「魔法少女まどか☆マギカ(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
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ランキング
44
ネタバレ

norimeru さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

よかったです -映画化決定でレビュー大追加-

祝!!映画化決定!!。
で、レビューに少し(大幅に)追加してみました。
長いから注意です。

――――
3話の衝撃からさやかの転落、9話、10話と盛りあがって最終回まで、よくまとまったものです。「身体は消滅するものの、希望をかなえて昇華させる」、というまどかの願いは、見直すたびにますます納得できるようになりました。

 ほむらがループを繰り返すたびに強くなる一方で、まどかははっきりと思いを口にできない性格になっていきます。しかし、「願いをかなえてよ、インキュベーター」と言い放った言葉に決意が表されていましたね。とても印象的なセリフです。
 キャラ画とシナリオとのギャップもむしろ効果的で、シリアスな画のキャラクターではドロドロした印象になっていたでしょう。

 賛否いろいろあるようですが、間違いなく時代を代表するアニメになると思います。わたしは高い評価をつけたいと思います。
――――

以下、追加です。

・シナリオがすごい!

伏線をちりばめ続けた1話から9話。
物語はまどかとほむらの関係を中心軸に、さやかに杏子をからませて、らせんのように展開していきました。
一転、10話でほむらの行動やまどかへの力の集積など、謎の回収です。
10話のワルプルギス戦が1話アバンとつながった時は、「ああ、こうだったのか」とひどく納得。
最終3話で2人の心のつながりを完成させた構成が見事でした。

・意図的なミスリード

ピンクのタイトルロゴ、キャラクターデザイン、テーマソングの流れる中、ぴょんぴょん跳びはねながら靴を鳴らして変身するマミさん。マミさんの変身だけ、他と違いますよね。
「これ見ていて、この先俺大丈夫か?」、一瞬思いました。
暗い1話目アバン、イヌカレーの描く異空間、ダークな面をあえて強調されていたほむら。
これらがただものでない雰囲気だったからこそ観続けましたが、中断した人もいたのでしょう。

可愛く見えたQBが、次第にひどく思えてきます。
でも、実はQBの立ち位置は変わっていません(はじめからこういう奴だったのです)。
魔法少女の実態がわかるにつれ、QBの言葉や態度に勝手に印象を悪くしていっただけ。
これも、立派なミスリードですね。

・最終回の感想

最終回は、とてもよくまとめられた話だと思います。
「みんなの願いはかなえたい」、「努力を無駄にしたくない」、「絶望の末、魔女にはさせたくない」、となれば、まどかの願いはほとんどベストアンサーだったかと考えます。
多くの魔法少女を救済したまどかは、結果巨大な魔女になりかけます。まどか自身、願いを唱えた時にここまで考えてはいなかったでしょう。
しかし、母に見送られ、願いを決心したまどかは、そんな状況でも弓を引ける迷いなく強い気持ちを持った存在になっていたのです。

「出会いをやり直し、まどかを守る私でありたい」、というほむらの願いだけはかなわなかったかに見えます。
しかし、最後に「頑張って」という声を聞いたほむらは、まどかとともにいたことを確信したはずです。
「まどかの守りたかった世界を守ってきた」、からこそ微笑んだのだと思います。

・中の人たちと音楽

特筆すべきは声優さん。これまでも、話の内容で涙するアニメはありました。
けれど、最終3話の悠木さんと斉藤さん、声の演技でこれだけ泣かされるとは感服です。
梶浦さんの曲もよい曲ばかり。
DVDを購入したのは、このオリジナルサウンドトラックCDを手に入れるためでもありました。

・時間操作はパクリ?

「ループ」を使う演出、「色分けられたキャラの戦い」などが「パクリ」と批評されるのも耳にします。時をかける少女や仮面ライダー、果てはドラえもんやゴレンジャー?。
しかし、同じような手法を用いても、これだけ際立った演出と構成ができたなら、「オマージュ」あるいは「本歌取り」と評価すべきだと思います。

・いろいろな演出や構図

1話と10話の渡り廊下のシーン、11話での時計に糸で磔にされたまどかとほむら、など同じような構図を使った表現も、映像的に工夫に満ちていました。
水滴で表現された場面も多く使われました。さやかの涙も水滴です。
同じ水滴でも、最終話でのさやかの涙は8話と異なる救済の涙。さやかは消えてしまったけれど、この涙で「さやかよかったね」と安堵しました。

さやかと言えば、7話の影絵の戦闘シーン。
影絵のさやかが流した血は暗い色。
でもその血の色は、鮮血よりも赤く悲しい色に見えました。

母詢子とまどか、さらにほむらをつないだ赤いリボンは、物語の最後ソウルジェムにかけられました。
杏子が最期をむかえる時、ほむらが覚悟を決めた時、それぞれ髪をほどきました。
リボンや女性が髪を結う(ほどく)行為は、用いやすい演出なのかもしれません。
そうだとしても、とても印象に残る演出でした。

・私は杏子派

杏子は力尽きて自爆したのでしょうか。
人のために魔力を使わないはずの杏子は、結局さやかを助けるために戦います。
ダメージを負ったとはいえ、なんとか魔女を滅すことだけはできたはず。
しかし、さやかに共感してしまっていた杏子は、さやかを一人で逝かせず、あえて一緒に消滅する道を選んだと考えたりしています。
ちょっと杏子びいきかな。

杏子はまどかに、「そういうもんじゃん、愛と勇気が勝つストーリーってのはさ。」と言います。
まどかはほむらに、「信じようよ、だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから。きっとほんの少しなら本当の奇跡があるかもしれない。」と言います。
そう、奇跡はよほどでないと起こりません。
ほむらにまどかの記憶は残りましたが、杏子はさやかを救えませんでした。
ううっ、杏子かわいそうに・・・。

・最後に

脚本、監督、制作会社、声優さんやスタッフさんすべてに感謝です。
長文読んでいただいてみなさまもありがとうございます。

期待と不安半分の映画化。よい方に裏切ってほしいです。

投稿 : 2011/11/14
閲覧 : 379
サンキュー:

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