退会済のユーザー さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

今を生きる存在証明

才能豊かなピアノ少年と感性豊かなバイオリン少女を主とした、青春の話。

多感な青い時期に起こる、多様な出来事や経験。
それだけに、哀歓の感情を発するシーンが多いのですが、その表現力が群を抜いて素晴らしい。
音楽や色を伴ってシンクロする、煌きと輝き、そして歪みや澱み。
多角的に五感へと訴えかけてくる感情演出には、圧倒されました。

また、本筋と並行するいくつかのサイドストーリー的な要素の充実度も高かったように感じます。
キャラの設定と背景、存在感など、面白みを孕んだエッセンスがまだまだありました。
異なるストーリーで、もう一つ二つ作品が出来てしまいそうです。

そして、ストーリーの核となるヒロインの少女。
{netabare}いたわしい境遇下にありました。
しかし、いつでも下を向かずに、前を向いて走った少女の煌きが、あまりに眩しくて切ない。{/netabare}

今この瞬間の充実感。
それが、どこまでもリアルに伝わってきて、思わず胸が痛くなりました。

印象的な輝きと憂いに満ちた、充実の作品です。