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「四月は君の嘘(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
5042
棚に入れた
20039
ランキング
29
★★★★★ 4.3 (5042)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.2
音楽
4.4
キャラ
4.2

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四月は君の嘘の感想・評価はどうでしたか?

きゅん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

よかった!

原作が好きだから見たけどアニメも良かった!

投稿 : 2024/02/19
閲覧 : 26
サンキュー:

3

ネタバレ

覆面反対 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

喪失感ハンパないって

東京MXの再放送枠で一通り見た数年後に、DMM TVで全22話をもう一度見ました

はっきり覚えてるのは…ラストシーンの後の…喪失感ハンパない😭😭😭😭😢

ピアノを弾く公生…すると(入院中で手術を受けることになってる)かをりの魂が傍に現れバイオリン演奏…しばらく一緒に演奏するも演奏終了とともに彼女の姿は少しずつ散っていき、そして上空に向かってしまう👼

そして季節は冬となり(おそらくかをりの4から数ヶ月後)彼女の両親から「娘の人生を豊かにしてくれてありがとう」と墓を前にして言われ、遺書を受け取る✉️

そしてそれを読む公生…実は私が好きだったのはワタリ(サッカー部の部長で公生の友人)はなくキミでした…という告白💌

読み終わった後…「キミと出会った春…そしてキミ(かをり)がいない春がやってくる」という公生の言葉でアニメは締めくくられる。この言葉もグッとくる😭

入院してから、かをりが公生たちと過ごす中で時折見せる涙…その理由を周囲の人間は知らない…けれど「もうすぐ4ぬから…」と意識すると、切ない感情が湧き出てきます

私は今まで色々なアニメを見てきたが、ラストシーンでこれほど喪失感に襲われた作品を見たことがない

そして花江夏樹…鬼滅の前にもこんな大作に関わっていたんだね…🫢

投稿 : 2024/02/02
閲覧 : 66
サンキュー:

7

ネタバレ

challia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

感動するけど女性漫画で良くあるある

母親が亡くなったショックで自分が奏でる音が聞こえなくなった天才ピアノ少年が、ある少女と出会った事で自分を取り戻していくストーリー。そこはいい話だと思うけど、死を迎える病人を出して、感動を強調させる話は、私は好みでは無いです(好きなストーリーではない)。ただ、演奏の映像は美しいものがあります。ここまで良く緻密に絵にしたなぁと感激しました

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 40
サンキュー:

2

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

Stay hungry. Stay foolish.

「強いなぁ・・・」。
観おわって、最初にこぼれた言葉です。

この作品には "太い芯" がある。
しみじみ、そう感じました。


~ ~ ~ ~ ~


公生!?
パッションが、きみには残ってる??
セッションは、鍵盤を輝かせるよ!!

持ちうる限りのテクニックをぶつけあう面白さ。
出しうる限りにハーモニーを響かせあう爽快さ。

アグレッシブな弾奏が、冷えた鼓動をスリリングに揺さぶる。
瞳を見交わせば、待ちに待った恋しさにテンションが昂ぶる。

嘘をついてはもう生きてはいけないよ。
夢の続きを望まないではいられないよ。

嘘にも勝るとも劣らない真実が、オンリーワンのデュオになれる。
嘘にも勝れる心を礎として、かけがえのない未来に探しにいこう。

ピアニカのたどたどしい演奏を、正夢にするのはきみのピアニズム。
たどたどしい足取りになっても、逆夢にしたくて私は心に弓を引く。

たとえ散り落ちる華であっても、ピアノの傍らで咲き続けたい。
扉をこじ開けていくきみのステージに花を添えたい私なの。


~ ~ ~ ~ ~


君の音は、寝ても覚めても光にあふれていた。
僕の足元を、糸を引くように照らしてくれた。

ここまで来られたのは、君のパッションのおかげ。
今から始められるのも、君とのセッションが全て。

背中を向けたままでは生きてはいけないね。
次のステージに立たないではいられないね。

君になら、未来をかけられる。
君となら、明日が信じられる。

君の傍らでなら、僕は勇気を出して鍵盤を撫でられる。


渇していたのは、君との "エール" 。
そう。あれはきっと、April fooling around.

