「将太の寿司 心にひびくシャリの味(TVアニメ動画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
3
棚に入れた
19
ランキング
7721
★★★★☆ 3.8 (3)
物語
3.8
作画
3.7
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 3.0 作画 : 2.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

心にひびかないアニメの味。

【概要】

アニメーション制作:スタジオコメット

1999年10月11日に放映された全1話のTVアニメ。
原作は、漫画家・寺沢大介によって、『週刊少年マガジン』で連載されていた漫画作品。

監督は、角田利隆。

【あらすじ】

北海道の小樽市の寿司屋「巴寿司」は小樽一の寿司屋と評判だったが、
地元での大手チェーン店の度重なる笹寿司の妨害で最低のネタしか手に入らず落ちぶれていった。
再起のために「寿司握りコンテスト」への出場を決心して優勝を目指していたが、
またしても笹寿司の妨害による海難事故で店主の手が動かなくなり、
店主の長男で中学三年生になる主人公の関口将太が出場。
優勝したのは笹寿司であったが、審査員の鳳征五郎に認められスカウトされた将太。

鳳征五郎は日本一の名店と名高い東京の「鳳寿司」の親方であり、
高校進学をやめて「鳳寿司」で修行して、いずれは「巴寿司」を継ごうと上京した将太だった。

そして、アニメは兄弟子にどやされる修行の日々から始まる。
ある日、親方が組合の旅行で妻を連れて一週間ほど店を留守にすることになった。
大政・小政の職人がいるから大丈夫だろうとの判断。
だが、早々に大政が寿司ネタになる魚を釣ろうと海に出てボートが転覆して大怪我。
その影響で店が回らなくなっていった。仕方なく、自分を売り込みに来ていた、
流れの寿司職人の結城丈士を雇ってみた。結城は技術は高いのだが口出しが多く、
店を代理で仕切っている小政とは、寿司や経営の考え方など何から何まで馬が合わない。

だが、結城は生意気な性格はともかく実力はあるので解雇も出来ずに、
親方が不在の中で、「鳳寿司」の空気は不穏な状態にあるのだった。

【感想】

「ミスター味っ子」の原作者の作品で実写ドラマ化したこともある有名な漫画ではありますが、
アニメになってたことを20年以上気がつかなったのですが、
いざ観てみれば、1999年ということを差し引いてもアニメとしてのクオリティは高くはないです。

農林水産省の一社提供で、パンや麺ばかりでなくて米食を見直そう!
そして、食料自給率を上げようとの目的の、
政府広報の御役所仕事的なアニメの素材として「将太の寿司」が使われた感じ。

実際に合間合間にCGで描かれた人形みたいな将太が視聴者に講義するシーンが複数回あります。

なので初期の性悪な兄弟子・佐治安人や、将太にずっと嫌がらせし続ける笹木剛志みたいな悪役は、
アニメの中では姿を見せずに、ガッツと創意工夫で悪い奴の鼻を明かしたり改心に引きずるような、
原作漫画の外連味が溢れるドラマ性が原作より少し薄くて漂白された印象のアニメ。

かと言って、ストーリー自体はとあるキャラの親子の物語がアニメの話になっていたりで、
基本通りの将太の寿司になっています。

将太が寿司屋の倅のくせに、客に出せない魚の部位を捨ててしまって、
従業員の賄い料理に利用することを知らずに小政に説教されるとか不自然極まりないですが、
元々が、作者の寺沢大介氏の作風が、え?料理人のくせにそんな事も知らないの?
みたいなことをしてまで読者に説明するシーンが多いですのでそこに倣った感じでしょうか。

実は将太への嫌がらせで鳳寿司の評判を地に落とすのが目的の、
笹寿司からの刺客だった結城と勝負することになった将太ですが、
そのために店で使ってるのより良い米を求めて、
生産者が結城の父親である米で“わからせ”をして和解をするという、
いかにもこの漫画っぽい展開は、米のPR目的のアニメとは言え、
親方や兄弟子の目利きで仕入れてるのより上等な米があっさり見つかるあたり、
間接的に鳳寿司の目利きの実力を落としてないか?と気にならないでもないですが、
原作から一貫した話の作りかたに、そして20年以上前の漫画(アニメ)に突っ込みを淹れるのも、
今更感もありますでしょうか。
話の都合とは言え、結城の実力者であることを強調するためか、
小政が原作の描写から大幅に無能化されていてフォローが無いのはちょっとよろしくないかと。

それにしても、笹寿司の妨害工作が今回も逮捕されないのが不自然なレベルでえげつないですね。

大政の怪我が今回は後遺症が残らないものですが、
原作エピソードで笹寿司が将太の父親に使ったのと同じ妨害の手口。
酷いことをしといて心を入れ替えたので良し!と結城とのいざこざをあっさり水に流すのも、
将太の寿司らしいと言えばそうかも?

一応は感動系料理漫画が原作のアニメですが、
描写はソフトになっていますが原作の歪な部分も再現されてて、
懐かしい気分にさせられたアニメでした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/04/12
閲覧 : 28
サンキュー:

7

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