「獣兵衛忍風帖(アニメ映画)」

総合得点
69.0
感想・評価
70
棚に入れた
287
ランキング
1871
★★★★☆ 3.9 (70)
物語
3.8
作画
4.1
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

時代劇アニメ作品の良作!最初から最後まで怒涛の展開が続き、エンターテインメント作品として成り立っていました。

なんか痛快バトルアクション作品が観たいと思い色々探した結果こちらの作品にしました。
観てて思ったんですが私は子供のころにこの作品を観たことありますね。
しかし子供のころ何となく観てたのと今しっかり観るのとではだいぶ違って
新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。

この獣兵衛忍風帖はバンパイアハンターDで脚本・監督をつとめた川尻善昭氏が
原作から監督・脚本をしております。
獣兵衛忍風帖のほうが古いんですよね、いまからおよそ20年ほど前の作品です。
1993年ってもう20年くらい前なんですね…全然そんな感じしませんが…

時代なのか今ではあまり見かけないグロテスクでエロスを感じさせるシーンが多々あります。
しかしそういったシーンが作品に深みをだし味わい深い物語になったように思えます。
はぐれ忍びの獣兵衛が偶然陽炎というくノ一と出会ったことで
鬼門八人衆という化け物ぞろいの忍たちと死闘を繰り広げていく物語なんですが
約90分ある尺の中でそのほとんどの時間鬼門八人衆と戦ってるんですよ、
無駄な余白が一切なく90分かけて八人衆を始末していくので最初から最後まで見応えがあります。

主人公の獣兵衛はとても魅力的なやつで声優さんは山寺宏一さんです。
そのせいかビバップのスパイクのような印象を抱きました。
声はもちろんキャラの性質も近いように思います。
基本面倒事は嫌いなんだけど食っていくために金をもらって仕事を受ける、
でもわりに合わない仕事はやりたくない、一番大事なのは命…
飄々としながらも熱いところもあり一度火がついたら後にはひきません。
そんな感じで時代劇版スパイクという印象を強く抱きました。

最初から最後まで本当に戦い続きなのでそこが一番気になるところでしょうが
斬れば血が吹き出し体がバラバラになったりします。
斬るということは殺すということ、斬られるということは死ぬということ。
こういったグロテスクな見せ方をすることで登場人物たちの死闘に重みが出ますよね。
この作品みたいに血が吹き出し、
バラバラになるような表現って最近あまり見なくなったような気がします。
やはり時代ですかね~。
まぁ劇場版だから強気にいけたというのもあるのかもしれませんが。

捨てキャラがいない。
獣兵衛や陽炎に濁庵、そして鬼門八人衆。
物語の中枢を担う登場人物たちがどれも個性的で楽しいです。
なかでも八人衆がそれぞれ使う術も違い面白かったですね。

【鉄斎】
一番最初にやられた八人衆の一人です。
見たまんまのパワータイプ…やはりパワータイプは最初にやられる運命なのでしょうか?w
しかし観終わった後だと八人衆の中でもめっちゃ強かったように思います。
一番最初ということもあって鬼門八人衆は化け物ぞろいという印象を植え付けるのに
十分活躍してくれたんじゃないかな。
陽炎を犯そうとしてる最中に獣兵衛に片目を潰され、
ここから八人衆と獣兵衛の死闘が始まります。
獣兵衛と戦ってる最中に岩の体がポロポロ崩れ始め動揺してるスキをつかれ獣兵衛に倒されました。
陽炎は体内に毒をもっていてキスしただけでも相手を殺せるのです。
その毒のせいで体が崩れたみたいね、ご愁傷様(´・ω・`)

【紅里】
毒蛇を操り蛇のように脱皮も出来る気色悪い女です。
なにげに陽炎がこなかったら獣兵衛もやばかったかもしれません。
最後は二度も獣兵衛を仕損じたという理由で百合丸に始末されますが
実際は百合丸の嫉妬でしょうな…