唐突に吹いてきた陽春に、思わず言葉を失ったんだ。
春風にじゃれあう花のかおりに、虚を突かれてしまったんだ。


~ ~ ~ ~ ~


偶然を装ってサクラの公園で待ち伏せていた。
お山のてっぺんにつま立って、きみへのフラグを立てていた。

ピアニカに息を吹き込んだのは、エイプリルフールの大嘘。

私は、私を化かしたかった。
誰かに「それは嘘だよ」と言ってほしかった。

でも、逃れられない必然だったんだよ。
だから、散り往く桜にも、残されたチャンスを願った。

華をまとった私を見留めて、受け止めてほしかった。

April Fool's Day(ありえないバカげたウソ)なんかじゃなくて、April Fib's Day(なんでもないたわいのないウソ)が始まるはずだったんだよ。


~ ~ ~ ~ ~


折れたフラグをもう一度立ててみる。
舞い降りた音を、奇跡と耳に留めながら。

一人のありったけを、二人のありったけにしてきた人生。

四月が巡りくれば、僕はまた、君の嘘に引っかかりたいと思う。

その日だけは、もう僕は泣かないと、何度でも君に嘘をつこう。


(タイトルは、スティーブ・ジョブズ「貪欲であれ。馬鹿であれ。」)

投稿 : 2024/01/11
閲覧 : 333
サンキュー:

26

ネタバレ

おおかみ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:----

ちょっとハードルあげて観てしまった

評判良かったので観てみました。
内容は序盤で想像のつく流れと終わり方でした。
つまらないとは決して思わないけどアニメ見始めくらいの子にくらいしかお薦めはしないかも。
良かったのはキャラ絵と音楽かな。
最後お亡くなりになってなかったら裏の裏の裏って感じでもう少し評価高かったかも。

投稿 : 2023/09/20
閲覧 : 177
サンキュー:

2

ネタバレ

りょん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

期待して視聴したせいか、思っているより普通だなと感じてしまった。
ツッコミどころがとても多く、内容としても俯瞰で見てしまったため、残念だった。

投稿 : 2023/09/12
閲覧 : 89
サンキュー:

1

ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

だめじゃないカンタービレ

中学生ピアノスポ根+青春+恋愛+成長もの そして…。
てんこ盛り欲張りセットものです。

主人公コウセイくんは母親のスパルタ教育を受けた天才ピアノ少年でしたが、母親との死別と挫折を経験してコンクールでピアノを弾けない状態になっていました。
そんな時にこれまた天才バイオリン少女カオリと出会い、またコンクールを目指すお話です。
幼馴染との友情、恋愛、ライバルとの熱い戦いが描かれていく濃いめの全22話です。
そして最後まで観ると…



良作です。
女子小学生向けみたいな演出で序盤ちょっと身構えますが、22話も結構アッと言う間に完走できます。
音楽モノに間違いなし。

ただ惜しい!惜しいのだ。
明らかに盛り過ぎなのだ。
そして細部の作り込みをもうちょっと…

実在のピアニスト、デイビッド・ヘルフゴットの壮絶な半生を描いた「シャイン」と言う映画があります。
コウセイと同様に父親に厳しくしごかれた主人公は精神の均衡を崩していきます。
が、ここに大きな違いがあります。
本作開始時点のコウセイ君は、ピアノが弾けないだけで、それ以外の事は普通にできるんです。
「シャイン」ほか、同種の物語は、これしかできない⇒だからこれをやるしかない。 と言うプロットが成立する訳です。
言ってしまえばコウセイ君が幸せになるには、ピアノをやめれば良いだけなんですね。
つまり、この物語をリアルにするには、コウセイくんの精神の均衡をもっと崩す必要があったと思います。

まぁ最後まで観れば {netabare} コウセイに感化された周囲の人間がコウセイを復帰の道に引きずり込んだ {/netabare}事の説明はありますし、
そもそも{netabare}カオリ視点の物語 {/netabare}である事もわかります。

ここでもう一つ、
{netabare}カオリの病名くらいちゃんと設定しましょうよ。 {/netabare}
そういう所大事。リアルは細部に宿る。
あと、{netabare}最後に手紙で独白形式ですが、ここはもっと中盤からカオリ目線で盛り上げても良かったかな。と個人の好みとしては思います。そもそも「嘘」をこしらえるカオリの機微も {/netabare}説明不足でしょう。

幼馴染の恋愛模様も、並のアニメならメインディッシュになる所、他が濃すぎてそれどころじゃありません。
思い切ってその要素要らなくない?
シンプルにストレートにコウセイとカオリ、2人の思いのやり取りで良かったんでは?

