ERRUE さんの感想・評価
2.9
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態：----
まあ、そこは”なろう”ですから
この作品を端的に説明するなら
工藤新一が江戸川コナンの身体になった状態で異世界転生し、異世界の質の悪い貴族に対して『あっれれ～可笑しいぞ～』とイキリながら相手を論破＆利益を貪る様な物語。
{netabare}
パティシエだった主人公が不慮の事故に見舞われ死亡→その後没落貴族の息子として転生といった流れはいつものなろう系。
自分がイラっとしたのは、主人公が『江戸川コナンにしか見えない憎たらしいクソガキ』と化している事。更に
”悪徳貴族にあ～だこ～だ説教してイキる割には精神年齢が幼稚”
”貴族領の収入から勝手に砂糖を大量購入してゲンコツを食らう情けなさ”
2つ目に至っては、勝手にウロチョロして毛利小五郎にげんこつを食らうコナンそのもの。所謂『お前にだけは偉そうに言われたくない』という人徳の無さが原因。これに似た境遇の作品で『神達に拾われた男』があるが、こちらは「虚無」なだけで「不快」までは付いてこない分マシだった。
◎お菓子作りとは関係ない話題
まあ、これが多すぎる事が問題かもしれない。成人男性が9歳の子供の姿で外交に口出した挙句に、相手の弱みに付け込んで取引を始める。
本当に『主人公の名前は江戸川コナンだろｗ』と言いたくなるレベルで憎たらしい上に下品なやり方である。この作品も他のなろうと同レベルで『主人公称賛型』なので、主人公を黙らせる手段が、親父殿のげんこつしか無いのも酷いと感じる。
◎チート過ぎる魔法
親父殿の『瞬間移動』と主人公の『転写』が強すぎて、親子2人で『完全犯罪』が容易に為し得るチート魔法。
特に親父殿の瞬間移動は、中世ヨーロッパの政治を崩壊させてしまうレベルのもの。結婚式の警護では、経費としていた金貨をそのまま利益に計上出来る位卑怯なもの。
警備の為の馬車も傭兵も何も要らない。人気のない建物に瞬間移動し、後は優秀な従者数名だけで警護可能。
◎目的が曖昧模糊な点
主人公が目指すものがお菓子の国。壮大過ぎる目標というものは、進捗や達成感すら薄い。恐らく、お菓子の”国”と言ってしまったが為に『お菓子作りとは関係の無い、政治的コネクションや貿易等の取引話』を大量に挿入する必要があったと思われる。
{/netabare}
◎感想
”江戸川コナンが大人を騙して異世界で大暴れ”みたいなストーリーなので、自分には合わない処か気持ち悪く思えるシーンが多かった。
更に言うなら、余りにも漠然とした曖昧模糊な主人公の目標と、チート過ぎる魔法の存在が作品をより詰まらなくしたと感じる。
正直、この作品を他人に勧めようとは到底思えない。視聴して早々離脱する人間がいたとしても仕方ない出来だと感じた。
