「GUNSLINGER GIRL [ガンスリンガーガール](TVアニメ動画)」

総合得点
84.2
感想・評価
1142
棚に入れた
7491
ランキング
291
★★★★☆ 3.8 (1142)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.9

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

九条 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

生命倫理をセンセーショナルに問題提起する作品。

国家が病床に呻吟する半死半生の少女に洗脳かつ義体化を施し、暗殺者として再生させる作品であり
操り人形の如き殺人鬼として忠誠心を誓わせることが政府のエゴイズムであるのか否かが説述される。
倫理上、人間の尊厳を汚す非人道的行為ではあるものの、その理非について裁断を下すことは難しい。
その背景には、洗脳による重度の心的外傷からの解放や義体による身体機能の提供という恩恵があり
身も心も暗殺者に改造されているとはいえ、少女が幸福であるか不幸であるかは、限りなく微妙である。

事実、洗脳の影響は否定出来ないが、少女は幸せを感じており、その意味では、悲観する余地はない。
喜怒哀楽を感じる能力や感受性もあり、任務や訓練外では普通の少女と差異のない生活を送っており
洗脳や義体を強制されているものの、開口一番に改造人間と呼ぶのは必ずしも妥当ではないであろう。
それ故、少女を殺人の道具として運用するという容赦のない選択肢を皮肉にも割り切れなくさせている。

本作の設定上、残虐さを映像化するのは制限なく可能であるが敢えてそうしなかったことが逆説であり
担当官が少女に対し、同情してしまうのは、言うまでもなく完全なる道具として接していないからである。
これは生命倫理をセンセーショナルに問題提起している本作のディレンマであると言えるかもしれない。
残酷な運命を少女に負わせるのは、現代社会の自爆テロや少年兵などのエスニシティと紙一重であり
完全なる偽りではなく、実はグローバルな問題を俎上に載せるギミックがあるから慄然とするのである。

投稿 : 2014/02/10
閲覧 : 403
サンキュー:

8

GUNSLINGER GIRL [ガンスリンガーガール]のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
GUNSLINGER GIRL [ガンスリンガーガール]のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

九条が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