【蟲蔵】
こいつの能力こわすぎw
紅里が蛇ならこいつは蜂です…しかも数が尋常じゃない…
紅里の蛇も多かったけど蜂も負けず劣らずの数で気持ち悪かった。
蟲蔵の体が蜂の巣になっていて無数の蜂を従え獣兵衛を追い詰めますが
獣兵衛を水の中まで深追いしたときに逃げ場をなくした蜂によって体を食い破られ死亡。
自分の体が蜂の巣だってこと忘れてたのかなw

【現夢十郎】
八人衆の中では一番まとも?かな。
盲目の剣士という化け物ぞろいの八人衆の中では普通の設定ですが
だいたいこういった正統派がめっちゃ強かったりするんですよね。
盲目ということで獣兵衛は竹林に誘い込むも
目が見えない分音ですべてを見切る現夢十郎には通じませんでした。
ならばと竹を斬り倒し逆に音をたてまくって撹乱する作戦に出ましたがこれも通じず…
現夢十郎は光の反射の目くらましなど逆に目の見える獣兵衛を追い詰めていきます。
途中で陽炎が助けに来るのですが陽炎の一撃は竹に突き刺さり仕損じました。
そんな難攻不落に思われた現夢十郎ですが獣兵衛を仕留める一撃をくりだすさいに
その一撃が竹に突き刺さったままだった陽炎の刀に受け止められ
その隙をつかれ獣兵衛に倒されました。
結果的に盲目であることが彼の敗因になったわけですな、
竹に刺さったままの刀なんて盲目の彼にはわかるはずもないのですから…

【シジマ】
分身の術だったり影の中を自由に移動出来たり一番忍っぽいキャラでした。
陽炎をさらい操り獣兵衛を襲わせますが結構あっさり倒されてましたね。

【百合丸】
頭領である氷室弦馬に代わり八人衆を指揮する容姿端麗な男性だがホモ。
百合丸ではなく薔薇丸のほうが相応しい。
鋼線を相手に巻き付け電流を流し感電死させる。
弦間に抱かれてるらしい(石榴談
石榴の告白を断ってから石榴とギクシャク?しはじめたのか
最後は石榴の罠にかかり死亡。
最初のほうから実力者の雰囲気を漂わせてたわりにはあっさり死亡しましたな。
ただ死ぬシーンが描かれたわけではないので
実は死んでませんでしたという展開があっても不思議じゃないです。

【石榴】
火薬を自在に操り爆発をおこす戦闘スタイル。
その存在が火薬そのものみたいなものだから近くにはいたくない、
静電気ひとつで死ぬ恐れがあるキャラかもしれない…
百合丸に告白するが無残にも断られる…
そのことを根に持っていたのか獣兵衛もろとも爆破するが死んだのは百合丸だけだった…
最後は油をかけられ獣兵衛に火をつけられ案の定の爆死をとげる。

【氷室弦馬】
八人衆の頭領でこの作品で言うラスボス。
獣兵衛のかつての仲間だったが獣兵衛たちを罠にかけ殺し合わせる。
しかし生き残った獣兵衛により殺されるが不死の術を身につけていた弦馬は死んでいませんでした。
戦闘スタイルは体術なんだけど獣兵衛を圧倒するくらい強かったですな。
そのうえ不死身…そして両刀使いです(石榴談
紅里や百合丸を抱いてたらしい、とんでもないやつだよこいつ。
最後は溶けた黄金に飲み込まれ海底に沈んでいきました。

バジリスクが好きな人はこの作品も気に入ってくれそうな雰囲気があります。
とにかく戦闘シーンの出来がよく、どのキャラも癖のある奴らばかり!
90年代を代表する時代劇エンターテインメント作品ではないでしょうか。

【A80点】

投稿 : 2014/02/13
閲覧 : 309
サンキュー:

4

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