「灰と幻想のグリムガル(TVアニメ動画)」

総合得点
87.2
感想・評価
1952
棚に入れた
9389
ランキング
160
★★★★☆ 3.9 (1952)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

食べるために鶏の首を切り落とせますか?

原作はアニメ視聴後に一気読み。

水彩画のような変わった画風に惹かれて視聴開始しました。

【作品概要】
 気が付いたら見たこともないグリムガルというファンタジー世界で目を
 覚ましたハルヒロ。そして同じ境遇の人が多数。
 生活の基盤が全くない彼らは義勇兵としてゴブリンらと戦うことに。


【作品に対する感想】
 1クールで終わってはもったいない秀作だったと思います。
 もっと続きが見たい!

 登場人物は皆等身大の若者。
 ハルヒロ達は恐らく元は現代日本の高校生くらいと思われます。
 それが衣食住を確保することもままならない世界に
 体一つで放り込まれたらどうなるか…が描かれています。

 昔とあるRPGの主人公が雑魚モンスターを倒す時に
 「経験値になれ!」というメタ発言をしていたのを思い出しました。
 それと対極の作品です。

 この作品では命を「殺す」ということを明確に描いています。
 雑魚一匹も生きていて、死にたくないと思っています。
{netabare}
 RPGでは「1ゴールドと毛皮を手に入れた」という1文で終わりですが、
 この作品では血みどろのモンスターの亡骸を漁って、金を奪い、
 身体をむしり取ることが描かれています。
{/netabare}
 水彩画のような幻想的な画風と対照的にもの凄いリアリティ。
 異世界ものの他作品と差別化されたこの作品に私は一気に引きこまれました。
 
 リアリティを追求する人にはお勧めですが、
 痛い描写が苦手な人にはきついと思います。 

1)物語
 リアリティが凄く、丁寧に描かれている半面、
 まだまだ序盤と言うところで終わってしまった感じです。
 続きが凄く観たいです。

 丁寧な描写は本当に好感が持てます。
 ご飯をちゃんと料理しているところとか、
 パンツが破れて買い替えたいけどお金がないとか、
 ノゾキがばれてずっと気まずいとか
 簡単に恋愛物語にならないところとか。

3)キャラ
 皆等身大なキャラ達でものすごく好感が持てました。
 ①モグゾー
  縁の下の力持ち。戦闘では盾となり、生活では料理。
  こういう地味でもしっかりしてる人好きです。

 ②ハルヒロ
  主人公だけど凡人。故に迷いながら必死でリーダーとして振舞うのは
  凄く共感できました。
 「俺が見てなかったのはメリィだけじゃなかった」
  自分の考え方を修正できるのは凄いことです。

 ③マナト
  リーダーとして十二分な人物。
{netabare}
  それゆえ死ぬんじゃないかと思っていましたが、
  本当にそうなってしまいました。
{/netabare}  
 
 ④ランタ
  基本的に嫌いなタイプですが、他の人にないお調子者なところが
  プラスになるところもあり、やっぱり不可欠な人でもあります。
  時々ユメを気にしている素振りが見えますが、どうなるんでしょう?

 ⑤ユメ
  キャラデザから委員長的な立ち位置かと思いきや、
  ほにゃんとしたユルキャラでした。
  ハルヒロをちょっと気に掛けているのかと思えるのですが、
  メリィと三角関係になったりするのかな?
  彼女の言語は関西弁とは似て非ずです。

 ⑥シホル
  いちいちおっかなびっくりで、保護欲よりもイラッとすることが
  多かったですが、まあ普通にいるタイプですよね。でも物語を通して
  一番成長した一人かと思います。
  原作のその後でも{netabare}精神的にも技術的にも凄まじい成長を見せる娘です。{/netabare}


 ⑦メリィ
  途中参加で最初は何だこいつはと思いましたが、少しずつ心が
  溶かされていくうちにどんどん魅力アップでしたね。 
  過去を背負っていれば何をしてもいいわけではないですが、
  最終的には女子陣で一番好きでした。 

4)作画
 OPでみんなのフィットスーツ姿が描かれてますが、みんないい身体ですね。
 女子の…もあるんですが、男性陣も…同性から見ても憧れます。
 モグゾーのガッチリしたガタイはいいなと思うし、。
 ランタの肉食獣のようなしなやかさもなかなか。

 戦闘シーンは派手ではないものの刃物と刃物で斬り合う緊迫感が
 良く表現されていたと思います。

 またラスボスがターミネーターのように追っかけてくるシーンの
 絶望感と恐怖感は圧巻でした。

 原作の方はもっとガチャガチャした感じの絵なんですけど、
 アニメ化に当たって小ざっぱりした感じに改変されてます。
 私はこれで良かったと思ってます。

5)音楽
 OP「Knew day」疾走感があっていい曲でした。


6)好きなシーン
{netabare}
 ①ブリトニー所長のアドバイス
  諦めないこと。
  死ぬ時は死ぬけど、諦めたら確実に死ぬ。

  ホント真理です。

 ②ハルヒロとユメの抱擁
  喪失感を埋め合うように雨の中で抱き合う二人。
  「こうやってギュっとされてるとな、めっちゃ落ち着くな」
  は核爆発の威力でした。
 
  で、綺麗なシーンだったのにシホルの乱入でラブコメかよ!

 ③シホルの勇気を振り絞った一言
  この子は基本的に人に主張することが苦手です。
  それなのに辛い思いをした分だけ優しくなれたらいいと思うと
  はっきり言い切ったのは凄く頑張ったと思います。

 ④メリィの独白
  メリィのトラウマの場所。
  乗り越えるためにはハルヒロ達と行きたいと伝えたシーン。
  ハルヒロがぽろっと来たのも凄くわかります。
  リーダーゆえ背負うことが人より多い分、苦労も多いですしね。

{/netabare}

7)原作について(余談)
 キャッチしている方からのお勧めもあり、アニメ視聴後に一気読みしました。
 継続購読決定です。面白いです。

 ハルヒロ達の置かれる環境が、コンスタントにかなり激しく変動し、
 それに必死で食らいついて対応していく様が描かれています。
 アニメではあまり描かれなかった他のパーティーとの絡みや
 他種族からの侵略行為など世界観の厚みを増してくれています。

 未だ物語の全貌や終着点がどこになるのか解りませんし、
 気になることはてんこ盛りです。
 元の世界とグリムガル「など」の異世界との関係は?
 そもそも義勇兵達はどうやって、何故グリムガルに来たのか? 
 義勇兵達は元の世界に帰れるのか、異世界に永住するのか?
 ハル×メリはどうなるのか(くっつくのか)?
 
 物語を広げ過ぎて破綻しないことを祈っています。
 

投稿 : 2017/03/25
閲覧 : 394
サンキュー:

36

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