「アルテ(TVアニメ動画)」

総合得点
72.1
感想・評価
270
棚に入れた
912
ランキング
1175
★★★★☆ 3.5 (270)
物語
3.5
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

生き方っていろいろ でも覚悟は必要

紹介文を見てお仕事系か?と思いなんとなく視聴開始。
アルテってArtのイタリア語かなんかと想像しましたが、
全然関係なかったみたいですね。

【作品概要】
 16世紀、ルネッサンス時代のイタリアが舞台。
 貴族の娘アルテは絵を描く以外はあまりぱっとしない女性。
 この時代の女性は嫁ぐか修道女の2択という
 現代ではあり得ない選択肢の狭さだったそうです。
 
 しかしアルテは画家になりたいという強い決意を胸に
 家を飛び出します。
 
【作品に対する感想】
 いや、ほんといい作品だったと思います。
 自分の願いのために、苦痛もいとわず体当たりで
 道を切り開くアルテにかなり元気をもらえました。

 さて、アルテの選択は
 どんな未来につながるでしょうか。
 2期があれば必ず視聴します。

1)物語
 当時は芸術分野においても男性社会で、
 「女のくせに」とか言われる時代だったようです。
 塗料作成一つとっても重労働を伴う時代だったので、
 体力に勝る男性でないと、難しい時代だったんでしょう。

 昭和中期ごろまでは日本もこんな世界だったんでしょうね。

 この作品、ただ夢のために向こう見ずに
 突き進むんじゃなくて、キャラがちゃんと
 地に足ついた思考をして、行動するんですよね。
 そこが魅力的だと思います。


4)音楽
 OPクローバー
 坂本真綾さんの声が聞けて、耳が幸せ

5)キャラ
 ➀アルテ
  当時の常識を覆す
  女性でありながら画家を目指す娘。
  この手の朝ドラ作品では良くある
  「真っ直ぐなバイタリティ半端ではない娘」では
  あるんですけど、それだけじゃないんですよね。
  人や物事に対して、ホントに真摯に向き合える娘。
  失敗もするけど、本質をとらえて
  ちゃんと吸収して成長できる娘なんですよね。
  後、自分でやろうとするところ、好感持てます。
  {netabare}
  レオに恋してる描写がありましたが、
  どっちかというと幼稚園の先生に
  初恋したような感じなのかな?と感じました。
  {/netabare}
  
 ➁レオ
  愚直なまでの職人で、確かな腕を持っており
  私的職人の鏡です。
  最初アルテを鬱陶しがっていたものの、
  いなくなったらなったで物足りない所がカワユス。
  アルテに無茶ぶりしますが、
  こんくらいのハードル越えられないと、
  やっていけない業界なんでしょう。

 ➂ヴェロニカ
  商売のために博学であれ という点は
  私的にも敬意が払えます。
  深堀してほしいキャラですね。

 ➃ユーリ
  アホな貴族ではなく、権力や財を築くにふさわしい
  思考を持ち、判断基準が明確な人。
  こういう足が地についた権力者は良いですね。
  説得力があります。
  アルテからも結構失礼なこと言われてますが、
  笑って流せてるあたり、懐広いですね。
  引き際もさらっとしてますし。

 ➄ウベルティーノ
  うさん臭いおっさんみたいな描かれ方をしてますが、
  一代で今の地位、財を築いたということで、
  やっぱり只者ではないんでしょう。
  優先順位や仕事の哲学がしっかりしている印象です。

 ➅カタリーナ
  アルテとカタリーナ。
  似た者同士、お互い影響し合って覚醒していきました。
  この年齢であの覚悟、立派だと思います。

6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀重労働上等 頑なに自分で背負うアルテ
  こういう愚直な娘、魅力的です。
  手っ取り早くやるなら
  手を借りたほうが早いんですけど、
  自分の手を汚して経験したことって
  確実に自分の財産になると思うんですよ。
  今風ではないかもですけど、こういう娘、好きです。

 ➁背景はわき役
  こういう細かい描写が好感持てます。
  何を描きたいかによって、どこにカロリー  
  かけるかって変わりますよね。

 ➂ヴェロニカ じらしプレイ
  ヴェロニカの裏側みたいな描かれ方してますが、
  娼婦って「仕事」ですから。
  本気になったオッサンの負けと思うんですよね。
  この辺はリアリティの面で肯定的に捉えました。

 ➃絵は商売のための備品
  ウベルティーノのこういうバッサリ感好きです。
  芸術家は絵を極めんと必死ですが、
  買い手はあくまで道具の一つ。
  そういうもんですね。

 ➄使えるものは何でも使うアルテ
  ウベルティーノとの交渉のために、
  ヴェロニカに立ち振る舞いの教えを乞うたアルテ。
  こういった姿勢はとても魅力的に感じます。
  高い技術も、売れないと宝の持ち腐れなわけで
  営業もちゃんと描いているところがいいですね。

 ➅レオ アルテの将来を最重視
  ユーリの提案、レオにとっては複雑と思うんですよ。
  異例の女性弟子を一生懸命育てて
  それを持ってかれるみたいな複雑さ…。
  でもアルテのためなら「戻ってこなくていい」って
  言っちゃえるレオ。
  アルテのことを一番に考えてるんだなと感じました。

 ⑦アルテ ユーリの提案を断る
  私がアルテだったら提案に乗りますね。
  運だったり、いろんなものが味方して
  得たチャンスですけど、アルテ自身の行動で
  辿り着いたチャンスでもありますので。
  ユーリの言うとおり、わざわざチャンスを捨てるのは
  他の画家に対して不遜というのも解ります。

  まあチャンスをどうするか決めるのは
  当然アルテなんですけど。
  アルテが言った「ちゃんと実力で仕事をつかむ」は
  私の中でいまいち理解できていません。
  今だって実力もあって提案を掴んだんだし。
  この辺は若さゆえのこだわりかなぁ。

 ⑧マティーさん、ちゃんと謝る
  現代からするとかなりの男尊女卑の社会で
  ちゃんと謝れるのはすごいことかと。
  アルテの方も、「女で貴族」が逆風の時は
  歯をくいしばって耐えてきたんだし、順風の時は
  流れに乗っかればいいんじゃないかなと思います。
  シャアもそんなこと言ってましたし(笑

  順風に乗っかって慢心してはいかんですけど。
  
 ⑨レオ やっぱりすごかった
  経験を積んだアルテでもやっぱりまだ敵わない。
  そういう底の深さがある師で良かったなと。
  彼もまた生きるために必死だった芸術家ですから。
  そしてアルテに師として「選ばれる」画家でした、と。
 

{/netabare}

7)どうでもいいですが気になったところ
 レオん家の屋上の小屋
 あんな作りにしたら下階への雨漏り
 酷くないですかね?
 当時ゴムパッキンとかないでしょうし。

投稿 : 2022/05/03
閲覧 : 206
サンキュー:

19

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