タケ坊 さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

清々しさを感じる青春部活モノ

18禁のギャルゲー原作。

原作の方はよく知らないけど、この手のジャンルにありがちな、
大幅な改変と端折りで再構成した物語になっているらしい。

特に描かれ方に変化が見られるのは、原作で主人公の晶也が、
アニメでは殆ど脇役になっているという点。
まぁ観ててこいつあんまり絡んでこねぇなぁ、とは思ってたけど、
アニメでの主人公は、アスカとミサキになっている。

原作ファンからしたら、ふざけた改変しやがって、的な感情持つかもしれないけど、
1クールの限られた尺ではできること限られてるし、
結果的にはゲームの販促としての意味合いは充分果たしているんじゃないかと。


☆物語☆

「グラシュ」という反重力で空を飛ぶことが可能な靴を履いて、
（グラシュで空飛ぶ自体ツッコミどころが多いので、これは深く考えたらダメ笑）
フライングサーカス（FC）という競技に打ち込む学生たちの青春スポ根部活モノ。

まぁ、一言で言うと、内容の方は原作から恋愛＆エロを抜いた、ベタな王道アニメで、
いちいち内容を語りたくない、語るのが恥ずかしいほどのベタな路線。。

王道アニメ、っていうのはある意味水戸黄門みたいな既定路線を描くものなので、
テンプレ通りに話を進めれば、取り立てて粗が見えることもないし、それなりには面白くはなるんだけど、
個人的には突き抜けたものがないと、物足りなさは感じるかな。。


☆キャラ☆

特に意外性などもない、既定路線の物語で楽しむべき点はとなると、やっぱりキャラになる。
主人公のアスカはちょっとアホで「ダメダメです～」、ってキャラなんだけど、
やる時はやる、芯の強さがあるヒロインで観てて印象は悪くないし、可愛げがある。

ミサキに関しては、高校生らしいといえば高校生らしい悩みを抱え、少々面倒臭いけど、
最終的にはアスカに感化され成長していく、これまた王道的なキャラで悪くはない。
この2人の成長が本作のテーマのようなもんだしね。

その他のキャラも、仲間やライバルなどキャラに関しても物語同様のテンプレキャラ満載で、
主人公2人を引き立てており、悪くはない。


☆声優☆

アスカ役の福圓さんの演技が素晴らしい、これに尽きる。

他にも原作エロゲってことで、人気声優目白押し、って訳じゃないけど、
何の遜色もないし、みなさん巧く演じてらっしゃる。
エロゲ声優って、本来もっと評価されるべきだと思うんですけどね。。

インパクトの強い人といえば、顧問役の緒方恵美さん。
演技どうこうじゃなくて、やっぱり個性はしっかり出てますね。


☆作画☆

キャラの描き方は少々微妙だけど、酷くはないし無難。
FC時は結構CG交えて、そこそこ頑張ってるんじゃないかなと思う。


☆音楽☆

川田まみさんの歌うOPはいかにも青春を思わせる爽やかな楽曲、
EDはRAYの楽曲、こちらは何とも甘酸っぱい。
どちらも作品の内容に沿った歌詞で、特にEDはアニメーションを観ても明らかだけど、
アスカ＆ミサキの心中を歌っていて、アニソンとして非常に優秀。

作中BGMも盛り上げる場面では清々しさを感じる、いかにも青春って感じの曲が印象的だった。
自分がこの作品で一番好印象なのは、音楽かな。


どうでも良いっちゃ良いけど、今期放送してたアニメで青春王道部活アニメって、
「本作」「少女～荒野」「ハイキュー」「ストライド」思いつくだけでも4つもある。。
別に全部観るわけじゃないし、良いんだけどね。。

本作も王道ものが好きならば、物足りなさはあっても、特に不満なく観れるんじゃないかな、
って感じの作品で、無難なアニメだと思う。