「ご注文はうさぎですか?(TVアニメ動画)」

総合得点
84.5
感想・評価
2386
棚に入れた
11802
ランキング
282
★★★★☆ 3.9 (2386)
物語
3.5
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

こころぴょんぴょん待ち?考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ←不審者かな?

2014年4月~ TOKYO MX、サンテレビ、BS11他にて放送
全12話 原作未読

高校入学を機に下宿するために引っ越してきたココアが
偶然、下宿先である喫茶店ラビットハウスを発見し
そこで看板娘のチノとモフモフうさぎのティッピーに出会い
お世話になる家に奉仕するという高校の方針もあって
ラビットハウスの店員として働くことに
ココアを中心に登場人物の関係性をゆったりと可愛らしく深めていく日常系作品

{netabare}
ココア達の住む街は少し特殊で本編には”木組みの家と石畳の街”という説明だけがあり
フランスやドイツの建築や風習をベースに畳や和装、日本語表記の看板やメニュー等、日本の文化をブレンドし
ハンガリーの温泉地帯を思わせるような施設も存在する(温泉チェスって実在するんですね)
また街中に野生のうさぎが徘徊していて、まるでピーターラビットの世界に萌えキャラをそのまま移植したような
ファンタジーな世界観を形成している架空の街。非常に魅力的な街。

そんな魅力的な舞台装置を存分に活かしたキャラ描写が素敵。
主要キャラのココア、チノ、リゼ、千夜、シャロは10代の女の子という共通項以外は
学年も通っている学校も働いている喫茶店もバラバラだったりするのだが
ココアを中心にして不自然さを感じさせない距離感で彼女達の交流を描いている。
ココアと一番長く接していたチノは1人っ子で父親と二人暮らし、母親は他界していて、祖父はうさぎになっている。
父親は夜はバーを経営しているから夕食はココアが来る以前は1人だっただろうし
趣味がボトルシップやジグソーパズルと1人で完結する趣味だったりと設定は結構重め。
ティッピーを常にそばに置いておくのも心の奥では寂しさを感じていたのかもしれない。
チノに関しての印象的なエピソードは第7羽、孤独な趣味だったはずのパズルをみんなで力を合わせて作り上げる話。
完成されたパズルの絵は1羽のうさぎを4羽のうさぎが寄り添うように写っていて
中央に配置されたうさぎはまさしくチノであり、これまでの関わりの中で多くの仲間が出来たという
分かりやすくも感動的にしすぎない演出が好きな回。パズルを始めるきっかけを作ったのはココア。

もう一人印象的なキャラでシャロの存在がある。
日常アニメ、特に美少女のみで構成された作品には金持ちキャラは数多くいるけど
明確に貧乏だと描写されるキャラは極端に少ない。いたとしても大げさなギャグで流されるか
「お金はないけど毎日楽しいし元気です!」みたいなバイタリティ溢れる子である場合がほとんど
古びて小さな家に負い目を感じて、特待生としてお嬢様学校に入学したにもかかわらず
貧乏だと悟られないよう処世術としてお嬢様を演じているというキャラは珍しかった。
『神のみぞ知るセカイ』や『ましろ色シンフォニー』でも同じように貧乏なお嬢様キャラは存在するけど
どちらも恋愛アニメであるし、やはり日常アニメでは珍しいと思う。
先程と同じく第7羽でのエピソードで実はお嬢様では無いとバレるシーンがあるけど
起因になったキャラはやはりココアで、ココアのリアクションのおかげで重くなりすぎず
ごちうさの空気を保ったままサラッと流されていたのが印象的。

このように一見、起伏の乏しいストーリーであっても主人公であるココアが他のメンバーを結びつけて
緩やかな変化の中心には必ずココアという存在がいる。
そういう意味では成長物語でもあるし「家族」をテーマにした絆の物語とも言えなくはないけど
本編からはそんな印象をまるで受けない。
徹底して甘く、穏やかで、可愛らしい雰囲気が崩れない。
クセのある派手な演出は無いし、会話やシーンの切り替えはテンポを崩さないよう配慮されている。
作画は水準以上に良いし、音楽はあまり目立たないながらも作品世界に浸るのに邪魔をしない。

「ココアの暗算が得意設定ぜんぜん生かされてなかったね」とか
「飲食店内にうさぎ放し飼いとか衛生的にどうなの」とか
「じいちゃんがうさぎになるってどういうこと!?もうちょいkwsk」とか
「青山ブルーマウンテンってペンネームだとしても酷すぎだろ!たけし軍団かよ」とか
「護身用のモデルガンを携帯してるわりには夜に女の子だけで外出できるほど治安いいやんけ」とか
そういう気になる一切合切を
「でも可愛いんだから良くね」で納得させられるパワーがすごい。
本作のキャッチコピーである「すべてが、かわいい。」には寸分の狂いもなかった。


ただもう一つのキャッチコピーには「かわいさだけを、ブレンドしました。」とあるように
本当に可愛さだけで構成されてるからやっぱり集中してみるのは辛い。
あとセクシャリティに寄った描写が多くて個人的に癒し系では無かった。
日常系アニメにエロはいらないとか綺麗事を言うつもりは毛頭ないし、
エロければエロいほどええやん!ってタイプなんだけど、この作品の子達は何か違うんだよな。
2期はチラ見したけど萌え押し、エロ押しがキツくなってて何となく断念してしまった。
ほら、うっかりチノとかに欲情しちゃったら親父さんが音もなく背後から近寄って喉元にアゾット剣を突き立てられそうじゃん{/netabare}

投稿 : 2016/01/20
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サンキュー:

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