「まおゆう魔王勇者(TVアニメ動画)」

総合得点
83.6
感想・評価
2538
棚に入れた
14770
ランキング
314
★★★★☆ 3.7 (2538)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

kids さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

よくあるファンタジー世界を違った切り口で味わえる

この作品の世界観は人間と魔族が戦争をしていて、魔王を倒そうと勇者が魔王城に乗り込んで行くというごく一般的によく知られたものです。しかし今回登場する魔王はなんだか魔王のイメージとは全然違う存在だったようです。こんなによくある世界観でも見方を変えればこんなに深みが増すなんて面白いですね。


登場人物について
この作品のストーリーでは魔王がとっても重要な役割を果たします。 {netabare}魔王城に乗り込んできた勇者を相手に「こんにちは」と挨拶をしたと思ったら、戦争について、しかも今戦争がこの世界に必要だということを説明します。そしてその後も農業、教育、羅針盤や活版印刷といった技術などなど時代を先どったものを次々と人間界にもたらしていく。 {/netabare}とにかくとっても頭がいい紅の学士としての彼女の働きぶりは目を見張るものがありました。一方で勇者との恋愛模様も描かれ、こちらはコメディチックに楽しく描かれていたと思います。
一方で勇者は魔王を見て今まで考えなかったようなことを考えるようになります。 {netabare}今までは魔王を倒すために剣を振ることしか考えていなかったのに、戦争を終わらせれば人々が救われるというわけではないということを知り、かといって自分は戦うことしかできないという現実があって・・・といった具合に苦悩する勇者は他の作品に登場する勇者とはずいぶんと印象が違いました。 {/netabare}少なくともかっこいい存在ではなく、あくまでも一人の人間として等身大の姿を描いていたのがとても好印象でした。

この他に印象に残ったキャラが二人いるので紹介します。
一人目はメイド姉です。彼女はこの作品を通して最も変わった、もしくは成長したキャラクターだと思います。 {netabare}最初は農奴であった彼女は妹を連れて魔王たちの屋敷に逃げ込んでくるという状態でした。そこからメイドとして働きつつ魔王の手ほどきを受けた彼女は、最終的に異端者とされた紅の学士の身代わりとなった際に、自らの言葉で民衆に訴えかけて農奴解放を促す程になりました。 {/netabare}おしとやかな性格も含め個人的にお気に入りのキャラです。
もう一人は青年商人です。最初は {netabare}紅の学士に求婚してきたり、 {/netabare}敵とも味方とも言いがたい存在でしたが、後半は大活躍でした。 {netabare}狼と香辛料にも負けない商いでのの戦いは必見ですし、勇者との親交を深める過程で魔族に対する商いを志すようになるなど {/netabare}彼も魔王に似て先見性のある頭のいい登場人物だったと思います。


世界観について
この作品の世界観の特徴は人間も魔族も同等の種族として扱われているということです。魔族だから悪というわけでも、人間は善というわけでもなく、どちらも同じように社会をもった異なる種族として描かれているのが印象的でした。そのせいもあってか、人間側の悪の側面がとてもうまく描かれることになり、権力をもった人間の私利私欲にまみれた姿が視聴者によく伝わったのではないでしょうか。


声優について
この作品の声優はとても豪華です。魔王と勇者は狼と香辛料でも知られる福山潤さんと小清水亜美さんが、メイド姉を戸松遥さんが、青年商人を神谷浩史さんが演じています。彼らをはじめとした声優陣にも注目です。


気楽に見ても楽しめるし、深く味わうこともできる。何より他の人間vs魔族という構図の世界観では観ることのできない切り口はとてもおもしろいと思うので、ぜひ一度御覧ください。

投稿 : 2014/07/25
閲覧 : 170
サンキュー:

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