翔谷　涼 さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

地味ながらも深い京都の味わい。

原作未読です。


正直前半部分は特に大きな展開が現れるわけでもなく、淡々と物語が進んでいる印象でした。そんな中でもキャラの言葉のセンスや行動に面白みがあり、各話ごとに非常に愉快痛快が散りばめられていて見ていて退屈しませんでした。後半になると物語の展開が明確になってきますが、とんでもない展開や思いつき、行動に何回も笑わせてもらいました。面白きことは良きことなり――この作品を表すにはぴったりの文句だと思います。

独特の癖がある久米田さんのキャラクター原案ですが、その意匠を色濃く残したまま綺麗に仕上げてあるのは流石の一言です。細かいところの動きも手抜きすること無く書き込まれ、きめ細やかで滑らかなアニメーションは圧巻でした。これはすごい、と唸り続けた作画でした。

京都の奥ゆかしい雰囲気を感じさせる作品ですが、その雰囲気を余すところ無く表現していた声優さんも素晴らしかったです。セリフがセリフなので、やや演劇チックな感覚を受けることもありました。

OPEDをはじめとして、印象深い曲が多かったと思います。アバンタイトルで流れる曲やシリアスな場面の曲は特に記憶に残っています。

全体的に渋いキャラクターが多いですが、個性がはっきりしているので見ていて飽きません。4兄弟、さらには父と母もしっかり物語の一員として動いており、キャラクターへの印象が少ない登場回数でも明確に捉えられました。