「デス・パレード(TVアニメ動画)」

総合得点
73.0
感想・評価
1023
棚に入れた
5236
ランキング
1051
★★★★☆ 3.7 (1023)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.6

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

今期のダークSTORYトップでしょう!

デス・パレード
アニメミライで作られた前作「デス・ビリヤード」に続く作品。
デスゲーム(died)が面白かったし、続編があるなら観てみよう、くらいの気持ちで見始めたが再びその世界観にヒキコマレルコトニナル…

まず面食らったのがOP。
凡人ならば激しめのロックとかにしそうなところをあの曲…パレードや!
まさかあんなにも楽しげではっちゃけたOPアニメーションになるとは驚きですよ。
踊りたくなるような曲ですよ。まさかの。
あれですかね黒死病の恐怖を表した絵画みたいな。
表裏一体なのかも。


物語構成もシリアス→コミカル→シリアス…
といった感じでダーク一辺倒にはならず、シリアスとコミカルが互いを引き立てていた。そうして様々な感情を駆り立てながら
新人裁定者と己の死を知る女の物語は深みへ進んでいく


Ⅰ 死亡遊戯
前作のビリヤードの後に来た二人でしょうか?覚えていないけど男女だったような…

…なんか、前よりえげつなくなってません?愛憎劇というか…。
地獄少女といい、生死がテーマに絡むと人の醜い部分が露呈しやすいようで。

アニメに限らずそういう系の作品もいろいろと観てるから
マリー脚本はドロドロな人間関係だ〜って意見を聞くと えっ??ってなってしまいます。思春期の葛藤、青春って感じで基本ぴゅあぴゅあで 全然ドロドロに感じないです。



同時刻に死んだら何故あのBARで裁定しなければいけないのかは相変わらずイマイチ謎なまま。
同時刻に死んだ人が居なかった場合、個人はどう裁定されているのでしょうか?
地球規模で考えれば同時刻に亡くなる人はたくさんいそうだけど。日本限定?
→現在、一時間に凡そ7000人が亡くなっている


前作同様、結末は明かされないスタイルかと思ったら最後に

「たかしの魂を転生させてまちこは虚無ね?」→「はい。」
…明かすんかい!
デス・ビリヤードのときに考察した
蘇りをかけてのゲーム、ではなく来世での命をかけたゲームだったわけですか。

ってことはデス・ビリヤードのときはやっぱり左側のエレベーターに乗ったお爺さんが転生することになったのでしょう。


結末が明かされる前は
たかしさんの自尊心を守ってあげるために、あえてまちこは自分が悪者であるかのように演技してるのかな?とも考えたけど、そうじゃなかったみたいです。
ってことは暴露前のカットは
歯を食いしばって悲しみに耐えてたわけでなく、歪んだ笑が込み上げてきていただけ?
友達のマッチちゃんの話も作り話?まあ結婚式の場で違う女の話をするのも不自然といえば不自然だし。
じゃあ、男は被害者ってことかな。

------------------------
「逆に考えるんだ。虚無が救いだったら?」
------------------------


転生させられてまた現世で生きること、それこそが地獄。何も無い虚無が天国だとしたら?

そうしたらまた二人の真実は違うものに見えてくる……。怖い怖いよクイーンデキム


Ⅱ リバース
性別・価値観・視点が変わると印象も大きく異なる。
たかしやデキムの位置からでは
まちこの目に涙が溢れる姿や歯を食いしばる様子は見えていなかった。
1話を観て私が最初に感じたようなことを黒髪メッシュの女性も言っていた。
それを聞いて自分の裁定を反省した、ってことは
やはり虚無は地獄なのでしょう。
それとも単に裁定者として多様な可能性を検証できなかった視野の狭さを自省しただけかもしれません。
ノーナさんに怒られたのも
裁定者なら一瞬の表情の変化を見逃すな、って点だったし。

実際はあの推察も正しいか不明だし。


・まちこが一度別の誰かと過ちを犯したこと
→1話でまちこの語る場面と2話のメッシュ女性の推察の場面で回想が違っていたのが腑に落ちない。2話だと涙を流して後悔している映像に。それは推察に基づいたイメージ映像なのか。そもそも1話でまちこが語ったときに映像として映ったのはまちこの記憶なのか。もしかしたら、まちこの話を聞いてたかしがイメージした図かもしれない。

