「アカメが斬る!(TVアニメ動画)」

総合得点
83.4
感想・評価
2057
棚に入れた
11328
ランキング
321
★★★★☆ 3.8 (2057)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

migratory さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

勧悪懲善な帝国と殺し屋集団・ナイトレイドを巻き込んだTGT48 

簡単なストーリー
帝歴1024年。帝国の圧政によって苦しむ故郷を救うため、少年剣士・タツミは幼馴染みと共に帝都へ向かうが、道中離れ離れになりたった1人で帝都にたどり着いたタツミは、そこで腐敗しきった真の帝都を知ることになる。
千年栄えた帝都すら今や腐敗し生き地獄、人の形の魑魅魍魎が我が者顔で跋扈する。天が裁けぬその悪を闇の中で始末する、殺し屋稼業─ナイトレイド。その存在がタツミにまた生きる気持ちを与える。

アニメあまり見ない人にとってはグロテスクな表現(クライマックスの場面に多く)を用いることがあるので多少注意が必要かもしれません。
作風は見やすく展開も多数用意されているので見所は多いです。なお、印象的なシーンで劇画的な作画が挿入されたりしてます。
ストーリーとしては展開が早いため、1、2話と見逃すと内容が分らなくなる可能性がありますが、1話だけでも物語を楽しめる作りになっていると感じるので、内容を引っ張る構成のアニメより好感が持てます。
ちなみに、ジャンルとしてはダークファンタジー。

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この物語で大事なところは帝具と呼ばれる特殊な武器(全部で48種類)。帝具を持つことで野蛮な殺し屋集団「ナイトレイド」とも、絶対的権力を有する帝都帝国とも渡り合える権利を獲得できる、そんな帝具絶対主義的なところがある。その武器が、どんな強力な武器でも相手に太刀打ちできる攻略的な存在でもある。
たとえば、それをスキルと言い、そのスキルを身につけて殺し屋という野蛮な世界でもやっと一人前になれるかもしれないという自分の特色を勝ち得ることのできる、絶対的必要さがそれに代わるものがないことを証明している。
それは即ち、昨今活躍する場を広げている数々のアイドルグループがいる中で、個人個人が活躍の場を獲得するには何が必要かを問い掛けているような、そんな気のさせる特色のようなキャラクターは芸能界という化け物ばかりが跋扈する世界で、どうにか生きていくためには…言うなれば、このアイドル戦国時代に突如乱立した、帝具を軸に巻き起こるTGT(帝具使い)48―の死闘すぎる物語、とも言える(かもしれない)。
強力なスキルは仲間と対等に渡り合える証であり、それが自信に繋がる強さであり、これからを生き抜く強靭さでもある。そんな危なげな集団の中でも身を寄せることができているタツミは着実に自分の特色を勝ち得ているのかもしれない。
タツミは敵対する特殊警察イェーガーズにもスカウトされるほどにセンターを張れる器を持っている人物と言えるでしょう。
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最終回を迎えたので振り返りがてら、個性的であるキャラたちをまとめてみました。濃いキャラクターの人物が多いですが、食卓を囲むシーンでキャラクターによっては時間に遅れていっしょに食べなかったり、食卓で会話している後ろであるキャラクターが皿洗いをしていたり、キャラクターの作りについてはディティールが細かい印象を受けました。
帝都陣営
・ボルス 元帝都焼却部隊。猿轡のようなものを口に銜えているようなマスクとか、上半身裸なのに腕だけ着衣している服装(なのか?)が奇抜すぎて、突飛すぎてそのセンスについていけない。きな臭い奴がきな臭いこと言ってるときの苺のクレープ食べてる姿が可愛い。そして、心が優しいのが彼の特徴。また、お弁当を作ってくれる奥さんと女の子の子どもがいる。
・Dr.スタイリッシュ オネェ。常に女子が小顔に見せる「頬に手を当てる」ポーズをしてる。「美しい」の価値観が正直よく分からない。
・セリュー 元帝都警備隊。可愛いペットの帝具武器・コロを変化させたりして戦う。見た目とは裏腹に、考え方がイェーガーズの中でもかなりどぎつい。
・クロメ 常に口に何かくわえてるイメージがある。アカメの妹。
・ウェイブ 栄転してやって来た海の男。主人公っぽい見た目で一番まともな価値観を持ってる。ボルスを尊敬していると見受けられる。敵同士でなかったらタツミと仲良くなれそうな人物。そして、クロメの保護者。
・ラン 元教師の男。帝都に教え子を殺された過去を持つ。内部から組織を変えようとする、本来は一番熱い人間なのかもしれない。
・シュラ あのオネスト大臣の息子。言葉使いは悪いが、タツミとエスデスの無人島バカンスをセッティングしエスデス自身の過去を語らせる機会を作った粋な人でもある。
・ブドー(cv.郷田ほづみさんの起用だけでこれまで見てきて良かったって思える。本作では元々音響監督を担当されてる) 英傑。逆立つ2本の髪のあれがシカの角っぽくもツインテールにも見えて仕方がない。
・エスデス将軍 すべてを凍らせる帝具を持つ。S気質。タツミに一目ぼれする。どうやら蹂躙が趣味らしい。

