「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 (第2期)(TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
3773
棚に入れた
20809
ランキング
149
★★★★☆ 3.9 (3773)
物語
3.8
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大体、想像つくけど相変わらず発想は斜め下だわ。

1期はコメディとしては理解しているつもりだが、作者のオタク文化を促す落とし方にエゴを感じた。私にとって不快な印象でしかない本作だが、2期は原作と同じ終わりを迎えるラブコメ路線になると伺っており、誰もが思い浮かぶタイトル通りの結末なのか観たわけだが作者の技量不足と感じた。

この作品に限ることではないけど作品に思い入れ補正がある人ほど評価しにくい結末に無難な評価に留める気がした。 キャラアニメとして楽しめた、ラノベとして完結した意味を込めての評価を察すると足蹴にできなかった。その辺の評価は人それぞれで分からないけど、原作未読だが作者は自分の作りたいモノを作っているだけ、結末に視聴者の気持ちを育んでいないと感じた。

そもそもキャラアニメのコメディで誰得みたいなシリアスなラブコメ路線にして、オチは兄妹愛を見せ付ける為にキャラを使い捨てるやり方が評価できない。
好きなキャラが京介に振られ桐乃Endに収束する為に利用されてファン泣かせもいい処。やっていることは薄いギャルゲー主人公みたいなハーレムストーリー構成を繋ぎ合わせただけで唖然とした。さらに一捻りあるのか期待すると、期間限定でした。 と、最後にモラルはありますよ! と反吐がでる。この落とし方が本当に気持ち悪いと感じた。
作者自身が自作を貶しているように感じられ救いようがない。
そしてゲーム初回販促は、後日談、黒猫End、あやせEndにするのか知らないけど、それならもっと綺麗な終わり方に出来なかったの? と感じる。

京介と桐乃の兄妹愛とは何か考えてみた。
演出としてオムニバス形式のようなストーリーラインで中途半端な整合性を保っている理由は、どのヒロインにも京介とのHappy Endを漂わせる為にチープになっている。これが作者のキャラへの愛情として描いているつもりなんだろうけど、右往左往する物語の運びになっていたと感じる。

京介はシスコンで変態だが各ヒロインの為に力になろうとする必死な姿を魅力にしているが、ただの優しい高校生。ヒロインは皆、桐乃の為に奮闘する京介の姿に男らしさを感じており、桐乃が抱く理想の兄と同じで、ヒロインにとって理想の男性像を思い描く要素となっている。後は、ごにょごにょとアレンジしたエピソードを加味させ兄としての京介を知っているから魅力になっているだけで彼自身は優しい性格だけに尽きる。
その優しさの中には、相手の為につい激しくなる怒声、出来ないとは言わない俺に任せておけ! と突っ走る草食系の男らしさとなっている。それも凡人と自覚しながら必死に奮闘する姿はカッコイイとは想うが、スペックとしては普通で兄妹愛と天秤に掛ける主人公としては役不足な為に異常なシスコンを着飾る。
その兄妹愛の度合いとして、黒猫、あやせ、おまけみたいな扱いな加奈子も使われる。

黒猫
京介の行動・心理描写の根底には、シスコンな為に他のヒロインへ傾くこと自体が不自然ではあるが、御鏡の一件で、いづれ桐乃もどこかへ行く寂しさ桐乃もいつかそんな日が来るとお互いに理解が後押しとなり黒猫と付き合うことに至る。この7話で一旦 兄弟愛の幕を閉じているが、京介と同じで桐乃もやっぱり兄を譲れない心境に陥る。
結果だけで観ると、桐乃が京介への愛情を知る我侭に利用された黒猫に同情するが、黒猫の未来日記には3人が仲陸まじく過ごす未来へ となり、京介・桐乃の気持ちを育み未練を残し、いつか付き合えることを願い諦める。あやせエピローグをはさみ最後にダメ出しの如く京介に振られ失恋する。正直、もう2人と関わりたくないと思うけどね(苦笑)
あやせエピローグ前から黒猫ルートへ軌道修正をかけれる分岐になっており手直しが効くエピソードで甘い。御鏡と桐乃エピソードを黒猫・京介に置き換え使い回しただけで捻りが感じられない。
京介が桐乃の本音を知り、兄妹だけど好きと俺だけではなかった と兄妹として両想いであることに気づいた。

