「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(TVアニメ動画)」

総合得点
77.5
感想・評価
364
棚に入れた
1188
ランキング
602
★★★★☆ 3.9 (364)
物語
3.7
作画
4.3
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

飽きてきたかな…。

【概要】

アニメーション制作:ufotable
2023年4月9日 - 6月18日に放映された全11話のTVアニメ。
原作は、『週刊少年ジャンプ』に連載されていた吾峠呼世晴による漫画作品。

監督は、外崎春雄。

【あらすじ】

大正時代。人間を食糧として殺し続ける鬼の撲滅を目的とした、
鬼殺隊の竈門炭治郎たちは、柱である宇髄天元たちとともに、
十二鬼月の上弦の陸(ろく)である、堕姫と妓夫太郎を葬り去った。

強力な上弦の鬼が倒されるのは百年ぶりのことであり、
鬼の首魁である鬼舞辻無惨は上弦の残りの五名を招集。

鬼の弱点である太陽の光を克服するのに必要だとの確信のもとに、
青い彼岸花の探索を命じてから何百年も見つけられないなど、
落ち度だらけの無能者として存在価値を疑って部下たちへの軽蔑を隠さない無惨。
パワハラの後に二名の上弦の鬼に新たな命令を与えるのだった。

その頃、遊郭での堕姫たちとの死闘から二ヶ月の間眠り続けていた炭治郎は、
療養先である蝶屋敷での長い眠りから目を覚ました。

寝たきりの身体からの機能回復訓練を行う炭治郎は、
鬼と戦うたびに日輪刀を折ったり刃こぼれしたりしていたので、
刀鍛冶の鋼塚(はがねづか)からの怒りの手紙が届き、刀を持ってない状態だった。

なので炭治郎は鬼殺隊の案内役の手を借りて、
秘匿されている刀鍛冶の里に妹の禰豆子といっしょに向かい、
鋼塚との直接の話し合いをしようとする。

送り届けられた刀鍛冶の里で炭治郎は同期の不死川玄弥と再会したり、
柱である、甘露寺蜜璃や時透無一郎に出会ったりする。

いっぽうで、里を見つけ出した玉壺、そして半天狗が、
皆殺しにして壊滅するべく刀鍛冶の里を襲い始めるのだった。

【感想】

鬼滅の人気がよくわかってない私から見てみますと、
わかりやすく伝えることに特化している原作の内容と、
映像のクオリティで圧倒しているアニメーションが特徴的なコンテンツ。

毎週が勝負のジャンプ漫画はキャラクター人気が無いと成り立たないですので、
トレードマークがついててカラフルで性格がわかりやすくて親しみやすいキャラデザです。
キャラクターへの感情移入を誘うために、家族の絆を重視しながらも鬼に引き裂かれた、
悲しい過去などの長い回想シーンでキャラの掘り下げをすると尚良しですね。
小難しさは要らないとばかりに、困難に立ち向かう勇気と諦めない心で、
難敵に勝利する少年漫画の王道ストーリーはわかりやすくて敷居が低いですね。
多少のグロさがある刺激的な展開も忘れてはいけません。

物語の設定・今起こっていること・キャラが考えてることを、
明確にテキスト化して隠すこと無く開示すればストレスを嫌う現代人に優しいですね。

考察するだけ無駄とばかりに情報を江川達也氏の「東京大学物語」みたいに、
脳内で一瞬で言語化して長文で説明しきるとかシュールですが、
そこはキャラの地頭が良い設定でしょうか。竈門炭治郎の実況解説芸、
冨岡義勇の的確なロジハラ、無惨様の長回しなどの台詞量と台詞回しが特徴的で、
キャラクターが何を考えているのか国語が苦手な人にもわかるように、
示唆や婉曲的な表現を一切用いずにストレートに言語化して伝えきる、
その原作の作風がシュールギャグの領域に達していますが、
小難しく考えずにネタとして受け入れる度量があったほうが作品を楽しめるのかも。

