「干物妹!うまるちゃん(TVアニメ動画)」

総合得点
80.7
感想・評価
1764
棚に入れた
8881
ランキング
444
★★★★☆ 3.8 (1764)
物語
3.6
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

ツキ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

ニート増大計画

主人公のうまるは才色兼備で誰からも好かれる反面、家ではぐうだらで好き放題やるといった二面性でキャラを確立しています。これを顕著に現すデフォルメデザインも非常に可愛らしく、そのお陰からかうまるのサイコパスっぷりも幾分緩和されるような描写になっています。
露骨な家族愛を取り入れた(誰得)構成も随所に見られ、作品への好感度を上げるような保守的な部分も見て取れましたが、テンポもキャラも日常系アニメとして明瞭化され頭からっぽで見れる作品でした。
しかしそれ以上にこのアニメはニート・フリーターを助長するような危険なアニメであると感じました笑

うまるのぐうだらっぷりは、少なくとも学生の時分では誰しもが経験したことのあるような人間の惰性をある種ノンフィクション的に描いていて、その中で〈共感〉を誘っている印象を受けました。これ見てて「あー分かるわー」ってなった人もきっといるはず。もっと穿った見方をすれば、趣味を好きであり続ける大切さ…なんてものも感じることがあるかもしれません。

しかしこのアニメの主人公であるうまるは学生なんですよね。しかも頭が良くてスポーツも出来て人望も厚い。と言うことは、それなりの(かなりの)努力をしていて学生の本分を決して見失っていないということです。

しかしこのアニメにはそう言った描写は一切ない。家族愛的な真面目な構成を入れるなら、うまるの頑張り屋さんな一面を取り入れてもそこまで浮いた感じにはならないと思うんですけどね。うまるがぐうだらできる前提としての描写があればお兄ちゃんが甘くなる部分もまあ理解できるし、うまるのサイコパスにも目を瞑れるというもんです。
これでもし学校生活も破綻してたら嫌悪感マックスでとても見れたものじゃありません。強いて言えばドラえもんののび太がその類ですが、彼の場合ドラえもんというハイパーフィクションの存在によって架空の作品として確立され、ぐうだらっぷりも共感を誘うような描写にはなってません。

このアニメを視聴したニート・フリーターはきっとうまるの惰性部分だけに共感し、現実逃避に安心感を得てしまうのではないかなーと感じました。例え一過性のものであっても、そこに助長する要素を感じた以上やはり作品として良い印象は受けませんでした。

「これを見てるアナタはやるべきことをやって、その上で趣味に高じていますか?」と作品の裏側に問題提起するメッセージ性があってもまた面白いと思うし、それだけの材料もあると感じました。
アニメは文化と謳うのであれば、正規雇用の重要性を訴えて所得水準の上がった方々にたくさんグッズを購入してもらい、業界の繁栄に一役買ってもらうことを考えてもらいましょう笑
文化を支えるということは、ウケるアニメを作れば良いってだけではないのでは…!?

投稿 : 2016/01/18
閲覧 : 195
サンキュー:

10

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