「イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)」

総合得点
75.9
感想・評価
766
棚に入れた
4231
ランキング
743
★★★★★ 4.1 (766)
物語
3.8
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.0

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yokoryo さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

こんなにも儚く美しい残酷な押井攻殻の世界

まず、自分は攻殻ファンで押井監督も好きなのでだいぶ推してますw

以下、見たい・よくわからんかったという方に。

視聴前必須事項
・攻殻機動隊の世界観、時代背景の理解
・GHOSTの概念の理解
・(公安九課、特に素子・バトーについて)
・(前作GHOST IN THE SHELLの視聴)

視聴時意識しておくこと
『人間と人形を隔てるものとは?』『人間として生きることとは?』

視聴前に最悪上の2つを理解してないとこの作品を見るのは厳しいと思います。また、3つ目に関してはこの作品の前提となるとこなので、前作を見ておいた方がずっとずっと良いんですが、前作もなかなか敷居が高いので、下の説明で何となくわかってもらえれば内容理解にはとりあえずはいいかなと。一度見てよくわからなかった方も上のことを理解した上で視聴すればだいぶ内容が理解できると思います。

以下非常に簡単に説明
・攻殻機動隊の世界観、時代背景の理解
高度に情報化された近未来。
全身のサイボーグ化(義体化という・脳の場合は電脳化)が普及し、通信媒体を介さず直接ネットにアクセスすることが出来る時代。
人間・サイボーグ(義体化・電脳化した人間)・アンドロイド(人形、ロボット)が混在した世界。
義体化により全く同じ外見や声の人、アンドロイドが存在出来るため、生物的な個性はほぼ喪失。
記憶などの情報は電脳化により改ざん、コピーも可能。

・GHOSTの概念の理解
GHOST:人間の自我や意識、アイデンティティ
自分を自分たらしめるために最低限必要な根源的なもの
※詳しくはwiki参照をおススメします。

ここまで理解してもらえれば、人間と人形の境が非常に曖昧になり、自分を自分たらしめるものはゴーストという実態の無いものだけになっていることがわかると思います。この社会ではサイボーグとはそのようなファジーな存在になってしまっているわけです。
そんな中でハダリという本来人形であるアンドロイドがある事件を起こします。それは果たして単なるプログラムの暴走なのか、それとも。。。
といった内容です。
だからこそ『人間と人形を隔てるものとは?』『人間として生きることとは?』という問いが出てきます。


知っておいたほうが良い予備知識
・公安九課、特に素子・バトーについて
公安九課:電脳戦、武力戦に長けた少数精鋭の特殊部隊
草薙素子:通称「少佐」。公安九課の隊長。全身義体の特A級ハッカーであり最強の隊長。前作の事件で失踪
バトー:九課のメンバー。素子が好き。

最悪これだけ知ってれば何となくOKですw
出来たら前作を見たほうがずっといいです。



以下レビュー

酷評も多いこの作品ですが、押井監督特有の引用や作風が許容できるか、またこの作品に何を求めるかによると思います。単なる娯楽として見ると大失敗します。
映像作品としてはもう芸術の域ですし、また内容も哲学的なものなので、そういう姿勢で見れば評価は変わるんじゃないかと思います。

個人的にはすごく好きな作品です。切なく美しい攻殻の世界、というより押井監督のエゴの攻殻世界です。嫌いじゃないです。これくらいやっていいと思います。その証拠に受け付けない人も多く、他作品とは一線を画したものになっていると思います。
テーマが人間の根本を深くエグる非常に残酷なものである反面、圧倒的な映像美と演出で儚く美しい作品になっていると思います。
とにかく自分には素晴らしい作品です。

投稿 : 2012/03/31
閲覧 : 293
サンキュー:

13

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