「ガッチャマン クラウズ(TVアニメ動画)」

総合得点
69.6
感想・評価
697
棚に入れた
3383
ランキング
1711
★★★★☆ 3.8 (697)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

アレク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

現代のヒーロー

面白かったです、本家のガッチャマンのほうはにわかでまだ未見なのですが
過去の名作をただなぞるのではなく現代的なエッセンスも加味し
そのうえで正義のヒーローとは何かを問う挑戦的な姿勢で
素晴らしいと思います。
物語は主にはじめと清音と塁3人を主軸として話が進みます、
その中で自分ははじめと清音の2人に注目しました
清音は生真面目でちょっとしたマナー違反も許せないよく言えば正義感が強く
悪く言えば極端な思考に陥りやすいタイプです、
はじめは一見変人ですが世間体などを気にせずまっすぐに本質へ切り込む
性格が行動や言動の端々から見られさらに世界を楽しんでよいものだと
受け入れている、タイプは違いますが PSYCHO-PASS の常守朱を思い出しました
そんな2人は当然水と油で反発することも多いのですが
後半後述しますがはじめに影響されてか清音の成長がうかがえました


序盤感想
{netabare} 1話ではじめがおなかすいたなぁといったのは物理的な意味ではなく
精神的な意味で言ったのでしょうか、ともあれJJという人物から
ノートを抜き取られ彼女はガッチャマンになります、
これは最終話まで見てから見返すと前任者のバトンタッチにも見えなくもなりません

2話で今まで敵と思って戦ってた相手が対話可能で無害かもしれない
というくだり、結構重大な問題だと思うのですがここでは深入りせず
話は累とGALAXに移ります。{/netabare}

GALAXの意義
{netabare}牛乳やロープウェイやトンネルの落盤事故の
解決の背景にGALAXの存在が示唆され
6話Originalityの回でGALAXの創始者である塁と会談します。
塁の主張するヒーローが必要なのではなく1人1人の意識の変革が
真に重要でありヒーロー1人にすべてを背負わせるには社会はあまりに
複雑で大きくなりすぎている、先の事故での個々人の活躍を考えるとある程度説得力があります
大切なのはあくまで個人の意志でそのための潤滑油であり橋渡しをすることが
GALAXの役割ということでしょう、

救けを求める人すべてを救いたい、男の子なら誰もが1度は抱く憧れだと思いますが
大衆のための無償の奉仕というのは突き詰めるとどこか歪んでしまうものです・・・
自分はここでちょっとFateシリーズを思い出しました、
ですがFateでは救う側の悲劇が主だったのに対し
塁が指摘したのは力を持つ者にすべてを任せることでは1人1人の
精神が成長しない、救われる者のその後に注目してますね
たぶんこれ以前にもそうした矛盾はあったと思いますが
ヒーローの存在にかき消されスルーされた問題だと思います、ですが
SNSが発達し1人1人の声が届きやすくなった現代ならではの矛盾であり
主張だと思います{/netabare}

SNSの光と闇
{netabare}ですがそんな思想を持つ塁が主催するGALAXも万能ではない
カッツェに扇動される形ですが個々の悪意が膨れ上がりついには
国会議事堂を破壊するまでいってしまいます、SNSの負の部分ですね
自分はこのシーンすごい好きで現実のことに無理やり翻訳すると
ブログやツイッターなどのいわゆる炎上みたいな感じでしょうか
GALAXやSNSはいくら便利になっても結局使うのは個人の意志で
それがなければ無意味に他人を貶めるニヒリズムに陥り
行きつくとこが国会議事堂の破壊だと思います

深読みかもしれませんが与えられた大きな力でも
自覚と覚悟を持って使うならたとえその価値観が時の流れとともに時代遅れになっても
尊いものではないのか、そんなメッセージが国会議事堂破壊
という力の負の部分の爆発という事象の底に隠されているように
自分は感じたしそう考えて本編の2話を振り返ると感慨深く
さらに言うと今までのガッチャマンシリーズのリスペクトも含まれているようで…

大いなる力には大いなる責任が伴うというのはスパイダーマンにあったかな?
とにかくその言葉を思い出しました{/netabare}

全話見て
{netabare} そこからの清音たちの自己判断で現場に駆け付けるのを
決めるシーンもよかったです
いままで最初こそ具体的な指示を出していたがその後は抽象的な予言ばかりで
行けとも待機しろとも支持しなかったそこに在るだけのJJ
ですがついに指示を待たず行く決断をした清音、
その瞬間彼が本当のガッチャマンになった気がしました
JJは先代のガッチャマンなのかな?
初代から見てた人はどう感じたんだろう?
その後立川が襲撃されゲーム性を取り入れたGALAXの救助活動もあり
問題は解決、はじめがカッツェを自身に取り込み楽しい景色を彼に
見せることで物語は閉じるんですが
振り返りよく考えてみると国会議事堂も立川襲撃もカッツェに選ばれた
人間が力を行使してるのであり塁が主張していた
力を持たざる者たち1人1人が考え行動する
世界にはどうすればいいか、そしてその際のヒーローはどうなるか
明確な答えは出されていません、それは現実に当てはめてみても
自分たちは答えを模索している状態なので当然の帰結だと思います。
スタッフは見終わった後の内省も含めて
あえて明確な答えを出さずぼかして作ったのかな?
だとしたらすごい!{/netabare}


とりあえず2期もあるということなので今すぐツタヤ行ってきます(^^)/

一応各話の覚書も書いときます
{netabare} 1話  アバンギャルド  前衛的 はじめのガッチャマン加入
Avant-garde
2話  アシンメトリー  不均整 GALAXの存在
Asymmetry
3話  フューチャリズム 未来派 牛乳の事故 生徒同士の協力 GALAX
Futurism
4話  キッチュ   駄作 ロープウェイの事故 カッツェ
Kitsch
5話  コラボレーション 協力 トンネル内の事故 協力
Collaboration 
6話  オリジナリティ  独創性 創造性 ガッチャマンが世に知られる 塁との会談
Originality
7話  アブジェクション 下賤 卑屈 カッツェとはじめの会談
Abjection
8話  ジェニュイン  本当の 幼稚園へ訪問
Genuine
9話  フォジェリ  捏造 ネオハンドレットの暴走
Forgery
10話 クラウズ  群衆 立川襲撃
Crowds
11話 ゲーミフィケーション ゲーム要素の導入
Gamification
12話 コラージュ 様々なものの貼りつけ 騒動の段落 はじめとカッツェとの対話
Collage{/netabare}

投稿 : 2016/01/17
閲覧 : 350
サンキュー:

24

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