ものぽらいざ さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

傷物語と猫物語（白）の3部作の中編

傷物語が序編、猫物語（白）が完結編となって、本作は3部作の中編に該当する。

と、個人的に思っているので、それぞれの行動根拠や関係性は各作品を通して観る必要がある。

それでも化物語を見ていれば、本作単体でも十分に楽しめる。

では、「白」も含めたネタバレを、、、
{netabare}
「黒」の結末は、羽川にとってなかったことにして問題から逃避することで解決しているが、「白」は問題と対峙し、受け入れることで人間的な成長と共に結末を迎える。

羽川と両親、ブラック羽川との暦など、それらも全て「白」で完結する。そう、例えば暦は羽川のヒーローになるのである。

とは言え、本作でも暦は羽川に初恋と言える感情を頂いているが、この恋は成就しない。暦にとってこの恋はバランスが取れなかったからだ。すでに羽川のために死ねるほどの負債を背負っているからだ。

その反面、戦場ヶ原には貸しから入っている。この点が暦の性格に合っていた。誰でも助けようとする性格に。

また、「心渡」を渡した忍の心境やその後に「化」でゴーグルをつけたプライドは傷物語を通して明確になる。序盤で暦が忍のプライドを傷つけるシーンは重要であるが、本作だけでは描き切れないのは仕方がないところか。
{/netabare}

妹たちとのシーンは羽川家との対比程度にして、羽川の異常さの描写にもう少し時間をさいた方が良かったかも。