ま、私がこういう細かいツッコミ入れるのは作品を楽しんだ証拠ですので(笑)


しかしこう、全編キラキラ仕立てで心の綺麗な人向けですね。
私みたいなおっさんは「のだめカンタービレ」みたいにリアルな薄汚い連中がキラっと光る瞬間にキュンと来るんですわ。

ま、これはコレで良いかな。最後まで観たら納得。
これを薄汚くしたら更に情報量が増え過ぎちゃいますし。
だいいち薄汚い中学生の物語なんて嫌でしょ(笑)。

うんコレはコレで良い。良作でした。
お勧め~

投稿 : 2023/09/03
閲覧 : 128
サンキュー:

11

alphonse さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

再度見直した

初見では主人公視点で駄作だと思っていましたが、
再度視聴する機会があり評価が一変しました。
かをり視点で、結末を知っていて見るとセリフのひとつひとつが
意味あるものになり心の葛藤が良く理解できました。

初見では意味不明だった、出会ったときに泣いた理由。
「くじけそうになる私を支えて下さい」というセリフの意味。
その他、かをり視点で見るといい作品ですね。

投稿 : 2023/08/07
閲覧 : 388
サンキュー:

6

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

こりゃ泣くよね・・・。

泣けるアニメとして評価も高く有名な作品ですね。原作未読派の私ですが以前実写版(すずちゃんの映画)を観ちゃってます。でも泣けます。というか、涙腺バカなんで結末を知っているからこそ序盤から泣けますw
正直内容知ってたから観るつもりなかったんですよね~。ただ、ちらっと詳細見て気付きました。22話あるじゃん!って事は実写版でカットされた所あんじゃん!だから観ましたw
観たらびっくり!種田さん、佐倉さん、早見さんじゃありませんか!
そして花江さん、逢坂さん、梶さんじゃありませんか!!さらに水瀬さん、茅野さん、石上さんまで出てるとは・・・。
天真爛漫系メインヒロインが種田さんっていうのはホントうれしいわ~。
あとは思ったよりもコメディタッチがあって観やすかったかな。
作画はとても良いし、音楽アニメだけあって音楽も最高ですね!
各キャラの感情がホントによく伝わってくるアニメだと思います。
実写版を観てなかったらな~。もっと最高だっただろうな~。
このアニメを機に実写版を観た作品等も観てみようかと思いました。
そう思うくらい良かったです!

投稿 : 2023/08/06
閲覧 : 113
サンキュー:

7

赤羽カルマ最強 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

個人的評価 神アニメ

ストーリー 19点 主人公の成長がきちんと描かれており、音楽を通して青春と別れが描かれているのが印象的でジーンとくる。
作画 20点 作画はトップクラス、演出も綺麗
声優 20点 みんな合ってる
設定 20点 公生やかをりだけじゃなく、公生のライバル達や親友キャラも魅力がある。
音楽 20点 美しいクラシック音楽に惹かれる
総得点 99点
暗殺教室の次に好きなアニメで今でもこの作品のファン。言葉に表しきれないほど完璧な仕上がりになっている。

投稿 : 2023/08/05
閲覧 : 117
サンキュー:

5

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

大嫌いな作品なのに、なぜか数回再視聴してコミックスも持ってます。

 正直言って大嫌いな話なのに、なぜか全巻単行本を持ってたりアニメも時々見返したりしてます。

 作品の評価って難しいな、と思うのがこの作品で、結論から逆算したようなストーリ-で感動ポルノじゃんと言う気持ちもあります。それに結論も展開も納得いきません。
 ただ、一方で作品の結末や展開が気に入らないからと言って、低く評価すべきかどうか、が悩みます。

 評価も2.9にしてますけど、感情で言えばこれでも高いくらいだとか思ってます。
 一方で、評価基準を再視聴した回数とか、再び見たくなるかどうかを、私は評価のポイントにしています。とすると、数度再視聴しているし、コミックスも読んでるんですよね。そうなると私の過去の他の作品で考えると4.2~4.5くらいになると思います。

