どらむろ さんの感想・評価

3.5
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

バトルよりレスキュー重視な、韓国のロボットアニメ。中々良く出来たSFで面白いです。

「虹の戦記イリス」に続き、1999年10月5日～2000年4月4日までNHK衛星第2で放送された韓国のロボットアニメです。全26話。
バトルよりも災害救助で頑張る異色のロボット物で、天才肌だが我儘な感じの主人公の成長物語な感じ。
…総合的なクオリティーは当時から見て日本アニメの水準に達していませんが、設定が良く練られており、中々面白かったです。
作画さえ良ければかなり良い線行っていた良作。

※2014年7月10日投稿を加筆修正。

{netabare}『物語』
無理な環境破壊のせいで災害が多発する近未来を舞台に、災害救助を目的とするロボット「レストル」を駆る少年少女の活躍を描く、SFロボットアニメです。
日本の特撮「救急戦隊ゴーゴーファイブ」みたいなコンセプトのお話。
※なお救急戦隊ゴーゴーファイブは1999年2月21日開始、レストルは（韓国では）1999年1月29日開始なので、レストルの方がほんの僅かに早い。
…ほぼ同時期にレスキュー作品放映されてたんですな。

ロボットアニメだけど敵とのバトルよりも災害（世界観的に人災の延長線上）から人々を守る活動中心なのが特徴です。
敵は災害、毎回色々なシチュエーションの危機発生してピンチ→機転や勇気で切り抜ける展開は緊迫感あり。

SFとして中々良く出来ており、メタンハイドレード等の当時注目されていたであろう（1999年当時の）最新科学情報を意欲的にシナリオに盛り込んでいる。
後半には環境コントロール技術の裏に潜む陰謀が出てきたりと、飽きさせない。

才気に溢れるが性格的に問題児な主人公の成長物語としても良い感じ。
中盤、負傷してトラウマを抱えてしまった主人公が、父親から励まされて立ち直る展開は、後のエレメントハンター（2009年放送の日韓合作アニメ）にも踏襲されていて、儒教のお国柄ならではなのかな、と思った。

後半のバトルは災害救助ロボの特色を生かした戦い方がユニーク、戦闘用ロボに工夫して勝つ感じ良かったです。

総じてSFロボットアニメとして十分面白かったです。
当時、韓国アニメも中々やるなぁ、と感心しつつ、これからもっと面白い作品観られると期待してたんですが（以降日本では全然放送されん、残念）
…2016年現在、中国アニメ台頭してきているので、それ以外のアジア産という事でこの作品思い出しました。


『作画』
ロボットアニメの作画的には、今一つ。背景もゴチャついている。
技術的には虹の戦記イリスより向上しているハズなのだが、キャラ作画もメカ描写も、イリスより劣化している気がする。
キャラデザは悪くはないです。ただ、顔のアップシーンが不自然だったり、構図の取り方が不慣れな印象。
それでも近未来SFの世界観は良く描けており、SFアニメとしてのワクワク感は評価。

『声優』
日本語版の声優陣は新人・ベテラン含めて豪華なんですが、ややムラがあった気が。
ミアは「GTO」の冬月あずさに続き、折笠富美子さん2番目の出演作。ヒロインボイス良いです。
檜山修之さんの優等生イケメンも中々。

『音楽』
韓国語で熱唱するOP主題歌が結構カッコイイです。歌詞もメロディーも。
日本語字幕付き、日本語の「希望（きぼう）」は「キヴァー」とか、似た発音結構あるんだな～と当時思ったり。
正直、かなり好みです。アニソンはこうでなくっちゃ。
昨今のオサレな曲よりもアニソンはベタで熱い曲が良いんですよ。
直球素直に主題と熱血を叩きつける、日本だと70～80年代テイストで99年当時から見ても古臭い、でもかえって好み。


『キャラ』
主人公マルは序盤は才能に驕る嫌な感じだったけれど、後半成長するのは好印象。
才覚を頼みにゴリ押しする自信家、困難な状況を実際打開してのけるのはヒーローの資質十分でした。

テオドールはロンゲのイケメン優等生、問題児なマルを宥めてチームワーク保つ良きリーダーな感じ。
ただ、キャラとしては地味。
オミンはハッカー系の天才少年。

女子ではミアがそこそこ可愛かった。
良いチームではありましたが、マル以外あまり印象に残ってない…。{/netabare}