「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続(TVアニメ動画)」

総合得点
87.8
感想・評価
3079
棚に入れた
15697
ランキング
140
★★★★☆ 4.0 (3079)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

E4GLS さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

文芸作品の良さをアニメで表現することは可能か

原作既読

長年のボッチ生活で捻くれてしまった主人公、比企谷八幡と美少女、雪乃と結衣の全3人で構成される、何でも屋「奉仕部」の活動と人間関係を描いた物語。

原作は非常に好きですが、アニメ作品としては問題を抱えているように思いました。

大きな理由は2つ、1つは活字と映像・音声という表現方法の違い、2つは尺の不足です。

まず表現方法の違いについてです。
アニメ1期では視聴者にとって八幡の個性が新鮮であり、物語自体も奉仕部の関係性というより学校の様々な問題に対する解決の方法の斬新さが強調されていたことから面白おかしく視聴できました。しかし、今期は視聴者が1期を踏まえて作風に慣れてしまっており意外さがありません。となると奉仕部の微妙な気持ちの揺らぎを感じ取りつつ作品に没入したいのですが、本作では原作の半分も主要人物の気持ちを表現出来ていたとは思えませんでした。作中で「理性の化け物」とも表現された八幡は、本来予想しきれない事柄である人の意識や感情について彼なりに精一杯考え、周囲にあるべき姿を主張し、周囲もほんの少しずつ影響されていく様が本作の醍醐味のはずです。しかし本作では、八幡の思考の結論が描写されるに留まり、活字では表現されていた彼が内心一杯考えていたはずのことが省略されているため、イマイチ説得力がない点が非常に残念でした。

次に尺の不足について。
本作は原作7巻から、重要な問題提起を含む原作11巻までが描かれますが、13話という尺に対し描写すべき内容が多すぎます。原作でさえ主要人物が何を考えているのか理解しにくい場面があるのに、本作ではカットを交えつつ異常にテンポ良く進むため、もはやエスパーでなければ主要人物の心情の理解は困難では、と思いました。しかも本作で内容は完結せず、2015/06/26時点で次作の予定も公表されていません。これでは視聴者はおいてけぼりを食らってしまいます。

本タイトルは等身大の登場人物の割と普通の?学園生活を描いているにも関わらず、私を含めた視聴者が思い至っていないであろう「こうありたいという姿」を描き切る!という気概が感じられ、非常に期待していました。しかし題材は良いのに細かいところに問題があって楽しめないというのは残念という他ありません。

近いうちに続編の情報が出てくると思いますが、続編では人物の心情描写を納得できる形で描き切ってほしいと切に願います。

投稿 : 2015/06/26
閲覧 : 225
サンキュー:

7

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

E4GLSが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