「ホリミヤ(TVアニメ動画)」

総合得点
76.9
感想・評価
495
棚に入れた
1816
ランキング
650
★★★★☆ 3.7 (495)
物語
3.6
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

サークル・ゲーム

『いちご白書』と言う映画を思い出した。
アメリカン・ニューシネマの名作である。
それは10年に渡るベトナム戦争から生じた矛盾から反体制、学生運動が燃え上がった時代であり、閉塞感が刹那的な快楽や暴力を生み、アンチテーゼとしてヒッピー文化が生まれた時代であった。
私見ではあるが、今流行りの「ダイバーシティ&インクルージョン」が深層心理にインプラントされた時期と言っても良いかも。
脱線である。
まあ、色々あって良いということだ。

話を戻そう。
その映画の中で、象徴的に使われていた曲がある。
ジョニ・ミッチェルの手になる『サークル・ゲーム』だ。
カルーセルの如く巡る季節、時間に囚われた身であり、振り返ったとしても、後戻りはできない。
それでも年を重ね、色褪せたとしても、新しい夢を見る。アップダウンを繰り返し回り続ける、と言った歌だ。
それが『ホリミヤ』の世界に重なる。
そこには勿論、世の中や大人に対する反発、いわゆる反体制などと言った感情は存在しない。
しかし、過去を振り返りながら、現在を精一杯に、新たな一年を夢見る主人公、宮村君に重なるのだ。
そして何より、石浜真史監督の映像表現である。
登場人物それぞれの心情が、一歩引いて自身を省みる独特の間合いが、光とシルエット、独特のアングルとストップモーションを絡め静かに表現されてゆく。
とても映画的であり、心に訴えかけてくる演出だ。
とても優れた青春群像劇、青春白書である。

同じく、名作の誉れ高い青春讃歌、『あの花』の主題歌は、そのものずばり『サークルゲーム』であり、“ Galileo Galilei”がこの歌にインスパイアされたであろうことは、その歌詞からしても想像に難くない。

投稿 : 2022/02/18
閲覧 : 281
サンキュー:

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