「Charlotte [シャーロット](TVアニメ動画)」

総合得点
85.2
感想・評価
3632
棚に入れた
16143
ランキング
245
★★★★☆ 3.9 (3632)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

kids さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

とても計算されているけれど・・・結末はいかに?

CLANNADやAngel Beats!などで知られる麻枝准さんが、アニメのためにシナリオを作った二作目のオリジナル作品です。とても計算されていたシナリオで、話が終盤に差し掛かるまではかなり楽しめるものになっていたと思います。

★ストーリーについて
とても考えられていたと思います。五話まで使って主人公の乙坂有宇の視点で日常を描き、ゆっくりと視聴者に世界観を掴ませながら伏線をばら撒き{({netabare}ピザソースを日常を象徴しているものとして描き、ピザソースが無くなったらシナリオが大きく動き始める{/netabare}、という演出は個人的に詩的な感じがして好きです)、後半は打って変わって伏線を次々に回収しながらフィナーレまで突っ走る・・・少なくとも僕の好みの展開でした。また、前回のAngel Beats!では主要なキャラクターを多くしすぎたために雑多な印象を受けてしまいがちでしたが、今回は主要メンバーを生徒会の四人に絞ったことで、高城を除く全員の過去をしっかり掘り下げることができていたので、前回の反省を活かしているのかなと思いました。

一方で、多くの方が指摘している通り、終盤のシナリオは僕もあまり納得が行きませんでした。{netabare}なぜ乙坂有宇が一人で世界を巡り、能力を奪ってまわるというところに着地してしまったのか、と書かずにはいられません。どう考えても思春期の間に全能力を奪うなんてできるわけないと思うのですが・・・、それに物語上は全能力を奪ったことになっていますが、予備軍も含めて一人でも漏れがあったらどうするのでしょう?
{/netabare}

もう1つ気になる点は、単純にシナリオがマンネリに陥っているのではないかな?ということです。例えば
{netabare}
1,乙坂有宇の妹である乙坂歩未が死亡し、その後一時的に乙坂有宇が廃人になってしまいますが、これはCLANNADで渚を失い、何年も塞ぎこむ岡崎朋也とかぶっている気がします
2,タイムリープ能力が登場しますが、タイムリープはCLANNAD、Air、リトルバスターズ!などでほぼ同様のものが登場します。
{/netabare}
といったものなどが挙げられます。野球回のように、意図的に共通点を与えているのであれば問題ないのですが、複数作品で似たようなシナリオが存在するのは、麻枝准さんのシナリオがパターン化しつつあるからではないかなと感じてしまいました。素晴らしいシナリオをいくつも書いている方なので、難点として指摘すべきではないのかもしれませんが、どうしても気になりました。


★登場人物について
登場人物については「もったいない」というのが率直な感想でした。日常枠で、シリアスな展開にほぼ絡まない高城丈士朗や西森柚咲に関してはそこまで気になりませんでしたが、乙坂有宇や友利奈緒の二人に関しては少し気になる点があります。その点も含めて紹介してみます。

・乙坂有宇~最もゲスい主人公?~
第一話では、{netabare}五秒間だけ他人に乗り移れる{/netabare}という能力を悪用して{netabare}カンニングしたり、わざと交通事故を起こして可愛い女の子とお近づきになろうとしたりする{/netabare}など、ゲスい感じを全面に出していましたが、2話以降そういった面は全く観られませんでした。なぜゲスいことをアニメ開始前に高々と振りかざしていたのか疑問に感じました。それを除けば、視聴者の目線となるキャラクターとしてよく動いていたと思いますし、感情移入できるキャラクターだったと思います。

・友利奈緒~ギャップはあるがデレない(笑)~
登場した時の第一印象はクール、もしかしたら冷たいとすら感じました。しかし実際はそんなことはなく、{netabare}廃人と化した兄のお見舞いに行く姿や、妹を失ったショックから立ち直れなかった有宇を常に見守り、最終的に救いの手を差し伸べる{/netabare}など、情や責任感が厚い面があることや、ふとしたことで子供っぽくはしゃぐお茶目な面があったりします。ですがギャップがある分視聴者には掴みにくいキャラでもあるなと思いました。特にラストで{netabare}友利が涙するシーンがありますが、一体いつからそんなに有宇のこと好きだったの?と思ってしまいました。{/netabare}この点については乙坂有宇の一人称で物語が紡がれているため、ヒロインの心情を直接描いているシーンがないことが致命的だったのかもしれません。


★声優、音楽、その他
声優陣は佐倉綾音さんに内山昂輝さんに内田真礼さんに水島大宙さんなどなど、かなり豪華で、演技も素晴らしいものだったと思います。
音楽についてもかなりこだわっているんだなと感じました。同じ作品としての一貫性は持ちつつも、シーンごとに細かく曲を作り、独特な演出を試みていて、良かったと思います。また、OPである「Bravely You」も作中の展開とリンクした歌詞になっていて、歌そのものも引き込まれるものがありとても良かったと思います。内田さんが劇中バンド「How-Low-Hello」のボーカルとして歌った曲についてはメインのOPやEDと比べるとインパクトに欠ける印象でしたが、やはり好印象でした。
また、OPの映像内にキーワードとなる言葉をフラッシュのように散りばめたり、Angel Beats!とのつながりを何度か感じさせるなど、とても凝っている印象を受けました。


★最後に
放送前に話題になっていたときに抱いていた期待に沿うほどの完成度では正直ありませんでしたが、主に終盤のシナリオに賛否ある点を除いては、とてもこだわりを感じる、熱のこもった作品だなと感じました。ぜひ一度ご視聴下さい!

投稿 : 2016/02/08
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サンキュー:

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