「坂道のアポロン(TVアニメ動画)」

総合得点
86.3
感想・評価
2170
棚に入れた
10037
ランキング
200
★★★★☆ 4.0 (2170)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.8
音楽
4.4
キャラ
3.9

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ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良かった。でも気になるところも少々。

久々に観たアニメがこれで良かった。
そう思えた作品。なので、つい長文にw
あらかじめ謝っておきます。ごめんなさい。

音楽で心を通わせる友情、恋愛。個々を取り巻く重圧への反発。
そんな青臭さを詰め込んだ内容。

おもに凡と千、二人の男の友情がメインなわけだが
少女漫画出身なだけあって、その描写には乙女の園が広がっている。
目を閉じても開いても完全にクロwなシーンがちらほら。
サービスは重要ですもんねw 良いと思う。
「一生恋し続けられるもの、それが友情」
と、どこかで聞いたことがあるし、
二人の無垢な友情にはそんな言葉がぴったりだと思った。

テンポよく飽きさせない脚本はさすが。
登場人物の恋愛模様や、二人の友情に影をおとすフラグが多すぎて始終ハラハラしながら観てたw
友情をモチーフにした青春劇の醍醐味を感じた。大好物です。
甘酸っぱい青春、それにジャズ。
一期一会で通ずるものもあり、題材がベストマッチしていたと思う。

にしても、キャラデザのどことなく洗練されていない感じw 
ジャイ子を可愛くした感じの、前髪ギザギザのヒロインw
ちょっと気になりはしたけど、かえって昔風の雰囲気は出ていたと思う。
それにウワサ通りの神がかっている演奏シーン。
一話目、不意にあんなの見せつけられたせいでつい笑ってしまった。
その前までの映像とのギャップがすごいw

詳しくは知らないけど
ジャズっていうのは演奏者の技量が必要なのはもちろんのこと、
そのリズムや場の雰囲気、演奏者の感情を感じ取れないと楽しめない、という
聴き手の方にも多少なり委ねる部分があるそうな。
だから「演奏シーンが良かった。ジャズって楽しい音楽なんだな」って感じれたのは
機敏に動く作画だけでなく、演出の良さや音そのものの躍動感、
それ以外のシーンできちんとその下地が出来ていた、ということなんだろうなと思う。

その場で起こる胸の高鳴り。それとシンクロして盛り上がる音楽。
一瞬一瞬すべてが魅せ場に変わる。
音楽の演出はさすがとしか言いようがない。
インタビューとか見るとそんなノリ気ではなさそうだけど、それでこれかっと思う。職人芸すぎるw
菅野よう子がいつまでも尊敬の対象として崇められているのが良く分かる。

たまに凡が思いっきり鍵盤をダダーンッとたたいて落胆や怒りを表現する場面。
「それはちょっとやり過ぎだろw」と思いつつも、アポロン風のギャグだと理解して笑えた。
随所で感じる音アソビ。センスやこだわりをビンビン感じる。
人生ってジャズだよね。とか言うキザな人間の言い分も少しは理解できたかなw

あと、各話のサブタイトルを楽曲からもらって内容と絡めるあたりがニクいですね。
カウボーイビバップ好きにはニヤリとするところではないでしょうか。
こういうファンサービスは好きです。

本作品、1クールながら相当な仕事量だったと思うし
作画とかスタッフに同情するレベルだけど
あの渡辺信一郎や菅野よう子と一緒に仕事が出来る!っていうのが
恐らく、少なからずモチベーションに繋がっているんだろうなとは思う。

大体満足のいく内容でしたが、多く感想があるように
ラストの展開&演出に関してはちょっと違和感を感じてしまった。
別に、かけ足な展開そのものに文句があるわけじゃなくて。
どっちかというとその後。

{netabare}ガチ演奏シーン、神父さまにコラーッ、坂を下る、そして律っちゃん。
爽やかエンドってことかも知れないけど、個人的には蛇足に感じた。
凡のピアノにドラムの音が重なってお終いでも良かった気がするけど・・。

「坂を下る」という行為には体制からの解放、のような意味合いがあったと思う。
最初、凡は学校だけでなく、家庭でも閉塞感を感じていた。居場所がなかった。
坂を上り下りしてもどっちも自身を束縛する場所へ続くものだった。
が、ジャズをはじめて、千に出会って、坂を下るのが嬉しくなった。
自分の居場所へと続く道に変わった。
凡や千にとってあの地下室はジャズの練習場以上に
自身を取り巻く重圧から解放される場となっていたはずだ。
それが坂道を下る時の気分にそのまま反映されていたと思う。

ラストの場面で坂道を嬉しそうに下る二人をみて違和感を感じたのは
私が勝手に、坂の上にある教会に過去の学校を無意識に重ね合わせてしまったからだ。
(えっ?あの教会って千太郎にとっての何だったの?)と
物語の中では、千が自ら納得して選んだ場所というような位置付けをされていたと思うけど・・。
坂を下るという行為に「重圧からの解放」という意味を感じていたが故に少し混乱してしまった。
さらに千の、「こうなる日が来ると思っていた」というセリフがそれを後押しするようでどこか虚しかった。{/netabare}

だから個人的にはもっと別の終わらせ方が良かった。
けど、この素晴らしい仕事にそれを言うのはワガママなのかなw
ごちそうさまでした^^

投稿 : 2013/06/02
閲覧 : 462
サンキュー:

24

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