「ラブライブ! School idol project(第2期)(TVアニメ動画)」

総合得点
84.9
感想・評価
1967
棚に入れた
9495
ランキング
257
★★★★☆ 4.0 (1967)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ラブライブ初心者でも楽しめた1期・ミューズにどこまで思い入れを持てたかが試される2期。好きな人は余韻に浸れる時間があり、そうでもない人は少しクドく感じてしまう☆

本作は「アスキーメディアワークス・ランティス・サンライズ」の合同プロジェクト‘ラブライブ!’のテレビアニメ版‘2期’にあたる作品です。より楽しむためには前期からの視聴を推奨します。

前期は彼女たちが所属するスクールアイドルのユニット「ミューズ」の誕生から始まりました。メンバーの増員・メンバー内の争いなど様々な試練を乗り越え、彼女たちの絆が深まっていく…そういう物語だったと思います。漫画やラノベを原作にしていないアニメになるため、すでに人気が出ているプロジェクト‘ラブライブ’のメンバー達をどうアニメで活かすのか。恐らくはそれが課題であったのではないでしょうか。1期では「ミューズというユニットに仲間が次々と加わっていく」という部分を中心に描いていたと思います。少し話は変わりますが「RPGゲームで最初に魔法使い多めのパーティで行くのか・それとも戦士系の仲間を多めにするのか…なんてパーティの構成を考える」そういう時って結構ワクワクしますよね。昔話で言うと「桃太郎がサル・キジ・イヌ」を仲間に増やしていく…というシーンなんかも子供心に印象強かったと思います。つまり「冒険初期の段階で仲間を増やしていく・仲間に引き入れていく」というシーンは、もはや王道中の王道、もう古典と呼んでも良いほど多くの人に支持されるパターンなのです。ラブライブ1期はそういった支持されやすいパターンや表現をフルに使用し、キャラクターの良さを見事表現出来ていた作品だったように思います。そして最終話に関しても「1期でこのシリーズが終わったとしても満足できるような終わり方」をしていました。最近は1期放映中から既に2期が決まっている「分割2クール」の作品も多いですが、1期最終話で煽るだけ煽って2期で蓋を開けてみれば大した事なかったなぁ…なんて作品も多くなったように感じる中、こういうキレイに13話でまとめている作品をみると好感度としては高く感じました。特に不安要素を抱く事も無く2期の視聴開始となったのです。

2期の視聴開始・またも彼女たちの歌声で物語は幕を開けます。
♪なんと私が 生徒会長に みんなのすすめでなっちゃった♪
♪お母さんも かよってた 音ノ木坂が好きだけど♪
♪これまでは 大変で 廃校になりかけた♪
♪みんなと出会い ミューズと出会い 私たちはここまでやってきた♪
♪未来に向かい 今日も歌うよ 少しずつ世界がまわりだす♪
♪Hi!!♪

またも開始30秒で「やっぱ2期やめようかなー」なんて頭の隅っこで考える自分が居ましたw
やっぱスゲーな!破壊力パネーっす!w
一応釘を刺しておくと、そう表現する事で「自分はアイドルとか興味無いんですよ!キモい奴じゃないんですよ!」とか言いたい訳じゃないのです。むしろ美少女フィギュアとか眺めていますし何だったらキモい奴だと認識して頂いても差し支えございませんw まあそこはホントどうでも良いのですが…やっぱり私は「ミューズが好き」というよりは「ラブライブというアニメが好き」という部類に入るのだろうな、と改めて気付かされた瞬間でもあったのです。

