「カウボーイビバップ 天国の扉-COWBOY BEBOP(アニメ映画)」

総合得点
77.4
感想・評価
584
棚に入れた
3313
ランキング
609
★★★★★ 4.1 (584)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.2
キャラ
4.2

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

最高にクールで気分屋のあいつらが帰ってきた!今度の標的は3億ウーロン!?史上最悪のテロリストを捕縛せよ!!

カウボーイビバップの劇場版ですが
いつものビバップ号の面々が普通に組んでるところをみると
これはTVアニメ最終回よりも少し前くらいの話なのかな?
観る前はTV版のその後かと思っていましたが最終回があの終わり方だし
どういうこと?と思ったらやっぱりそういうことなんですね。
ビシャスと決着をつける前にあった出来事のようです。

視聴したのはブルーレイ版。
銃撃戦、格闘戦、ドッグファイトなどとても綺麗で見応えのある映像でした。
特にドッグファイトではブルーレイ画質をより感じ取ることができ
とても立体感のある空中戦を繰り広げていました。
画質以前に作画に力が入っていてパンチや蹴り一つとってもヌルヌル動いてました。
あと攻撃を受けたときの悶絶した表情などもよかったですよ。
動きとかは地味なんだけど丁寧で細かく見せ方が派手。
一つ一つが丁寧で細かいから見逃さないように見入ります。

今回の賞金首は謎の生物兵器、作中では最初ウイルスと呼ばれていましたが
その生物兵器を使用しテロを引き起こしたヴィンセントという男がターゲットです。
その額なんと3億ウーロン!
たしかに対応策のないバイオテロは恐ろしいでしょうけど
いくらなんでも高額すぎない?w
だってプロローグでスパイクたちは150万ウーロンの超小者を捕まえてたんですよw
それがいきなり3億ってあなたね…
TVアニメ版でも時々高額の賞金首を相手にしてましたが
せいぜい~千万とかですよ。
この作品で3億なんて破格中の破格だと思います。

まぁヴィンセントという男の危険性を考えれば3億でも安いのかもしれませんね。
銃の扱いや肉弾戦などスパイクと渡り合えるほどの実力者でした。
なんか追い詰められると肋骨のあたりを鷲掴みにするんですよw
それでスパイク悶絶w
しかしヴィンセントの一番恐ろしい部分はそれらのことではありません。
彼には恐れがないのです…銃弾で手に風穴があこうがおかまいなし、まさに狂人です。
私が思うに世の中で一番恐ろしい人物と言うのは
銃の扱いに長けていたり肉弾戦が強かったりとかそんなんじゃないと思うんです。
この世で一番恐ろしいのは何をするにも躊躇しない人間。
銃が使えようが肉弾戦が強かろうが人を痛めつけるのに躊躇してしまう人っていると思うんです。
ていうかそれが普通だよね、躊躇せずに痛めつけられる人のほうが異常。
ヴィンセントは相手を痛めつけるのも自身を痛めつけるのにも躊躇しないのです。
スパイクはそんなヴィンセントと相対して生まれて初めて本当の恐怖を味わったと語っています。

ヴィンセントは元軍人で生物兵器のワクチンの実験体として色々いじられたようです。
彼はこの世で唯一生物兵器を抑制できる人間としてつくられたのですが
当のヴィンセント本人は抑制どころかそれを使って世界を終わりに導こうとしてました。
研究者たちもワクチンが敵になるパターンは想像してなかったのかな?
ヴィンセントがテロを仕掛けた以上事実上ワクチンの入手は不可能なんですが
実はもう一人ワクチンをその身に宿す人物がいたのです。
エレクトラという女性でヴィンセントと親しい関係にあったみたいですが
ヴィンセントは実験の後遺症で彼女のことすら忘れてしまっています。
ヴィンセントと接触したことのあるエレクトラにもワクチンがなんらかの方法で入り込んだようです。

このヴィンセントとエレクトラはかつて同じ部隊に所属していたようですが
タイタンが関係してるみたいなんだよね。
タイタンてTVアニメ版でヴィシャスとグレンの部隊がいたところだけど
あそこらへんと関係あるのかな…

もちろんスパイク以外のメンバーも活躍しますよ。
フェイは未成年のハッカーを追ってたんだけど
実はそいつがヴィンセントと繋がってて逆にヴィンセントに拉致られてしまうのです。
頼んでもいないのに血まであたえられそのおかげで生物兵器の抗体をフェイは手に入れました。
ヴィンセントは気まぐれ程度だろうけどフェイに少し関心を示してたよね。
もしかしてフェイにエレクトラに似た何かを感じたのかもしれない。
忘れたというのは完全に記憶そのものが消失したことにはなりません。
忘れてるだけなら思い出すことだって可能なんです。

ヴィンセントはただ確かめたかっただけなんです。
自分のいる世界が夢なのかそれとも現実なのか…
ありもしない扉を探し続け生だろうが死だろうが実感したかったんでしょう。
彼は生きてるわけでも死んでるわけでもありません。
死んだように生き、生きながら死んでるのです…

TVアニメ版同様クールでハードボイルドな作品に仕上がってます。
どれをとっても劇場版クオリティという感じでビバップ好きにはハマる演出が多くありました。
ビバップの魅力を活かすことに成功したいい映画だと思います。

「そいつはただ…一人ぼっちだっただけさ…
自分以外の誰ともゲームを楽しめない…夢の中で生きてるような…そんな男だった…」

【A82点】

投稿 : 2013/02/04
閲覧 : 233
サンキュー:

6

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