ダレイオス さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

シリアスが程よい感じに抑えられいるのがいいね。

引っ込み思案の女の子シアンが異世界に飛ばされて
そこでバントを組んで音楽の活動をしていくのが主なストーリーになっているようです。
まず見て思うことは作風が子供向けな感じですね。
キャラの作画のデザインが感じが子供向けのようです。
等身が低め、メインの女の子のキャラデザインは顔も美少女系というよりは可愛らしさを前面に出したようで
万人向けなキャラデザイン
異世界なので人間以外のキャラもいますが
やっぱり子供向けな感じで可愛らしさとコミカルな感じのデザインが多く
親しみを感じやすいキャラクターになっているようです。

そして作画自体の質もしっかりとしていました。
まず異世界なので背景とかもちゃんと描かなきゃいけないんだけど
室内などの内装の作画が結構丁寧なんですよね。
よく見ると内装の模様もきめ細かく丁寧でそういった点は評価出来るでしょう。
キャラ作画もかなり安定していたと思います。
綺麗で可愛く描けていて質が高いのは評価が出来る。
後半になると動かないアニメが多いですが、このアニメは最初から最後まで
よく動いてました。
そしてポイントとしてはギャグ時の作画レベルが高い点ですね。
このアニメ、ギャグ時の表情がリアルぽくきめ細かく描かれるので
その作画そのものがギャグになっており生き生きとしていて
見ているだけでキャラが立っていると認識させるだけの説得力はありました。

気になる点はＣＧとの切り替えかな
ＣＧとはかなり作画の感じが違うので人によっては違和感があるかもしれません。
ただＣＧの作画自体はかなりきめ細かく描かれいて
正直凄いなと思いました。
普通はＣＧと通常時の作画の変化に気になる所だけど
ＣＧの作画が凄いので気になることは気になるけど、まあいいかなってなりました。
それだけの質はあります。

ストーリーは異世界でバンドを組んでバンド活動をするものでしたが
音楽活動だけではなく、この世界のバンドをやっている人を襲う
ダークモンスターとの戦いも主人公達がするので
バンドしながら悪の組織と戦う。よくある子供向けな感じです。
物語の下地はよくある子供向けをベースにしていると思います。

メンバーの女の子は異世界から来た秘密をみんなに黙っているシアン他
モア、チュチュと秘密を抱えた子やある野望を持っている子
レトリーといった、臆病でバンド対決で負けることさえも恐れてみんなと馴染めずトラブルを
起こす女の子が
時には仲間割れを起こしそうになったりで衝突して成長する成長ものです。
ただ、チョットシリアスになるもシリアスはテンポよく程よい感じに抑えられていて
その後、比較的早く友情ぽいシーンがあるというように
大きく仲は崩れずにトラブルになるも比較的修復は早いと
完全に今向けのストレスがかからない仕様になっています。
このおかげであまりシリアスが好きでない人で友情ものを容易に楽しむことが出来ますね。
そして音楽アニメという娯楽性を保ちながら、ある程度の物語性を持たせるバランスの良い
作りにもなっていました。

ダークモンスターと戦う設定もあるのですが終盤以外は
あまりモンスターと戦っている感じはしませんでした。
バンドのついでにモンスター退治やってるみたいですね。
練習もあまり積極的にはやってなかった印象があります。
ただその分キャラの掘り下げはしっかりしていて
秘密を抱えた女の子の葛藤は結構聞いていて心に来るものはありました。
キャラの掘り下げがしっかりしているので、キャラ同士でトラブルになり衝突しても
各キャラの事情はわかるので感情移入はしやすかったです。

娯楽性に特化した作風もポイントでしょう。
バンド同士の対決はスポーツものというよりはエンターティナーに徹していて
歌ったり踊ったりしているシーンはしっかりとした作画もあって
素直に楽しめるものに仕上がってました。
勝敗とかよりも楽しむ作風です。
曲も個人的には結構いい曲だなと思えるもので満足しました。

シンガンクリムゾンズによるギャグも面白かったです。
彼らは普段はバンドの前座を勤めたり
主人公達に見た目だけでなく純粋に曲だけで勝負しろと
大人の事情もあったり、熱い感じのグループではありますが
ギャグ時の弾けっぷりはギャップもあり
演出とか作画も凄いので凄く楽しかったです。

このアニメは最後まで娯楽性を追及していたので
最後まで楽しめました。
問題があるとすれば最後は何故かバトルアニメになってて
これはもう子供向けバトルアニメそのものな所でしょう。
荒唐無稽、ご都合主義の嵐なので人によっては引くかもしれません。
個人的には強引かなと思いました。
ただ最終回のＣパートは上手くまとめたと思います。
あのシーンは良かった。良かった。と素直に喜べました。

声優さんについては全体的に思ったよりもしっかりとした演技でしたが
個人的にはモア役の佐倉さんの演技が無理をして声を出しているような感じが
引っかかりましたね。
下手ではないのはわかるのですが佐倉さんはたまに引っかかる場合があるのですが
今回はそうでした。

バンドシーンは娯楽性に優れ、ギャグも豊富で
キャラの掘り下げも良くて、そのため楽しいアニメでした。
シリアスはテンポよく程よい感じに抑えられて
いい感じの友情に生かされてました。
中々いいアニメだと思います。