・職業柄か生きてきた環境ゆえか、たかしが人を信じ抜けないこと
→お腹の子もケータイも噂で話していたマッチという女性のことも、いろいろと疑心暗鬼になっている。頭が良いからいろいろ勘ぐってしまうのか。生来 人を信じられない性格なのか。


人の心は読むのが難しい。実生活ではもちろんアニメですらここまで複雑に描写されると…。極限状態だとよりわからない、なかなか極限状態の人なんて観る機会が無いし、そんなに追い詰められた状態では常識では考えられない方向に思考が働くかもしれないし…。
そういえば神にーさまが言ってたっけな、リアルはめんどくさい!ギャルゲーは( )で女の子の気持ちが出るからわかりやすい
みたいなこと。

デキムたち裁定者にも心の声が見える能力が備わっていれば苦労しないのに。マオのギアスみたいな感じで。


次の遊戯は
打って変わって和やか
前回の嵐が嘘のような
爽やかな快晴でございます。
デス・ボウリング改めLOVEボウリング
切ない乙女心と全てを知って受け入れる男しげるイケメン!!
前回のたかしさんと違い 器の大きい男です。
ってかあの事故で死んだのは二人だけなんですね…。

般若の面が無かったということは必ずしも裁定を転生と虚無に分けなければいけない わけではないってことか。
今回の場合はそれが最高のオチですね。今回の転生は天国か地獄かで言ったら間違いなく天国
二人にはぜひとも来世で結ばれてほしいです。

しかし、必ずしも転生と虚無に分けなくてもいいのか…。なら別に同時刻に死んだからって変に競わせないで別々に個人を裁定すればいいんじゃないのかな?
デステトリスとかデスソリティアとかデスマインスイーパとか

基本室内ゲームですよね。
同時刻に10人亡くなったらデスバスケになるのかな?
バレーやアイスホッケーもありえる。

っていうか そもそも相手によって行動は変わるでしょう。中年のおっさん相手だったらあんな和やかにならなかっただろうし、そしたら展開も異なって もしかしたらしげる君は虚無行きになっていたかもしれないし。そういうのも含めての運命なのかな。


次もこれくらい優しい物語だといいな

…なんて思った私が馬鹿でした。
Ⅳ デストリートファイター
重いよー重いよー
境遇が…重い……
与えることに 生きることに必死だった女と
与えられてばかりで与えることなく、生きる目的を見出せず投げ出した男。
愛されず虚無に落ちた女と 愛され転生した男。
女も可哀想なんだよな、なんか…。悪い男を引き寄せやすかったのかな?美人だし、より気をつけないと。
子どもだけが支えだったんだろうなあ でも子どもには好かれてなくて。
あの人も転生して今度こそ良い人生を送ってほしかったけど、やっぱりあのリアルファイトが裁定に大きく影響しちゃったんだろうなあ…。
さすがにあれは笑えなかった、ドン引きしたもん。でも、あれも暴力が日常にあったから…悲しい人生ゆえに思い至った行動でもあるわけで。やるせない…


Ⅴ 一度転生したことのある男が出てきた…かと思ったらそれはひっかけで
裁定者デキムの抜き打ちテストが目的。
ギンティは裁定者にしては喜びや怒りが見え隠れするキャラですね。

Ⅵ ツイスターゲーム
…ん?観るアニメ間違えたみたいだ(笑)
やってくれるぜ!
今までOPでしか見られなかったパレード感がここでようやく出てきました。前回はバトルシーンの作画がすごかったけど、今回はいろいろすごい(特に表情)

6話を見終わった人の半分はやったであろうこと↓

Hの人文字をこっそり試してみる




BARの日常といった感じの回ですね。

デキムには人の心が埋め込まれている?
裁定のために存在する裁定者は死を体験しない、人に近づいてしまうから。感情を知ることができない、人形だから

死者たちは人形に魂を組み込まれゲームをしている。その人形はゲーム後 破棄され
裁定者は一定の期間が過ぎると携わった客の記憶が消えるようになっている。デキムはそれを形として残したくて人形を保存している