ナイトレイド(それぞれにイメージカラーがあると思われる)
・ナジェンダ ナイトレイドを統率するボス。20代半ば。(武器として攻撃できる)義手である。イメージカラーはシルバー?
・スサノオ(ボスの帝具) 通称スーさん。話せる、戦える、守ってくれる、料理もできる一家に一台は欲しい帝具。几帳面な性格なので掃除もお手の物。
・チェルシー 途中からナイトレイドに加入した新メンバー。かつての隊が全滅したという経歴やその視点から身内感が強くなって緊張感の見えにくいナイトレイドを外側から語らせることのできる存在でもある。リオーネより情報を探る能力に長けている点も含め、前線にて暗躍することが多い。情報の利は危険だということを教えられた気がする。
・シェーレ 眼鏡&どじっ子。帝都の下町という名の中華街で育つ。イメージカラーは紫?
・ブラート みんなのアニキ。インクルシオ引換券。その後、進化する鎧はタツミに引き継がれる。
・ラバック  タツミとは覗き同盟?「この戦いが終わったら告白しようと思うんだ」フラグを常に立て続ける人物。イメージカラーは緑?
・マイン 銃使い。ピンチになればなるほど力を発揮する帝具・パンプキンを持つことからかなりのMっ気。温泉で傷が治ったりする。イメージカラーはピンク?
・レオーネ 犬。ねえさん。スラム育ち。イメージカラーは黄色?
・タツミ 田舎出の少年。国家に反旗を翻している殺し屋集団のナイトレードに加入するところから物語が始まることやタツミ視点で物語が進むことなど主人公っぽい扱いが見受けられる。新入りだった頃(は特に)一緒に行動した者が死を遂げてしまうという死神的側面も見られる。
・アカメ 食欲が旺盛、品も感じられないためギャグ要員ではないかと感じる。元々感情をあらわにするキャラクターではないものの存在感は薄い。
一度、感情表現の乏しいアカメが取り乱し泣く場面があるも、殺し屋を物語る涙には思えず、まるでアイドルが流す涙のようで、死への恐怖、亡くなってきた仲間たちへの思い、タツミだから打ち明けた思い、というものを上手く垣間見ることがなかったので、個人的にドラマティックなシーンにするのには違和感を覚える。他に比べればキャラクターが弱いと感じるために補正が強すぎるかなという思い。仲間の死後も骨付き肉を前に動じない点に、何かしら訴えたいところがあるのではないかという思いを感じる。「アカメが斬る!」のタイトルの訳がやっと分かった気がするけど、今まで見てきた自分にとってはタツミにそれを受け継いで欲しかった。

まだまだいる面白いキャラ→呉服屋ノブナガ。チェルシーが化けたマーグパンサーの子ども(商品化希望!)。帝都腐敗をもたらしている随一の悪と言える陛下助言役・オネスト大臣。思考停止とも始皇帝ともかかってる?と思える伝説の帝具・シコウテイザー(キャラではないですが)。カオナシみたいなヘンター。オオザルを真似たようなエイプマン。

最初はおどろおどろしかった物語だと感じていたけれど、最終的には実直な正義を貫いた物語だったと思いました。

また、この物語の面白みはなんと言ってもパロディを上手く扱った点であると思います。斬って惨殺されてゆく展開の読めないところは面白いものが取り上げられ切り捨てられていく社会を風刺したもののように感じました。あと、わりと作者はNARUTOが好きなのかな、って思いました。
その点の一部→帝具が48種。イェーガー。マーグパンサー。クロメが肉親を殺そうとしている点や能力。犬夜叉っぽいリオーネ。ラバの糸能力。スサノオ。音の武器、などなど。

投稿 : 2015/01/14
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サンキュー:

7

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