「プラネテス - ΠΛΑΝΗΤΕΣ(TVアニメ動画)」

総合得点
90.7
感想・評価
3116
棚に入れた
15539
ランキング
49
★★★★☆ 4.0 (3116)
物語
4.3
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

宇宙版「踊る・・・」

原作は未読で視聴しました

この作品
ストーリー構成がとてもよく出来ていると感じました
前半はおもに
主人公の「ハチマキ」と
ヒロインの「タナベアイ」の
「デブリ課」でのお仕事とそれを軸にしたエピソード
後半は主に「テロ」や「連合」など
シリアスなテーマが絡んでくるエピソード
そして恋愛や仕事などの
人間ドラマが各所に織り込まれていて
とても濃い内容となっています

そして背景設定もとてもよく練られています
宇宙空間や宇宙船など技術的な設定
テロや国際問題など政治的な設定
企業などの社会的な設定などなど

注目なのは
企業など組織の構図の設定が
とても凝っているところです

主人公のハチマキが勤めている「テクノーラ社」は
「連合」という国際機関に属する一企業で
「連合」は「テクノーラ」のような企業活動や
月等の資源開発を行っている
地球規模の連合体なのです
そして
各国の分担金の比率に応じて
利益配分や
資源ならば採掘量の配分をする
といった具合になっています

各国の分担金の比率ということは
当然そこには国家間の格差が出てくるわけです

作中に出てくる
「宇宙防衛戦線」というテロ組織も
こういった格差問題を背景に活動しているという設定になっていて
新しい国際問題の形として取り上げられています

先に書いた資源の分配なんか
月資源配分の議会中にテロが発生したエピソードで
テロと議会の間での「裏取引」で決着させるあたりは
(結局議会側がテロに折れる形で、月の資源配分は分担金比率ではなく人口比率になった)
なんか生々しくて懲りすぎ
なんて思ったりもしましたが


企業におけるキャラの設定も
私的には面白かったと思います

特によかったのは
テクノーラ社第二事業部長のドルフさん
なんか
すごく偉い役職の人物ですが
結構部下のことを思っていて
人物的には好感が持てるキャラです

そしていいのは人格だけではなくビジネス手腕も見ものです
終盤「テクノーラ」の子会社(?)である
「ガリレオ開発」での実績を認められ
「テクノーラ」に引き戻す(栄転)話が持ち上がるのですが
ドルフさんはそれを見事に蹴ってしまいます
プライドを見せるあたりはさすが
と思ったのですが
実は
「ガリレオ」の責任者(ロックスミス)を丸め込んで
独立してしまうなんて
かなりの「やり手」です

こんな人がウチの役員だったら
なんて思いましたが
そうなったら私なんか
速攻でどっかに飛ばされちゃいますね^^

もう一人というか二人
ハチマキの所属するデブリ課の課長(代理)とラビィ係長(代理補佐)

へタレです
最初出てきたとき
「出てきちゃったよヘタレ上司が。どこにでもいるんだよな~こういうヘタレ」なんて思いました
なんか
出世とかコネとか接待ばっかり気にする典型的なヘタレ上司です
でも
中盤では部下を守るため上司に反抗したりして
ちょっとだけ良いところもみられました


作品を観ながら
この構図やキャラ
なんか見たことあるなぁ
なんて思って
ふと気付いたのですが
これって
「踊る大捜査線」に似てるんですよね
組織構図なんかは
 「連合」=「警視庁」(本庁:本店)
 「テクノーラ」=「湾岸署」(所轄:支店)
 (多分、湾岸署はもっと格下だと思うが)
みたいな感じでしょうか
キャラでいうと
 「ドルフ」=「室井慎次」(柳葉敏郎)
 「ヘタレ上司」=「スリーアミーゴス」
そうなると
 「ハチマキ」=「青島俊作」(織田裕二)
 「タナベ」=「恩田すみれ」(深津絵里)
になるのかな



宇宙の描写に関してもとても凝っています
JAXAの協力が入っており
かなり力が入っているのを感じました

いままで
苦手ながらもSF物(特にロボ物)を見てきましたが
動き回るメカキャラのスピードに
正直ついていけませんでした

本作のメインテーマになっている「スペースデブリ」は
およそ秒速8~9キロメートルで移動するそうなのですが
時速にするとおよそ30000キロメートルって
そんな速いもの
どうやって描くのだろうとおもっていました

とてもじゃないけど
これもついていけないのではと思っていましたが
観てたら宇宙船とかゆっくり動いているシーンばかり
そういえばスペースシャトルやISS(国際宇宙ステーション)の中継とか
テレビでやってるのもこんなふうだったなあって

よく考えたら
デブリを回収するときはデブリと同じスピードで
同じ方向に移動しながら回収作業するから
相対速度は0キロメートルになるんだ
などとあらためて納得してしまいましたが

まあ冷静に考えてみたら時速30000キロメートルなんていったら
普通
人間の目ではまともに追いかけられないですよね
ちなみに
本作の中では
デブリと交差するシーンがありましたが
線でした
一瞬だけの線です
現実に近い描き方をすると
こんな感じなのかなと
あらためて思いました


ストーリー構成もとてもよく仕上がっています
ほぼ毎回のように人間ドラマがあり
仕事やら恋愛やら
普通のドラマにも引けを取らないほどのいい出来です
最終回は感動で号泣だったのは言うまでもありませんが
各回観る度に最後には「どばぁ」っと涙が溢れてきました

そう
なぜか最後に「どばぁ」っと・・・
すごく
エンディングの入り方が絶妙なんです

エンディングといえば

エンディングテーマの
「Wonderful Life」
とても
爽やかないい曲です

観始めたころ
「さすがNHK、体操のおにいさんがうたってるのか~」
って思ったくらい(全くの私の思い込みです)
爽やかな歌声なのですが
うたっているのは
「酒井ミキオ」さんという
シンガーソングライターさんでした^^


とにかく
とても見応えのある作品です

投稿 : 2013/01/21
閲覧 : 315
サンキュー:

26

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