「僕だけがいない街(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
3357
棚に入れた
15479
ランキング
29
★★★★☆ 4.0 (3357)
物語
4.2
作画
4.0
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
4.0

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タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良い点と悪い点がハッキリしている

人気漫画が原作のサスペンス・ミステリーだが、

主人公に特殊能力があり、現在と過去を往復するSF要素のあるもの。

作風としては個人的にイメージするノイタミナのアニメだな、と言う印象で、

取り立てて特定の層に媚びたような内容ではなく、万人向きに楽しめる感じ。

原作は漫画8巻で完結している物語のようだが、

アニメは1クールでやってしまっているので、改変と端折っている部分が多いのだろうと思う。


☆物語☆

どんなアニメに於いても、フィクションである以上突っ込みどころがあるし、

作品自体を純粋に観て楽しむには、ある程度は寛容になった方が良いとは思うが、

SFものに関しては、設定の甘さが垣間見えるのはあまり関心できない。


本作は、主人公がリバイバル、という特殊能力を持っているが、

これが「気付いたらそうなってた」という設定だけで、

何故そんなとんでもないことになったのか、というのが描かれておらず、

最後までリバイバル自体に関することがよく分からない。

また、リバイバルの起こる条件、必然性が明確ではなく、
(自分に全く関係ない人間に対してまでも発動している)

物語の進行上都合よく発生しているので、

これはSFもの、として見た場合には雑な作りだと言わざるを得ず、

かなり強引なご都合主義といえるのではないだろうか?


ただ、本作の見どころとしては、主人公がリバイバルによって過去に戻ってからの、

事件を未然に防ぐ、真犯人を探す過程を描いている部分になると思う。

1988年にリバイバルした主人公と母親、小学生たちとの関係を描いている部分になるが、

中身は兄ちゃんだが、小学生が事件を未然に防ごうと奮闘し助ける様子、
(1回めのリバイバルでそれじゃ救えないだろ、と思っていたら案の定の展開だった)

ヒロイン加代に対しては素直に格好良いと思うし、

毎話EDから次の展開がどうなるのか、と引き込まれる作りに関しては、

サスペンス・ミステリとしては、お手本のように良く出来ていると思う。


ただ、ここでも少々難点を上げるとすれば、

サスペンス・ミステリは最初の方で犯人が解り、その犯人と対峙する過程を描くものや、

誰が真犯人か判らない、というものがあるとすると、

本作が真犯人を探す、と言う後者のものであるならば、

出てくる登場人物たちを見ていると、こいつが真犯人だろうな、

と言うのは途中でほぼ確定してしまっているのが少々残念ではある。。
(何も考えなければ気づかないだろうが)


あと、いくらなんでも現代の警察が無能過ぎる描かれ方をしているのは何とも。。

他にも突っ込みどころは結構多くて、結果ありきのご都合主義的な物語の作り方である点は否めない。

最終話リバイバルでアイリがどうなるのかと思ったが、ここは良い纏め方をしたんじゃないかな。



☆声優☆

大人の事情のゴリ推しなんだろうが、

何故女優、俳優をメインキャラクターに採用するのか。。

土屋さんに関しては、美人だし女優としてはどうこう言うつもりはないけど、

声優として採用する必然性があるとは思えない。
(女性声優でショタ役が上手い人は大勢居る)

兄ちゃんの方がまだ違和感は少ないが、感情を高めた際の台詞の覇気の無さは、

声優としてみた場合には、やはり技量不足かと。

声優ではない人間を声優として採用するには、作風に合ったそれ相応の効果が得られるもので、

視聴者が納得できるキャスティングであるべきだと思うが、

このキャスティングに関しては、ゴリ推し以外の何も感じられないと思う。

作品としての完成度を下げる、こういうキャスティングは看過することが出来ない。
(そこまで演技が酷い、とは思わないが)


☆キャラ☆

これに関しては特に不満なし。

特に加代に関しては時間を掛けて描かれているだけあって、最初の印象から心を開いて、

救われるまでは観ていて伝わってくるものがあった。

また、母親に関しても、こんなに理解のある親は良いよなぁと、つくづく思う。


☆作画☆

A-1ピクチャーズは個人的にキャラデザインのバリエーションが豊かな所が気に入っているし、

作画自体のクオリティは平均して満足できるものだと思う。

今作に関しても安定した(特別優れているという訳でもないが)作画クオリティを維持しているのでは。

ただ、あの大きさの包丁はちょっとデカすぎる。。

刺身包丁じゃないとややリアリティに欠ける気がするかな。


☆音楽☆

OP,EDはノイタミナの過去作同様に、いかにもなタイアップ曲だが、

本作との内容には一定の考慮はされていて、曲自体も悪くはないといった感じ。

最終話を観た後だと、OPの「RE:RE:」はアイリを意識した選曲とも受け取れるなと感じた。

まぁ10年も前の曲だから、解釈次第ってところで、この作品の為に書いた曲じゃないのは明らかだけど。。

作中BGMの方はEDのメロディを度々使ってたのが印象に残るが、全般的には無難かと思う。


評価のまとめとしては、

一つ一つの要素を見ていくと、点数としての評価は世間的な評価より厳しく付けているかもしれないが、

作品全体がつまらないということはなく、実際は結構楽しんで最後まで鑑賞出来た。

細かい部分の甘さを気にしなければ楽しめる作品といった感じで、

実際アニメをあまり観ない人や若年層が観るぶんには何の不満も無いかもしれない。
(たぶん頭空っぽで観たほうが楽しめる)


1クールで原作8巻分をまとめると言うのは、なかなか難しいことだと思うので、

細かい作り込みに関しては、ある程度大目にみなければならないだろう。

逆に言うなら2クールで丁寧にやった方が、もっと良い作品になったかもしれないが、そうすると尺が余るか。。

この作品は既に実写化も決まっているけど、映画の尺で上手く纏まってるんだろうか、と要らぬ心配をしてしまう。

投稿 : 2016/03/28
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サンキュー:

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