「言の葉の庭(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
1994
棚に入れた
9500
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (1994)
物語
3.9
作画
4.6
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.8

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ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この作品を観終わったその瞬間から、雨が恋しく、愛おしくなる。

新海誠監督による約46分のショートフィルムアニメ。

随分前から視聴したいとは思っていたのですが、何となく先延ばしにしてしまっておりました。
さてさて、結論から言わせて頂きますと...大満足です。
ずっと余韻に浸りたくなるほど素晴らしい作品でした!
私は細かい考察だとかそういうのは全く得意でないのですが、ちょっと頑張って書いていきたいと思います…!
*あらすじはあにこれ、他の方のレビューをご参照ください。

設定、物語的にはさほど珍しくない感じだと思いますが、特筆すべきはその作画ですね。
絵は実写と見紛うほど繊細なタッチで、特に雨の表現が素敵です。
通勤ラッシュの街の喧騒、新宿御苑の木々の緑、そして晴れた日の木漏れ日、夕立の雷、
雨に打たれる水面なんかも全て、リアリティ溢れるものになっています。

じゃあ実写にすればいいのでは?とも思ってしまうのですが、それではこの作品を表現しきれない。
それはキャラクターの細やかな表情もそうですし、雨の表現もそうですが、なんといっても声優さんの演技です。
主人公の男子高校生・タカオを演じるのは入野自由さん、
タカオがある雨の朝に出会う不思議な女性・ユカリを演じるのは花澤香菜さん。
このお2人は流石ベテランなだけあって、演技とは思えない演技でした…!
それぞれ悩みや葛藤を抱えた、だけれど時々風が吹き抜けるような爽やかな声で、とても自然な演技。
私はやっぱりこのお2人の声が大好きだなと感じました^^

また、{netabare}この作品で重要な「靴」の存在。
靴を失い、後ろを向いて止まったまま、歩きだすことのできないユカリと
靴を履いて、自分の夢へと歩き出そうとするタカオ。
この二人の対比を表現するための「靴」なんだろうと思います。
ユカリはタカオと出会って靴を見つけられたのだから、
たとえ靴を失っても、大切な誰かと出会えばきっとまた見つけられる、一歩を踏み出せるのだ
というメッセージが含まれていると思うんですが、これは勝手な推測です(笑){/netabare}

『雷神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ』
...雷が鳴って 雲が広がり 雨が降ってくれたら
帰ろうとしているあなた きっと引き止められるのに

『雷神の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば』
...雷が鳴らなくても 雨が降らなくても
君が引き止めてくれたなら 僕はここにいるよ

作中に出てきた短歌---柿本人麻呂が詠んだ、万葉集の短歌です。
いやぁ、良い歌ですよね...!
こんなぴったりな歌、よく思いつくものだなと感激しました。

そしてED曲「Rain」も素晴らしかったです。
「ひまわりの約束」でお馴染みの秦さんの声がまた心に沁みる…。
遠くで茜色に染まる空と、抱きしめあう二人。
挿入の仕方がこれまた秀逸で、ちょっとうるうるしてしまうくらいでした。

私は6月生まれで丁度梅雨時期に誕生日を迎える訳なのですが、
そんな自分の生まれた6月はあまり好きではありませんでした。
だって毎日のようにジトジトジメジメしててキノコでも生えそうなくらいだし、
特に楽しい行事も長い休みも無いですし(それはまぁこれと関係ないですね)。
ですが、この作品を観てみると、今まで嫌悪していた雨でさえ好きに思えてくる。
あの梅雨時期の長い雨も恋しくなってくるのです。
まだご覧になっていない方は是非観て、この感動を実際に味わって頂けたらと思います!

なんだか意味分からないレビューになってしまいすみませんm(_ _)m
最後までお付き合い頂き有り難うございました!

投稿 : 2016/03/15
閲覧 : 251
サンキュー:

33

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