「ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記(アニメ映画)」

総合得点
63.2
感想・評価
66
棚に入れた
395
ランキング
4388
★★★★☆ 3.4 (66)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

夢を描く人。

【概要】

アニメーション制作:シンエイ動画
1997年3月8日に公開された99分間の劇場アニメ。
原作は、藤子・F・不二雄が『月刊コロコロコミック』
にて連載していた「大長編ドラえもんシリーズ」作品。

監督は、芝山努。

【あらすじ】

スネ夫の牧場自慢話に対抗して自分も牧場を持っていると嘘をついたのび太は、
ドラえもんに牧場をおねだりするが、怒ったドラえもんはのび太を置いて、
そのまま22世紀のお中元ドラ焼き大売り出しに行ってお買い物。

その後、戻ってきたドラえもんは22世紀商店街の福引きが全部外れで不機嫌。
外れ券の内容は小惑星引換券の山だった。

火星と木星の間に無数とある星クズの所有権なんて使い道が無いのだが、
念のために「どこでもドア」で、のび太が一枚一枚を確かめてみると、
最後の一枚の行き先が、生き物の生存に適した森と湖で夢のような風光明媚な小惑星だった。

小惑星のありえない美しさを気に入ったドラえもんたち、いつもの5人は、
牧場にするどころか、ひみつ道具「生命のねじ」でぬいぐるみや玩具の重機などに生命を与えて、
小惑星を開拓して、「ねじ巻き都市」を作る。

人間並みの知性を持ったぬいぐるみが生まれたりで驚くことが多いドラえもんたち。

それと同じ頃、日本では前科百犯の凶悪犯罪者の熊虎鬼五郎が脱獄して、
たまたま野比家に侵入して、たまたま「どこでもドア」をくぐって「ねじ巻き都市」に入り込み、
小惑星を我が物にしようとして、ドラえもんたちと敵対しての大騒動を起こすのだった。

【感想】

大長編ドラえもんの第18作目。
執筆途中で亡くなられた藤子・F・不二雄先生の遺作であり、
アシスタントやアニメスタッフが残されたアイデアノートと証言を組み合わせて完成させた作品です。

火星に生命が存在していた説をベースに、宇宙には星星に生命の種を蒔く「種を蒔く者」がいて、
ドラえもん世界では創造主で神様みたいな存在。35億年前に火星と地球に生命体の種を蒔いて、
何十億年も経過観察を続けているといった壮大な話ではあるのですが、

物語の神である作者と、創作「ドラえもん」の世界とキャラクターとの関係の例え話にも似ていて、
「種を蒔く者」と野比のび太との直接の対話で、自分がこの先長くないのを悟った作者が、
「ドラえもん」の世界が自分の手を離れたあとも別の人の手でこの先も続いていく願い。

作品に秘められた遺言めいたものを感じられるのは、後になってのこじつけかも知れませんが、
与えられた生命が自分たちの未来を自分で考えて、創造主から巣立っていく。
それは、ねじ巻き都市を作ったドラえもんたち5人と、
ねじ巻き都市のぬいぐるみ住人の関係の変化でもそうでありますし、
作者がよく用いる環境問題などの社会派のテーマよりも、
所謂、「神が去った世界」は心に残りやすいものではありましたね。

今回は、ユーモラスな悪党の熊虎鬼五郎がしちゃかめっちゃかに物語をかき回し、
ドラえもんやのび太たちより強烈なインパクトを残しています。
彼が偶然にもドラえもんの道具で自分のコピーを量産して徒党を組んで悪事を働くのですが、
唯一ホクロと呼ばれる良心のあるバグ個体が発生して、彼の存在が重要になっていくのですが、
どんなに欲深く愚かな人間でも一欠片の希望がある…みたいな性善説を作者が描きたかったのか?
藤子・F・不二雄先生が「ドラえもん」で描きたいのは希望の物語ではないか?

ギャグみたいなシュールな絵面の今作品ではありますが、想像が捗るものが多々ありました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/04/30
閲覧 : 38
サンキュー:

9

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