ERRUE さんの感想・評価

3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態：----

なろうバイブル

なろう系のバイブルと言いたくなる出来の作品。他のレビューアの方ほど嫌悪感は無いが、呆れるレベルなのは間違いないです。

『失礼でも良いじゃない。なろうだもの』

と割り切る精神は必要で”なろう系での常識”を確認せず視聴するとイライラは必至。※そこまでの前準備が必要なら見る必要はないと言われそう…

{netabare}
自分がなろう系を視聴して『この作品はダメだ』と感じた共通点というのが

①：主人公が超絶真面目系、若しくは救いようがないレベルの非常識人に極端に割れている事

②：登場人物の感情描写に感情移入し愉しむものではなく、チート前提の結果論だけでゲラゲラ笑うもの

③：時代考証や世界観は基本コピペ。辻褄が合わない、キャラの言動に整合性が無さすぎる事には目を瞑る必要がある。

この3点（かなり大雑把ですみません）になり、深く考えない、細かな事を気にするとキリが無い、一発ギャグを見て笑う要領でしか視聴できないデメリット（それすら出来ない人もいると思います。）があります。
※但し、この条件に当てはまらない作品も多数ある。

この前置きがある上で今作を評価すると、馬鹿正直にテンプレを悪い方向になぞり過ぎている印象です。主人公が我儘なのは最早『だってなろうだもん。』で納得してしまい、ポーションがチート過ぎたり、女神に言語理解の能力まで貰っているのも『プロアクションリプレイ使用なんですねｗ』で怒るのもバカバカしい。

◎考察
本来は、このアニメ詰まんねぇで終わってもいいのですが、一応疑問点だけを自分なりに考えてみました。一番引っ掛かるのが主人公のウザさです。上で出した共通点から考えるに

主人公の人格が”超絶真面目系と非常識人のより悪いところだけを掛け合わせたもの”なのがストレスの原因ですね。神様の不手際に対して『損害賠償』『保障』を提案する家族がいる時点で面倒な奴でしかなく、重箱の隅を不必要に突きたがる超絶真面目系の悪いところ。相手の弱みを握ると途端に調子に乗り、相手に対して異常に攻撃的になるのも非常識人の悪いところ。

この様な性格は基本”人から好かれる要素は皆無”なので、何かしら別の良い部分で挽回する必要があるのですが…、なろうでは無理です。能力が誰かからの貰いものであり、チートによって物語の『主人公の成長過程』というものがスキップされてしまうので

”最初はクズだと思ってたけど主人公の事見直したよ！”
”此奴にはこんな過去があったから性格が悪いのね。感情移入は出来ないが納得はした”

みたいな感想は出ない。物語の構成上、本編の進み方が結果ありきなので話に盛り上がりが無く起承転結→起結結結の要領で話が進んでしまう。主人公はチートを乱用し問題は即解決してしまい簡単に話が終わるので、主人公が凄い偉業を成したとしても三人称視点の他人事に見えてしまう。これでは主人公の隠れた良さだったり、ストーリーの補完などしようがない。
{/netabare}

◎感想
なろうの悪い部分が凝縮した作品でした。1話見ただけで「もういいや」と言えてしまう位酷いです。上のネタバレを読んでも尚視聴したいと思う方なら最後まで視聴できると思います。※面白く視聴できるかは保証できません。