にかけの奴隷ラフタリアを仲間にする。その彼女と打ち解けあったのに、引き裂かれそうになる。
ここまで不遇なキャラにしているのに、中盤では作品の色がガラッと変わります。

途中で仲間になる、フィーロという女の子。元々は鳥で人型にしかもめちゃくちゃ可愛い女の子ってになりました!といういかにもなキャラです。

この子がゾンビ化したドラゴンとの戦闘の際、喰い殺されたしまいます。尚文は、序盤に人権すら剥脱されているようなものですから、大切にしている仲間を奪われるのを極度に嫌っています。

そんな彼だからこそ、憎しみ怒りによって発動したカースシリーズというチート能力が許されるのです。しかし、戦闘後まさかのフィーロ、ドラゴンの腹から登場。
喰い殺された際に、ドラゴンの口から漏れた赤い液体は血ではなくフィーロが直前に食べた赤い果実の汁でした。

……は?です。これではまるで、ギャグ漫画。チートであるカースシリーズがこんな形で使えるようになるのは面白味が全くないです。今までの怒りや憎しみといった負の感情が爆発し覚醒。[今までの怒りや憎しみ]が覚醒に大きく作用してますが、引き金になったのは間違いなくフィーロの死です。

傷を負って重傷の状態で出てきました。ならまだ納得できますが、無傷で「ん?大丈夫だよ」は許せないです。最初の空気感が好きだったのに、こんな拍子抜けな覚醒いりません。
{/netabare}

序盤でかなり期待しただけあって、本当に残念な作品です。まぁ、成り上がりとか関係なしに見る分には今後の展開も楽しめるかなとは思います。

投稿 : 2024/02/20
閲覧 : 278
サンキュー:

2

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