総評として「ラブライブ初心者でも楽しめた1期、ミューズにどこまで思い入れを持てたかが試される2期。好きな人には余韻に浸れる時間が作られており、そうでもない人には少しくどく感じてしまう」といった感じでしょうか。学校を立て直す目標や、ミューズの結成までを描いた1期はボリュームとして十分な物がありました。ところが2期‘ラブライブで優勝’という大きな目標があるにも関わらず、そこは意外とあっさり描かれています。代わりに各キャラクターのエピソードの掘り下げが行われており、キャラクターへの感情移入をより強める制作者の狙いがあったように感じました。
…ということは、ですよ?各キャラクターに対して‘そこまで思い入れがない’人間に対しては、そんなに興味が持てない、と感じられる内容になっている…という事ですね。前半はなかなか見ごたえがある感じでしたが、後半が少し内容不足に感じてしまいました。勿論ラブライブが、ミューズが、大好きで大好きで仕方ないという人には「後半こそ良かったのに」と意見が出るかもしれません。いや勿論全然ダメとは思って無いんですけどね。
個人的には1期の王道のノリを引き継いで、ラブライブへの勝ち抜きバトルの様子を描いても面白かったのでは?と感じました。とは言ってもライブの勝敗結果に関してはかなりあいまいに表現している描写に見えたので、制作者側としてはむしろそこはあまり描写したくない部分だったのかもしれませんね。つまりラブライブという作品は「勝ち負けじゃない何か」を伝える事を主軸に考えられているのかもしれません。「勝つ」と言う事は「負ける」人の目標を踏みにじっている行為とも言えるので、そういう殺伐とした雰囲気は可能な限り削る目的もあったのでしょう。
結果として今作は「極限まで視聴者の減点される要素を避けた作品」という仕上がりを見せています。スタイルとしてはもはや‘アニメ’と言うより‘ラブライブのメンバーをより輝かせるためのエンターテイメント’の1つであった…様にも思えます。そしてこれはミューズがより多くの支持層を勝ち取るために最上の手段だったということかもしれませんね。劇場版の動員数が動かぬ証拠でしょう。

*以下、ややマイナス意見を含んだレビューになります。作品に対しての批判的なレビューをご覧になりたくない方は回避して下さい。
{netabare}

<<にこにーだけでは脱臭しきれなかったウソ臭さ>>
私としては‘2期’もう少し黒い部分を出して欲しかったようにも思えました。キャラクターへの感情移入を狙うなら尚更欲しかった。キレイ過ぎる物語は、キレイな事ばかり言う人間は、最終的には信用に足らないのです。私みたいなひねくれた人間が見ると‘どこかウソ臭い’そう感じてしまうのです。1期よりも「キレイさ30%増量」って感じでしたしね。
どの辺りが?と問われるとやはり1番は「全校生徒が一丸となって動いたあのシーン」でしょう。
ミューズのメンバーが純粋、いや過剰なほど純粋な人間ばかり…と言う事でさえありえない状況ですが、ここは「あの9人が奇跡」というフレーズで何とかなっています。まぁ、ありえるかもしれませんよね。‘奇跡’なら。9人くらいなら。でもさ?全校生徒は無いわ。中には居たと思うよ?「嫌だけど断れる雰囲気じゃないからやむを得ず参加」って人間も。そりゃそうでしょ、なにせ応援するのは「恵まれた子たち」なんですもの。可愛い・人気者・性格も良い…こんな人間ばかり集まれば、妬み嫉みの視線も集まりますって。少し過剰な演出だったかなと感じてしまいました。
あと泣くシーンも必要以上に多かったしね。…これもキレイ過ぎるというか…うーん…好きな人ごめんなさいw  もうにこにーという‘やや黒い’存在1人だけでは誤魔化しきれないです。…というか2期、そこまで彼女も黒い所が出なかったしね。もっと‘ダークにこにー’な感じを見たかったなぁ☆

さて悲観的な…さしずめ「ブラックwestkage」の意見は置いといて…w
{/netabare}

作品の良い所だけを改めて見つめると、とても見やすい作品でした。アイドルアニメが苦手な方にはとりあえず一番にオススメしておきたいです。個人的に好きな‘矢澤にこ’のシーンやカットも多かったので満足して視聴を終える事が出来ました。2週目を見る事は無いと思いますが、なんだかんだ言ってもシリーズを通して上手くまとめている所や、キャラクターの魅力が光っている所などを総合的に考えれば‘良作’と言い切って申し分ない作品でしょう。

投稿 : 2015/09/03
閲覧 : 551
サンキュー:

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