 ただ、読み返すたびに、なんでかをりに嘘をつかせた、とそこが本当に頭に来ます。

 以下、文句です。今更ネタバレでもないでしょうが、念のため閉じておきます。

{netabare} 14歳の子供たちを描くのに、なぜこんな不自然な設定、不自然な行動、不自然な恋愛をさせなければならないか。死を自覚した少女が気持ちを偽って恋愛ごっこをする必要があったか。死ぬつもりは無かったということならそもそも嘘なんてつく必要もないし。

 演奏に惚れて、ずっとその人を想い続けていたからいつか恋心…というのはストーリーとしてはいいでしょう。でも、近づくための嘘があまりにも不自然です。「一緒に演奏してください」じゃだめなの?恋愛絡めないならそのほうがいいじゃない。渡が好きって嘘つく必要は全くありません。まあ、それだと近づけなかったかもという理屈はつけてますけどね。

 しかし、かをりはたった14年?の人生の最後でもっとも悲しい嘘をつかされました。それは「4月は君の嘘」というタイトルに踊らされた、ということでもあります。
 そのせいでしょうか。公生はさらりと椿とくっついて、かをりを偲んでお終いです。かをりの最後の数ヶ月になんか納得いかないんですよね。{/netabare}

 これはもうちょっと客観的な感想ですが、凪を登場させる必要も感じませんし、毒親問題の解決とかをりの問題の両方があるので、話がうるさくなってしまっています。
 それと公生はもっと早く気が付けよ、と。あの図書館から勝手に持って来た…という部分『いちご同盟』を公生が読んでいるって布石だと思うんですけど、だったらここでかをりのことを悟ったと思いますが、恋心も悟るべきでした。

 全体として、キャラ達は、嫌いじゃないです。かをりも椿もキャラとしては非常にいいと思いますし、公生を初め男性キャラたちも悪くないと思います。ただ、やっぱり本作は嫌いです。

 ということで、評価は迷いますが、この作品の評価は高いので一人くらい低くてもいいでしょう。とにかくかをりの扱いは本当に頭に来ます。



 22年3月に書いたレビューが感情的過ぎたので23年7月に書き換えます。それと最近「君は放課後のインソムニア」を見てやっぱりムカついたのと、なぜか最近、盲目のピアニスト辻井伸行さんについてのストーリーがユーチューブのお勧めに多数上がってくるので、本作の事を思いだしました。

投稿 : 2023/07/09
閲覧 : 694
サンキュー:

18

白毛和牛 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

きっちり完結した所は良かった

メチャクチャ感動するかと言われるとそこまでは思わないけど、
でも、かをりの真意が明かされたラストの手紙のシーンは素直に良いと思えたし
この作品はヒロインのかをりのキャラクターが非常に魅力的で、
それとストーリーの方もきっちり完結した所も作品として纏まりが良かったです。

【評価】

70点・3B級

投稿 : 2023/06/26
閲覧 : 161
サンキュー:

3

ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

『愛は地球を救う』的なアレ

名作、と一般的に呼ばれてはいるものの、僕的に
 『いやいや、そんな言うほどいいもんじゃないでしょ』
というアニメが、いくつか存在いたしております。

本作『四月は君の嘘』はその代表格というか、
ぶっちぎりの一位作品でありまして、
見返すたびにアラが見つかってココロがささくれ立つ一本です。

もちろん、同作に熱狂的なファンが多いことは存じ上げておりますし、
その方々の思いを否定するつもりは毛頭ありません。
僕が言うのは「こういう角度からだとこう見える」という話に過ぎず、
どんな角度から見るかなんて、100%、個人の自由です。
そこに正誤だの良し悪しだのは存在しない、と僕は考えております。

  ただ、自分が好きなものを悪く書かれて気分がいい人なんてイナイ、
  というのも真なり、です。

同作に関わる美しい感動・印象を断じて犯されたくない、
そういう思いがある方は、
この先を読まれないことを強くおすすめいたします。

根拠もなくイチャモンを並べ立てる、みたいなことはしていませんが、
かなり『辛辣な表現』になっておりますし、
そのことで誰かの心を傷つけるのは、僕の本意ではありません。

ほんと、あくまでも「僕の角度からだとこう見える」という話でして、
ムリして読む必要なんてありませんから、
不快な思いをしたくない方は、どうぞお引き返しくださいませ。

警告は致しました。では、遠慮なく……


  身体障害者や余命宣告を受けた方々を安易に扱い、
  感動コンテンツとして消費している作品を、
  巷では『感動ポルノ(Inspiration porn)』と呼んだりします。

