「心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画)」

総合得点
78.3
感想・評価
1197
棚に入れた
6262
ランキング
553
★★★★☆ 4.0 (1197)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ネタバレ分類するけど、詳細は書かない

 ネタバレにしてありますが、公開中のオリジナル作品なので詳細はあまり書かないようにして
おきます。

 スタッフが「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(以後、「あの花」と表記)と
ほぼ同じということを謳っているようですが、実際設定や展開こそ違うものの伝えられない
気持ちと、それを伝えることによる苦悩からの救済といったようなテーマ的な部分はかなり近い
ものがあるみたい。

 あるコミュニティ内における男女の心の機微を描くという点も「あの花」も本作も同じで、
こういった部分はやはり上手いなという印象。
 監督の長井 龍雪氏、脚本の岡田 麿里氏のいずれもこういう設定のオリジナル作品は強みを
発揮できる印象がある。割と最近の作品だと、長井氏は「あの夏で待ってる」、岡田氏は
「凪のあすから」なんか。
 そういう意味では「案の定」という感覚かなあ。
 岡田氏の脚本というと甘酸っぱい青春ものでもやけに生臭い感のある要素を入れてきたり
するが、本作でも結構重要なモチーフにラブホテルを持ち込んだりとこういった部分も健在と
いった印象。

 「あの花」ではマグカップ、ゲームのケーブル、更に電車などの小道具や舞台装置を効果的に
使用している印象があったが、本作でも携帯や電車・バスなどが効果的に使われている印象。
 もっとも交通機関はキャラの立ち位置の暗喩的な使い方に対して、携帯は主人公の一人である
成瀬 順が喋らないキャラであるため、暗喩どころではなく、ないと話が成立しないような
扱いであるが。

 皆でミュージカルを作り上げることを話の軸としているため、音楽が重要なモチーフに
なっているが、多くの曲がスタンダードナンバーを使用しており、既に耳馴染みの曲で
あるため、なかかか心地良いものがある。
 この曲に関してはラストの使用方法はちょっと驚かされた。音楽的部分とキャラの心情表現と
いう両方の意味で見事といった感じ。

 特にはしょったような印象はなかったが、1本の劇場公開作品内に全てを収めたため、
各キャラの心情の変化などはやや早急に感じるのは否めない。
 あとグループ内の恋愛要素もあるが、この辺も時間の関係上キャラの苦悩と救済を主軸に
描いたためか、恋愛部分はあっさり気味。
 この辺をもっとじっくり描けたら良かったが、そうなるともう1クールアニメの領域だ
ろうな。
 1クール作品だと逆に冗長になってしまうかな?とちょっと考えてみたが、前述の
物足りなさを感じた部分をじっくり描き、同じくあっさり気味だった各キャラの過去、更に
グループの一人である田崎 大樹の野球部関係の色々、ミュージカル作成時の諸問題などを
描けば、全然いけそう。
 実際、テレビシリーズならここで切れそう、みたいな部分は随所にあった。

 「あの花」が好きだった人にはお勧めできる作品ですが、「あの花」が感情が高ぶるような
作品であったのに対して、本作はじわーっと来るような印象。
 作品の季節が「あの花」が夏だったのに対して、本作は秋から冬にかけて。「あの花」の
空気感が夏らしかったのと同じく、本作は秋冬らしいとも言えそう。まあ、こじつけかも
しれないけど。

 キャストに関しては成瀬役の水瀬 いのり氏の喋らない演技がなかなか印象的。

投稿 : 2015/09/20
閲覧 : 260
サンキュー:

11

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