「イヴの時間 劇場版(アニメ映画)」

総合得点
78.2
感想・評価
1414
棚に入れた
7617
ランキング
556
★★★★☆ 3.9 (1414)
物語
4.1
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

『イヴの時間 劇場版』作品紹介と総評

吉浦康裕監督、スタジオ六花制作のオリジナルアニメ作品。
個人的に、もっと評価されるべきと思う作品の一つです。

(あらすじ)
未来、たぶん日本。
“ロボット”が実用化されて久しく、
“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。
高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、そこにはアンドロイドと人間の区別をしないというルールを設ける「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。
そこに集う様々な人間やアンドロイド達との関わりの中で、それぞれが少しずつ影響を及ぼしあい、変わっていく。(wikipedia参照)

人間とロボット、そしてその間の存在になる”アンドロイド”との間の”人間関係”を描く作品。「ロボットなのに人間関係?」と思われるかもしれませんが、本作に登場するアンドロイドは姿形は人間と変わらないロボットなのです。この”アンドロイド”の存在がこの物語のキーになっている言えます。

人間からすると、アンドロイドはロボットの延長上という概念があり人間とは別の存在としている。逆に、アンドロイドからすると、自らと姿が同じ人間に興味を持ち、人間的な感情を持ちたいと思っている。この、”お互いのすれ違い”がこの物語のキーエッセンスでしょう。

そして、舞台となる場所はアンドロイドと人間の区別をしない場所、「イヴの時間」。この場所のお陰で、物語は四方八方に広がっていきます。マスターや常連客の存在、アンドロイドと人間の関係性、リクオや友人の真崎のアンドロイドに対する認識の変化…と様々になっています。

特に、この作品がテーマとしているものに「差別」というものがあります。アンドロイドと人間の間にある偏見や差別は、一昔前にアメリカにあった「黒人差別」に共通するのではないかと感じました。そう考えると、本作はアンドロイドに対する”人権とは何か”を考えるアニメだとも思えます。

また、この問題は現代社会の差別問題にも繋がるものでしょう。私も人種差別を目の当たりにした経験もありますし、いじめ問題等はニュースで毎日放送されています。劇中にナギの言葉である「”皆の心が一つで成り立つ”人間関係とは何か」がキーなのではないだろうか。

10年後、ひょっとすればこの世界と同じ次元の世界観になっているかもしれません。こういうトピックを先取りし、考えさせる事が出来るのがアニメなんだなと感心しました。

”もっと評価されるべき”というよりも、もっと色んな世代の人に観てほしい作品なんだと思います。

(1/27:改稿)

投稿 : 2013/01/27
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