OZ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
熱血サディスティック
ガチガチのバトル物は
普段観ないのだけれど
クセのある昭和ティストな作画で話題性もあり
周りから推してくれた事もあって観る事にした
2013秋~2014冬に掛けての2クール作品
■熱血サディスティック■
注目度が高かった今作品において
ほぼ必ずといっていい程挙げられるワード「熱い」
言葉通り序盤から熱い展開がこれでもかと続き
少年漫画を読んでいる様なテンポで一気に駆け抜ける。
中盤辺りの連続バトルにパワーインフレを感じ
若干トーンダウンしつつも
各話通して観ると「おっ!そうくるか!!」なんて
意外な展開を持って魅せてくれるので
ラストに向けての再び盛り上がりを見せる構成は
王道かつ正統派。
気になったのは
キャラクター登場時に
赤文字でドーンと出てくる文字が
熱血感を出す演出とは言え
読み辛いくらいかな。
容赦なく伝う熱気と勢いで
観た後に何ともサディスティックな
火照りが心地良いんだよね。
■第3の主人公 満艦飾■
ガチガチのバトル物には変わりないが
残虐な描写も一変してコミカルに仕立て上げる満艦飾家。
マコを筆頭に満艦飾家の活躍は
熱血硬派なバトルアニメから
熱いだけじゃないバトルアニメへと昇華させ
緩急つけたドタバタコメディで中和する。
唯一 惜しい点は
ギャグ方面を殆ど満艦飾家が担っており
マコの手話?みたいなのを多用している為
お約束として観ていたが
ワンパターンなので飽きがくるかな。
とはいえ 本筋にもしっかり絡み
ギャグとシリアス両面から支えてくれた満艦飾 マコは
表の主人公 流子
裏の主人公 皐月に続き
第3の主人公として輝きを放っていたなぁ。
■キクキルラキル■
早口言葉じゃないよ。
ストーリーも然る事ながら
目だけじゃなく 耳も楽しませてくれたキルラキル。
前後期OP「シリウス」「ambiguous」
前後期ED「ごめんね、いいコじゃいられない。」「新世界交響楽」
共に盛り上げてくれた良曲だが
劇中BGMも大いに作品を飾り付けてくれた。
そんなBGMが収録された
「キルラキル」オリジナルサウンドトラック
ざっと眺めてみたところ
目に留まるのはタイトルリスト。
「キLL 」「KILL」「切ル」「斬L」「着L」等
キルラキルになぞらえた単語が飛び込んでくる。
【人間は服に着られるのか それとも服が人間に着られるのか】に
最後は落ち着いたけれど
観る側によって受け止め方は多種多様なので
文字で確認するのもまた一つの面白い発見だ。
ちなみに今作品の印象は「斬る」だね。
(散々 斬りあっていたから)
改めて音楽から本編を振り返ると
各場面を脳裏に浮かばせる
澤野弘之さんのスキルにつキル作品なのかもしれない。
■あとがき■
観るか観ないか悩むラインだったけれど
全24話楽しめたので
食わず嫌いしなくて良かったよ。
声優さんも熱が籠もっていて
中でも纏 流子役 小清水亜美さんの演技は良かったな。
ヤンキーっぽい口調をする為に
口の右半分だけ空けながら
「っだよ!」「うっせーな!」と喋っていたそうで
声優さんの目に見えないプロのこだわりに
黙って頷くばかりだ。
ラストで鮮血との別れ際に交わした
「泣くな流子 セーラー服とは卒業するものだ
これからは好きな服を着ろ。私よりも可愛い服をな・・・」
「わかった着てやるよ お前が嫉妬するような服をな」
ここで思わずグッときちゃってさ
これほど感情移入出来た服は今まで無いね。
名作と呼ばれるかどうかは今後次第だが
少なくともアニメ史において
時代を彩る作品として名が残るだろう。
満足度 ★★★★★★★★☆☆ (8)