Ⅷ Ⅸ デス エアホッケー
……。
心の奥の深い感情に向き合うのはかなりのエネルギーが必要だって
…刑事が言っていたとおりだ。
精神的疲弊感が3話や6話とは比べものにならない。善と悪、人の心も物語の結末もどちらにも傾きうる。脆くて、とても容易に変わってしまう。


☆裁定者は人間の感情を知らずに裁定ができるのか?
裁定に異を唱える女。たしかに心の闇を引き出す、というよりは無理やり闇を生み出し拡大させているように見える。
裁定を糾弾されたデキムは苦しそうに胸を抑えていた。
ノーナによってデキムには心が埋め込まれているから?
強い感情に当てられることで何か変化が起きる?
それが彼女の狙いなのか
裁定者に感情が芽生えることであの世界の理に変化が起こるのか?


しかし、狙いがあってデキムに担当させたとはいえ、あまりにも惨い。惨すぎる。こころが擦り切れる…


もぅマヂ無理。ごちうさ観ょ….
ぴょんぴょん
魔法少女チノ爆誕!心ぴょんぴょん♪

ふぅ、助かった。仙豆並みの効力がありますね。



X〜XⅠ
前回から一転。
穏やかなゲーム展開では記憶が蘇らずに淡々と終了してしまい、裁定が困難になる。


虚無は意識が残り続けるのか…全くの無ならば救いとなりうるかもしれないが、ひたすら後悔しながら落ち続けるってのは…さすがにどう考えても天国では無いですね。

知幸とマユ、保留されていた二人に裁定の時が迫る。

見定める者と生きる者…マユとギンティは
まるでマリアとミカエルのような関係性。
理への恭順、自由意志による選択。
マユは大切な人のために自分を捧げることはできたが、大切な人を守るために他の誰かを犠牲にすることはできなかった。だから、ともに虚無へと堕ちることを選んだ。自ら選んだのだ。
他者が生きがいであったマユとは対比的に、知幸は自分を取り巻くものに真の幸福を見出すことができなかった。


知幸はフィギュアスケーターだった。
アニメーションでここまで本格的にフィギュアスケートを描かれたものは初めて見た。美しいし画面映えするけど動かすのは大変そうですね。

フィギュアスケーターとして活躍するも、競技中の怪我で選手生命が終わり
その後何も目的や喜びを見出せないことに絶望して自殺…。


裁定にあたり
デキムは彼女の全ての記憶を知ろうとする。





XⅡ《鏡のように崩れた世界》
まやかしであっても現実の世界を映していたのではないか?


マユのときと違い、知幸は
自分が生き返る代わりに世界の誰かが死ぬと言われる。
哀しみにくれる母親を目の当たりにして彼女が思い出したのは
BARに訪れた人々の嘆き悔やみ。

分かり合えない
理解し合おうとするのが間違いだった、と思うのが間違いだった。
たしかに理解し合うのは難しい。それでも理解したいと思うのが人間。


自分の過ちを悔いて、母親の元に帰りたいと思うが
そうすると新たな悲しみが世界に生まれる。知らなければボタンを押せただろうが、クイーンデキムで見てきてしまったから…。
どうしようもない苦しみに張り裂けそうになる。


悲しみを知り、人を思いやれるようになって、人は人と成る。
あの瞬間、たしかに彼は人間だった。






→The PARADE will continue forever and ever...
知幸が裁定されて物語は一つのピリオドを打ったものの、大局的な観点では裁定者たちに僅かな変化が起きただけ。やがてはこの小さな兆しが大きく芽吹くことでしょう。

これは2期必須!!
物語も作画も音楽も全てが高クオリティ。
これほどまでに登場人物が感情を剥き出しにする作品…声優の方々も演じ甲斐があったことでしょう。
最初にアニメミライのPVを見たときも面白そうだと思ったけど、ここまで来たらかのシステムと何らかの決着をつけるまでアニメ化してほしいものです。打倒 花じい!

投稿 : 2015/04/06
閲覧 : 199
サンキュー:

10

デス・パレードのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
デス・パレードのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

青陽が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