あやせ
桐乃との夏コミの件を持ち出しフラグを立たせ桐乃あっての京介に惹かれているわけで告白する必要なかったと想う。それに桐乃はあやせに対して、兄をどう想っているか伝えていない。桐乃と黒猫の友情は感じられるが、あやせとの距離間は互いに上辺のようにも見えてしまう。あやせ自身も桐乃へ告白を打ち明けるといった描写がなく桐乃Endへのお膳立てとして使われているだけでエピソード的にどうにもならなかったの? と言いたくなる始末。京介の冗談みたいな言葉を本気で受け止め弄ばれ短い同棲染みた生活を楽しんだだけ。ヤンデレルートでぶち殺してあげたら良かったのにと想ったりした(笑)
京介の中で桐乃の存在が妹から一人の異性として好きになっている。

桐乃
京介の押しに負け付き合うことになる訳だけど、そこには黒猫・あやせより全てを投げ打って自分を女として選んだ京介の想いを受け入れる、嬉しくも複雑な決断を下す。だけど、桐乃も馬鹿だけど京介より常識人で異性としての付き合いに期間限定を設けた。でも、今ある気持ちは兄妹を超えた愛情であることを理解し、感情に揺さぶられ間違っていると分かりながらも付き合っている。京介の卒業まで彼女として堂々と立ち振る舞う姿は、黒猫・あやせにも申し訳なさを内包していた為だと感じる。それだけに互いの我侭が仇となり、地味子に腹パンチを食らっても仕方ないね(苦笑)
桐乃は結婚できない現実をわかっているだけに兄であり異性としても好きになり、一時的にでも皆を裏切った戒めとした期間限定の意図だと想う。
そこには幼き地味子からのシビアな現実を叩き込まれた洗礼もあって、普通ではない、気持ち悪いという自覚を持つが譲れない。嫌いだけど好きという矛盾した感情と同じで振り返ることはできない。まして憧れの兄などいないと現実を受け入れつつ今の兄を嫌いだけど好きとわかってしまったからこそ、昔も今も私は兄が好きという気持ちに嘘はない気持ちを地味子とのケジメとして証明したかったのだろう。
そして再び兄妹へ戻る。

色々と綴ったけど、京介と桐乃の近親相姦ラブコメにみせた異常なほど純真な兄妹愛を描きたかったのだと想う。それならもっと期間限定を設けた二人のやりとりする気持ちを描かなければ後味の悪さしか残らない。京介が異常なシスコン男にしか映り栄えしない最後に虚しさを覚え、すんなり幕引きするのは可笑しいと感じた。夢落ちのような期間限定には苛々したけど伝えたいことわかるだけに、ここまで脚本が酷いと1期でキャラ立ちした魅力ある存在を捨てる意味がわからない。
ましてヒロインの好感度が下がり続ける進展だけで、一時だけの可愛さを観て楽しさ、切なさ、報われない結末の先は兄妹愛でした! と馬鹿にしすぎでしょ、となる。


黒猫を軸に展開していればシリアス風味なラブコメとして面白みがあったと感じられるけど、地味子・あやせのキャラが立たないがコメディをはさみ緩急をつけた構成であれば1期より好きになれたはず。兄妹愛から訴え惚れる・好意を抱かせるには個々のエピソード不足もあるけど、過剰演出で煽る見せ方が正しいとは感じない。それだけに兄妹愛というテーマ、キャラのバランスと難しさもあるが、もっと丁寧に作って欲しかった。
最後に桐乃と京介の幸せは、異性と見るほど好きになった関係を互いに認識することで、これまでの出来事を忘れられない思い出となり世界中の誰よりも深い絆をもつ兄妹になった。桐乃Endという兄妹Endと解釈できる。

投稿 : 2013/08/28
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サンキュー:

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