その原作がアニメ化されてハイスペックな映像と併用されると、
説明口調が間引きされているとはいえ、それでもくどさが強いでしょうか。

ウケ狙いではない平凡な日常をするとありきたりだのつまらないだの言われたり、
敢えて思いの丈を口外しなくて、キャラの気持ちを察してくれ!な作風ですと、
説明不足!シナリオがクソ!と言い出す人もいますので、
天下のジャンプの人気作品で有り続けるのには、際立つ個性があるのが重要なのと同時に、
分かる人だけ分かれば良いみたいな意識が高いクリエイターがやりがちなものではなくて、
誰にでも理解できることを念頭に作られた原作漫画であることを念頭に、
その精神を遵守した制作陣の優しさに溢れたアニメなのでしょうね。

さて、その鬼滅のアニメの続編ですが、戦闘シーンの作画技術は圧巻ではありますが、
ギャグ表現などの諸々のマンネリが飽きてきました。今回の刀鍛冶の里編は敵がイマイチですね。
上弦の鬼の半天狗と玉壺は、生来の純粋悪として歪んだ精神が個性として作られたキャラですが、
卑怯と臆病の半天狗に、歪んだ美意識に陶酔するの玉壺は、
両者ともに性格的にグロテスク極まりなくて三下感が拭えない。
キャラとしては同じ上弦の鬼の堕姫と妓夫太郎より格落ちが甚だしいところ。
玉壺なんてギャグ漫画のキャラがエグいことをやってるインパクトを狙ったのでしょうか。

大きな魚に人間の手足が生えていて「南国少年パプワくん」のタンノくんみたいなのが、
その玉壺の眷属である金魚鬼なのですが、それがCGで描かれていて里の人間を襲う絵面がシュール。
緊迫したシチュエーションの連続のはずがギャグ漫画時空に感じられて仕方なかったです。

その魅力のない敵たちとの戦闘中に、鬼殺隊員の生い立ち・鬼との因縁・鬼殺隊に入るまでを細かく、
長い回想シーンを挟んでいて、戦闘がなかなか先に進まなくて、間延びに感じられます。
「ドラゴンボールZ」に比べたらその長さも可愛いものですけどね。

その回想シーンも鬼のせいで身内を失うなど悲惨な過去を乗り越えて、
悲劇を繰り返さないためにも元凶である鬼舞辻無惨を倒すといった類が多いですが、
同情はあっても共感はないですね。イケメンや美少女たちにどんな過去と感動シーンを作っても、
鬼滅が心に刺さって感動したことが自分には一度たりとも無い理由は何だろう?

考えてみると、キャラの特殊さが原因だろうと考えて自分でかってに納得してみたり。
キャラを際立たせるために極端な個性と環境を与え続けたために、
浮世離れしているキャラの数々を視聴者として突き放して観察してしまっている。
ファンの方は同じ部分に感動したりキャラの生き様をかっこいいと思ったりするのかもしれませんが。

たいして面白くもないのが刀鍛冶の里編ですが、最終回で挿入歌を交えての兄妹愛で泣かせにきた。
そこだけ切り取ってみると感動的なアニメに思えなくもないのですが、
結局のところ初回と最終回だけ見れば良いやって感じで途中の冗長な展開を見続けるのが、
面白くもなくてむしろしんどかった。何故かこのアニメに既視感があるなと思ったら、
クオリティは大違いなのですが、回想シーンが過剰で展開が遅い構成が、
「テラフォーマーズリベンジ」に酷似していて、
仮に同じアレとクオリティで作られてたら、評価が地に落ちていただろうな。
全11話で実質13話相当の尺に合わせて間延びしたのは個人的には失敗だとは思いますが、
制作会社の丁寧な仕事に救われている部分も少なからずあると思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/03/28
閲覧 : 94
サンキュー:

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