  もちろん、そういう方々と真摯に向き合い、
  目を逸らしたくなるような現実を繊細に描いていくことによって、
  芸術と呼べる域まで達した作品はたくさんあります。

  そうした作品と『感動ポルノ』の分水嶺は、
    作品を通じて伝えたいこと、訴えたいことの有無や深さ
  だというふうに、僕は考えています。

  残念ながら本作は後者の方かと。
  作品として『伝えたいこと』なんてリッパなものはありません。
  (少なくとも僕には伝わってきません)

  きれいで頑張ってる少女が死んじゃったら『かわいそう』なのはあたりまえ。

  プロフェッショナルのモノづくりとか物語づくりというのは、
  その『かわいそう』という共通認識をフックとして、
  なにを描き、なにを伝えようとするか、
  それらを通じて『なんのためにその作品を創るのか』を突きつめていく、
  そんなところがキモであると僕は愚考するわけです。

  ところが本作は、その『かわいそうさ』をアピールしているだけ。
  それっぽく聞こえるだけの言葉を並べ立て、
  人のカタチまでも不自然に歪め、
  ほらほら、こんな頑張ってるのにかわいそうでしょ、泣けるでしょ、
  そんなふうに物語を飾り立てているだけなんです。

  そこには何のメッセージもありません。

  作画がかなりイイので誤魔化されがちですが、
  そこに気がついちゃうと、少なくとも僕はダメです、ダメでした。
  作家の「カンド-作品として他人から評価されたい」という、
  『エゴ』や『自己実現欲求』ばかりが鼻について、
  とても泣く気にはなれません。

で、総論的に『ダメだダメだ』と言われても、
とてもじゃないけどナットクできる話ではないと思いますので、
ここからは総論や抽象論ではなく具体的に、
  どこがどう、なぜダメなのか
というポイントを列挙してまいりたいと思います。



【1.オマージュにおいて、引用元への理解・リスペクトがナイ】

リアルタイムで本作がはじまったとき、
僕はほんとうに、めちゃくちゃ気に入ってたんです。
友人にも「今期No.1はダントツでこれじゃね?」とか言ってましたしね。

作画はきれいだし、音楽も楽しいし、人物造形もしっかりしている。
ときおり「はあ?」とは思わされるものの、
そんなものを吹っ飛ばすぐらい、作品に『いきおい』がありました。

その評価にはっきりと『?』がついたのが、
第八話、井川絵見が演奏する『木枯らし』でのモノローグです。
{netabare}
  ここで絵美は心の中で『響け』と三回連続で唱えます。
  これはもちろん『君に届け』のオマージュですね。
  黒沼爽子が風早くんに思いを伝えるべく、
  心の中で『届け』と唱えながら駆けていくシーン。

  オリジナルの方は、能登麻美子さんによる歴史的名演です。
    ひとつめの『届け』は、まだ『願望』に近いもの。
    ふたつめの『届け』で、それがはっきりとした『意志』に変わり、
    みっつめの『届け』では、さらに熱い『情熱』へと昇華します。
  わずか17秒、たった九文字しかないこの台詞に、
  爽子という『人間』の軌跡と成長、魅力が全て込められています。

本作での『響け』は、その劣化版。
絵見は最初から自分の感情全開で演奏をしていますから、
言葉の意味も重さも変わりようがありません。

ただ『君に届け』レベルの脚本は年に数本あるかないかですし、
うわっつらを真似ただけになるのは、
まあギリギリ、理解できないこともありません。

問題はそこではなく、
能登さんに基礎声質が似ている早見沙織さんに、
当のご本人、能登さんの面前でこのセリフを言わせたこと。

ギャグとしての扱いやバラエティ企画ならまだわかりますが、
ガチな物語・お芝居の一環としてこの演出というのは、
  『下品を』通り越して『下劣』の一言。
もちろん『結果として、悪気なくこうなった』可能性もあるわけですが、
僕が製作なら、制作の現場に任せず、
事前にお二人の元に出向いて説明とお詫びをします。しなきゃいけません。

  もちろん、早見さんは何も悪くありませんし、
  業界内で人格者と尊敬される能登さんがキレることも考えられません。
  おふたりとも「そんなそんな」と笑ってくれることでしょう。

  ただまあ、やっぱりカチンときたんでしょうね、特に能登さん。
  この後につづく早希(公生の母)のお芝居において、
  早見さんがかすんじゃうほど、
  鬼気迫る、あるいは慈愛に満ちた素晴らしい演技を披露してくれました。
  役者の意地、ここにありです。


で、この一点をもって浮かんできた疑念、つまり

  この作品、オマージュでオリジナルへのリスペクト足りないんじゃね?

