「雲のむこう、約束の場所(アニメ映画)」

総合得点
71.7
感想・評価
846
棚に入れた
4688
ランキング
1250
★★★★☆ 3.7 (846)
物語
3.6
作画
4.1
声優
3.4
音楽
3.7
キャラ
3.5

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紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

作品の完成度が全体的に拙い

以前、レンタル開始直後に一度視聴した、その時は特に違和感藻なくストレスフリーで
視聴できたのだが、再度視聴する機会を得たのでまた視聴をしてみた。
約10年ぶりに視聴してみての感想は、作品の完成度が全体的に拙いというのが
視聴し終えての率直な感想かな。
まぁ新海誠監督の2作目なので前作『ほしのうみ』に比べてシナリオの出来は
向上しているしアニメ映画のシナリオとして単体で一応結末まで描かれている
のは評価できる
あらためて視聴して思ったのは本作の世界観は昭和20年8月15日に日本が
ポツダム宣言を受諾し終戦に踏み切っていなかったら、おそらくこうなって
いたであろう日本の姿
設定を深読みすれば南側は米軍の占領中でおそらく講和条約は締結しては
いないであろうと推察できる状況かな。
そんな状況下でお手製の飛行機を飛ばして国境を越えようとする主人公二人の
物語はとても皮肉が利いていて、60,70年代に海外で製作された青春映画に
でてきそうな題材をうまく現代のテイストでシナリオ構成をしていて個人的には
大変面白いと思うが、時代を先りし過ぎたか今年あたりに公開していたなら
かなり物議をかもしていただろう。
唯一物語の終らせ方が、抽象的で物足りないと言うかもう少し捻った終らせ
方をしたほうが良かったのではと思わせてしまうのは残念。

作画は、当時まだまだ同人に毛が生えた程度の新海誠とゆかいな仲間たちが
作ったとは思えない良い出来で、特に美術背景はとても良かった。
もっとも商業ラインに乗っている以上はこのくらいはやれて当たり前だとは
思うが…

本作で一番残念なのはメインキャスト3人の演技が出来の悪いことだろう。
予算的に長くスタジオを押さえられなかったのかな、リテイクせず一発で
収録したようなできばえは残念です。
本職の南里さんは後半でいくらかまともな演技になっているが、それでも
同じ時期に演じたマオノーム役やヘンリエッタ役に比べると演技が雑に聞こえる。
吉岡秀隆さんと萩原聖人さんはただ台本を読んでいるだけとしか言いようが
ないほどおざなりな演技にしか聞こえなかった。
お二人とも当時、30代半ばで演技にあぶらが乗ってきている時期なのに
この体たらくとは、二人ともアニメのアフレコなんて意にそぐわない仕事
だったのだろう、成らば気に入らない仕事を受けるなとあえて言いたい
二人ともすでに仕事を選べないような新人ではないのだから

結論として、ストーリーの構成は尺が足らなくなり急ぎ足で結末を閉めて
しまった感はあるが、全体的には大変面白いと思う、なのに前回視聴した時の
印象が残っていなかったのは、メインキャスト3人がおざなりな演技なので
記憶を自動消去してしまったのだろう。

          余談

スターリンとルーズベルトの日本割譲案はソ連は北海道と東北地方を以降南側
がアメリカという密約があったそうだが、場合によってはドイツのように東京
が南北に分かれていた可能性も否定は出来ないだろうな。
その場合、国体保持は出来ず天皇家断絶になるだろうから、日本は現在の
イラクのように内戦状態になっていただろう。
そう考えるとあの8月15日は本当にぎりぎりのタイミングだった。

投稿 : 2015/10/07
閲覧 : 439
サンキュー:

16

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