「魔法少女まどか☆マギカ(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
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ランキング
44
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

絶望と希望の向こう側で

この作品は、日本アニメ界を代表する名作ですよね。だから、私よりも大好きな方・詳しい方がたくさんいられると思うので、私は私が感じたことを中心に書いていこうと思います。


◆この作品で伝えたかったこと◆

{netabare}この作品で伝えたかったこと、それは『人は何のために生きるのか』という問いです。

私がこう感じたのには、もちろん理由があります。インキュベーターと契約を結ぶと、いつか魔女になってしまうという絶望と引き換えに、一つの願いを叶えることができる。そして願いを叶えた魔法少女たちは、希望を胸に戦い続ける。その過程でこの作品は、一つの問題提起をしています。

『君の魂を対価にして何を願う?』

何を願い、魔法少女になるのか。何のために、戦うのか。この点において、さやかと杏子が激しく争います。

『私は人のために祈った事を後悔してない。』

『その時心に誓ったんだよ。もう二度と他人のために魔法を使ったりしない、この力は、すべて自分のためだけに使い切るって。』

さやかは恭介のために。杏子は最初は父親のために、そして自分のためだけに。マミは生きるために。ほむらはまどかのために。まどかは、すべての魔法少女の希望となるために。

では、何を願い、何のために生きるのが正しいのでしょうか。「自分のため」と「誰かのため」、どちらが正しいのでしょうか。一見すると、誰かのためにが正しいそうですが、私はそうは思いません。答えはそう、まどかにあります。

以前まどマギを見た友達と話をしたとき、彼はこう言っていました。

『まどマギですか?あれ、主人公が最後まで魔法少女にならない話ですよね?』

そう、まどかは最終回になるまで魔法少女になりません。なぜでしょう。

それはまどかが優しいから。そうですね。ほむらが何回も何回も、必死に訴えたから。もちろんそれもありますね。キュウべえが単に、ウザかったから。それは私です。

最大の理由は、まどかが魔法少女になるのに「何を願い、何を祈るのか」を最後の最後まで悩み続けたからだと思います。そしてここに、この作品の真意があると思うのです。

本来「何のために生きるのか」というのは人それぞれで、「自分のために」も「誰かのために」もともに尊く、どちらか一方だけが正しいということはないと思います。大切なのは、まどかが最後まで悩んで答えを出したように、私たちもいろんな経験や出逢いをたくさんして一生懸命考えた果てに、自分なりの答えを見つけることだと思います。これが、この作品で描きたかった少女たちの成長物語なのではないでしょうか。

何のために生きるのか。そんなこと考えたこともないし、正直どうだっていい。そう思う方もいられるかもしれません。でも確かに、まどかたち魔法少女は悩み苦しみながら、懸命に戦ったのだと思います。

『絶望と希望の向こう側で、あなたは何を願いますか?』{/netabare}


◆まとめ&これから視聴する方へ◆

私がこの作品を初めて見たときの感想は、「衝撃」でした。お話は『マジか?』の連続で、ストーリー展開でこれだけ驚かされた作品は他にないと思います(あとはシュタゲとコードギアス)。他のデザイン、演出、音楽、OP&ED、声優さんの演技。そのすべてのクオリティーが高く、それらが上手く作用し合って「まどマギ」という世界を作り出していると思います。

ただ、唯一惜しまれるのは、キャラデザがどうしても好きになれなかったこと。うーん、なんでしょう。他の作品たちと比べたら、かわいくないですよね。もちろん、作品の雰囲気にはとても合っているのですが。残念ながら、私の好みではありませんでした。残念。

もし、まだ見たことがない人がいたら、ぜひ見たほうがいいと思います。好みはあるかと思いますが、それを無視しても楽しめる、とても完成度の高い作品だと思います。


偉そうなことをつらつらと書いてしまいましたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

投稿 : 2015/08/01
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サンキュー:

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