STONE さんの感想・評価

3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

よりメンタル重視の展開

　原作は途中まで既読。
　1期はストーリーの面白さに反して、作画、特にテニスシーンで躍動感が感じられ
なかったが、本作は幾分良くなったみたい。
　1期と本作の間には錦織 圭の躍進があったりしたが、その辺の影響で予算が増えたりしたの
かも。

　のっけからフロリダ編で始まるが、アメリカにおけるジュニアのテニス環境が垣間見られて
興味深い。
　そう言えば本作は主人公が高校生のスポーツものだが、多くのこの手のジャンルが部活もので
あるのに対して、民間のクラブを舞台にしているところが面白いところでもあるなと改めて
思ったり。

　丸尾 栄一郎の神奈川ジュニア、関東ジュニアへのチャレンジを軸にストーリーが展開
されるが、これまでの大会参加と違うのはプロ化を意識してのもので、丸尾の本気度がより
高まっているのがよく判る。
　宮川 卓也、荒谷 寛、難波江 優との試合はいずれも再戦であるため、丸尾のテニスの進歩が
見て取れるが、前回負けた荒谷、難波江にそう簡単には勝てないのがこの作品らしいところ。
　一度負けた相手に対して、主人公が向上することで、再戦でリベンジを果たすのはスポーツ
ものの定番とも言えるパターンだが、相手も同じ場所に留まっているわけもなく、主人公が向上
すると共に相手も向上していくのが現実。
　そういう意味では本作の展開は結構リアリティを感じる。もっとも多少カタルシスは減る
けど。

　テニスの内容の方は、いわゆる漫画的な現実離れしたスキルは極力抑えた作品であるために、
技がインフレ化していくようなことはなく、その分より深部を描いている印象。
　特に1期以上にメンタルを重視していたようだが、考えてみれば本作に登場するような選手は
いずれもスキル、フィジカルなどはある程度のレベルに達しているわけで、そうなると
メンタルの差がより重要になってくるのかな。
　丸尾自身はついにゾーンを体験するに至るし、対戦相手もメンタルにより自身の調子を上げて
いく井出 義明や、怒らせることで相手のペースを崩す高木 朔夜など、全体的に精神状態が
勝敗を左右するような試合が多かったみたい。

　恋愛の方はついに丸尾と鷹崎 奈津と付き合うことになるが、この二人本当に正反対の
タイプだなと。互いにない部分を補っているようで、なかなかいい組み合わせなんじゃない
かと。
　二人のテニスライフ的には順調に行ってなによりだけど、俯瞰的に観るとあっさり行きすぎて
ドラマとしてはちょっと面白みに欠ける。
　昔から奈津を好きだった江川 逞、丸尾に好意があった佐々木 姫子、更に本作より登場して、
これまた丸尾に関心を抱く清水 亜希などがいただけにもうちょっと色々あっても良かった
かな。