「未来日記(TVアニメ動画)」

総合得点
86.4
感想・評価
3911
棚に入れた
19723
ランキング
197
★★★★☆ 3.8 (3911)
物語
3.9
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

サイコパス系ヤンデレの金字塔「我妻由乃」に括目せよ!粗は多いが設定の妙とドラマ性は抜群の怪作

主人公の男子中学生と、彼を熱狂的に愛するヤンデレ女子たち「12人の未来日記所有者」が「神の座」目指して予知能力駆使してバトルロワイヤルするお話。
かなり血生臭い凄惨な作風なので、残酷展開や流血ニガテな人は御注意を。

本作の見所は「ヤンデレ」ヒロイン・我妻由乃(がさい・ゆの)の常軌を逸したサイコパスっぷり!
とにかく、これぞヤンデレの極致!もしまだ知らない人は、確実に驚くと思われます。

{netabare}『物語』
特異な世界観で繰り広げられる凄惨かつどこか他人事な殺し合いは、先の読めない意外性に富んでいる。
ジャンルとしては「セカイ系」かと思われます。
設定とストーリー展開は極めて秀逸で、細かい矛盾あれど、気にする余裕がないままに、グイグイ惹き込まれる魅力あり。
本作の魅力は強引なまでの展開力。
細かく考察し出すと、ツッコミ所だらけなのですが…
本作においては些細な問題と割り切る方が楽しめます。
序盤は未来日記の特性を活かした頭脳戦で魅せてくれますが、次第に予知関係なく、素の戦闘力や組織力勝負になってくる為、「デスノート」みたいな頭脳戦作品としては、あまり期待出来ないです。
が、実は本作の醍醐味は、緻密な頭脳戦とは別にある為、そこは大目に見た方が良さげ。
…序盤から中盤にかけて、秋瀬或(あきせ・ある)達と危うい共闘する辺りまでは、1話たりとも見逃せない面白さでした。
ここら辺までは、頭脳戦の醍醐味もまだ活きており、戦闘面でも楽しめる。

中盤以降はややテンポダウンするも、由乃の行動が常軌を逸していて(視聴者の常識的に見て)何しでかすか分からない怖さ(と面白さ)あり。
ここから由乃邸の死体の秘密などのミステリーや、雪輝の葛藤など、キャラクタードラマは目が離せないです。

8th(エイス)上下かまどと雪輝が共闘するまでの流れが雑なのが、ちょっと気になる。
…1話見逃したかと思ってしまった。
本作はあまり細かい粗は気にせずとも良いタイプだが、ここだけは残念。
全般に中盤以降は序盤より所有者バトルは雑な感じも。
カップル対決は良かったけれど。

終盤は一気呵成にクライマックス一直線で目が離せない。
伏線だった由乃の秘密、秋瀬或の正体、デウスの意志とムルムルの真意、世界の破滅…
衝撃の真実は圧巻でした。
※由乃ちゃん、まどマギのほむらちゃんめいたヤンデレだったんですね…
○周目の世界は「アスラクライン」思い出した。

終盤凄まじいのですが、今までのバトルがお遊びに思えてくるのは、良し悪しあり。
正直ややついて行けない部分もありました。
ラストは、極めて歪ながら、ある意味真実の愛の形を見せてくれた。
ある意味、究極のセカイ系の純愛。こういうのもたまにはグッと来る!
かなりの力技で(3番目世界とはいえ)大勢のキャラ達の運命が好転していく様は、良かったと思えた。
雪輝は辛いが…救いも僅かにあるトゥルーエンド?


リアリティーを考察し出すと、色々と破綻というか、狂気すら感じさせるトンデモ世界観です。
…まるで、現実感の乏しい「ゲーム」みたいな。
あまりにも軽すぎる死。
でも、本作は「ゲーム」であり「漫画」であり「アニメ」なのです。
それは終盤で全てがひっくり返る事で(ああ、今までの無茶展開はゲームみたいなもんだな)と分かる。
…一見生々しい残虐バトルに見せて、実に清々しいまでに「セカイ」系なのです。
その視点で見ると、本作の多すぎる粗も、大体は許容できるのでは…?
粗の多さが、作品としての評価を致命的には下げていない、稀有な怪作です。


『作画』
全般的には、まずまず。
残酷で血生臭い流血バトルを前面に押し出した描写は大いに評価すべき。
残酷でありながら、どことなく現実感の乏しい雰囲気が(良くも悪くも)本作の魅力。

『声優』
雪輝の富樫美鈴さん、由乃の村田知沙さんは大いに頑張りました。
富樫美鈴さんは緒方恵美さんを彷彿とさせる感じ。
村田知沙さんの由乃のヤンデレっぷりも中々…
十分良いのですが、欲を言えば、演技だけで圧巻!とまではいかないような。

秋瀬或の石田彰さんは、エヴァのカヲル君のイメージでした。
雪輝パパの子安武人さんの珍しいゲスイケメンw
日向の松岡由貴さんの関西弁も中々。

『音楽』
前半OP「空想メソロギヰ」が一番主題に沿いつつ好みでした。
他主題歌は悪くはないものの、やや好みに合わない。
全般に音楽面は悪くは無かったです。

『キャラ』
漫画掲載以来、一躍ヤンデレの代表格となった我妻由乃の存在に尽きる。
これまでのヤンデレの常識を遥か逸脱するその圧倒的な狂気!
でも一途にユッキーを愛するその有り方は、理屈を超えた可愛さあり。
ヤンデレというよりサイコパスなんですが、一貫した行動原理はいっそ清々しい!
アニメ(漫画)史上に於いても類を見ない名ヒロインであり、彼女をもって5点満点に値する。

天野雪輝の評価次第で本作の好き嫌い割れる要因と思われ。
「エヴァ」のシンジ君の正統なる系譜な感じ。
確かにイライラさせられる面もあるが…
それも本作の醍醐味だと思う。この弱さと愚かしさ、私は嫌いでは無い。
紆余曲折を経て、真実のセカイ系純愛に至ったのだから、大した主人公だと評価。

日記所有者は皆一流の個性あり、忘れられない。
雨流みねねは作中通して印象好転、良いツンデレでした。
来須圭悟など、味のある大人が多いのも良い。
西島刑事とみねねのラブコメも和む。異常なサイコパスに対する清涼剤でした。
他にも中盤の友達三人も良いキャラだった。日向ちゃんは良い子でした。
秋瀬君は中盤以降の第二の主人公。ユッキーより主人公していた。

ムルムルの邪悪さが中々の悪党っぷり。
無邪気でかわいいのに…
終盤ちょっとやり過ぎな感はありましたが、狂言回しとして印象に残るキャラではありました。{/netabare}

投稿 : 2015/07/16
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サンキュー:

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