「おおかみこどもの雨と雪(アニメ映画)」

総合得点
84.9
感想・評価
1826
棚に入れた
9953
ランキング
257
★★★★☆ 3.9 (1826)
物語
4.0
作画
4.2
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.9

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りゃむ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アニメ映画作品で久しぶりに見る傑作でした

あらすじについては割愛します。

この作品は見る視点が違えばまた別の共感を与える作品なのではないでしょうか。
例えば、子を持つ親の視点
例えば、これからの生き方を選択する立場にある学生の視点
例えば、夢を追い努力している人の視点
例えば、今を守るために必死で日々を生きている視点

作品ひとつでこれだけのものを描けるのはすごいと思います。そしてそのすべての立場を肯定も否定もせず“自分で選んだ道”として背中を押してくれるような作品になっています。

最初は花が学生である内に出産し、父親であるおおかみおとこは死亡退場という展開にあまりにも無責任さを感じ少し嫌悪感を抱きました。

しかしこの展開も物語をすべて見終わった今となっては納得ですし、メッセージも感じることができます。


花が選択したたくさんのこと、それは楽して生きるための選択ではなく幸せに生きるため、子供たちを幸せにするためのに選んだ道。
こんな風に言えればすごく聞こえはいいのでしょう。
しかし花がした決断(学生出産、田舎への移住、雪を学校へ通わせることなど)が正しかったとは思いません。

これは最近よく思うことなんですが人生の選択肢って正解がないんじゃなくて、どっちも間違いってことのほうが多いんじゃないかなぁと思います。

正解があるなら迷いませんしね。

どっちも間違いなら選ぶ基準は自分の価値観と自分なりの幸せの定義なんだと思います。
また、それは誰にも否定される筋合いはないことですし、逆に誰に押し付けるものでもないとも思います。

しかし心がある以上身内であれば、大切な人であればあるほど押し付け合い否定したくなるものです。
そういった点も雨と雪の対立という描写でしっかり描けていました。

最後に花が選んだ“しっかり生きて”は否定も肯定もないただ純粋な雨への祝福のせりふだったように感じました。

そしてこれこそが何より背中を押してくれる要因なんだと思います。
少なくとも俺個人は何でもokという安易な肯定的メッセージよりも遥かに心に来るものがありました。

さてこの作品細田監督が初めて脚本も手がけた作品だそうです。

才能あるやつは何でもこなしやがるな!w(←このセリフわかる人いるかな・・・)
なんて・・・まぁ原案から脚本、監督まで一人の人間が手掛ければそこに何か1本筋が通ったような一貫性が生まれます。
推測でしかないですが、脚本まで手掛けることによって各登場人物の内面、心理を混じり気なしの徹底的に描き切れたのではないかと考えます。
つまり細田ワールドが誰のフィルターも通さずにダイレクトに作品の中に投影されたのではないでしょうか。

そういう視点でジブリ宮崎監督、カラー庵野監督、新海監督などとの対比で見てもまた違った面白さがあります。

レビューの星点数があまり高くないのは・・・やっぱり本職声優にはいくら実力派俳優でもかないませんって・・・w

投稿 : 2013/02/21
閲覧 : 335
サンキュー:

8

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