というのは、このあとからも出るわ出るわ状態です。
いやなんかもう、
オリジナルをほとんど理解せずに引用したのかな、みたいな感じです。


まず、本作そのものがオマージュじゃないかと言われている、
三田誠広さんの『いちご同盟』からの引用ですが、
少なくとも僕には、何らのリスペクトも感じられません。
単に音楽とビョ-キつながりということで、
カッコよくて意味深なシ-ンを無理やり引っ張ってきただけに思えます。

  そもそも、入院中の女の子に『いちご同盟』を持ってく段階で減点100。

  そして同作は『生と死』に向き合う少年少女の、
  定まらず翻弄される未成熟な心を、精緻な技巧で描いた名作です。
  面白半分に場面や台詞を切り取っていいような、
  作家のエゴや売れ線狙いで書かれた作品じゃないんです。
  (同作では、直美はこの段階ですでに片足を切断していますしね)

  なぜ『面白半分』という強いコトバを使うのかは後述しますが、
  役作りのため同作を読んでいたであろう種田さん(宮園かをり役)、
  すごく演りにくかったことと思います。

あと、後半にやたら出てくる『繋がっている』という言葉は、
村上春樹さんの『ダンス・ダンス・ダンス』のパクリ、
あ、いえ、オマージュですね。

  ただ、本作での用いられ方というのは、
  ライトな読者やエセハルキストが都合よく解釈して流行らせたもので、
  大元の用いられ方ではありません。

  そもそも春樹さんは、
  『人と人との情緒的なつながり』みたくありふれたものを、
  わざわざ『ツナガッテイル』とカナに直して意味深っぽく強調するような
  安い作家さんじゃないんです。
  ラノベならいざ知らず、純文なめんじゃね~ぞおい。

あと、武士の妹ナギが公生にレッスンうける前と、連弾後のセリフ、
  「われはファントム、オペラ座に潜む怪人。」
  「私はクリスティーナ、オペラ座の舞台に憧れる女の子。」
というのは、もちろんミュージカル『オペラ座の怪人』のパクリ、
あ、いえ、オマージュですね。

  これはもう、大本とは遠く離れた、質の低い言葉遊びに過ぎません。

  最初っから姿をみせてちょこんと座ってるファントムなんかいません。
  クリスティーナがドキドキしながらレッスンを受けていたのも、
  ファントム(エリック)の正体を知る前のことですしね。

  原作でのクリスティーナは
   「正体を知る前→憧れ・師事/知った後→嫌悪・同情」であり、
  かたや本作のナギは
   「正体を知る前→嫌悪/知った後→憧れ・師事」ですから、
  まったくベクトルが逆。かすりもしていません。

  ですから、オマージュではなく『比喩表現』としても失格点。
  ただ単に『音楽繋がり・かっこいいから』という理由で、
  原作もろくに知らずひっぱってきただけのことではあるまいかと。

あと『ピーナッツ』からもあっちこっち引っ張ってきてますが、
これは、原作をよくしらない(英語版で何冊か読んだだけ)ので、
コメントのしようがありません。

いずれにしてもオマージュというのは、単なる『引用』ではありません。
その原作品への強いリスペクトがあることが大前提ですし、

  その言葉や表現を使って、なにを伝えるか
  その言葉・表現の上に、自分としてなにを載せるか

というのが大切、というか本質的なところであります。
少なくとも僕の耳には、
本作にそういうものの存在がまるっきり感じられません。

  平たく言うと、本作で使われている全ての引用は、
   原典へのリスペクトも感じられなければ、
   必然性もなく、
   その引用を通じて伝えたいこともない、
  ぶっちゃけ『カッコイイから借りているだけ』にしか聞こえないんです。

こういうのは『オマージュ』とは呼べず、
単なる『借りパク』なんじゃないかと愚考するところであります。
{/netabare}


【2.音楽の扱いがザツ・オンガク論がいいかげん】

これも回が進むにつれて印象が変わっていったポイントであります。

視聴開始当初、僕は本作のことを
  『ちゃんとオンガクと向き合った、ホネのあるアニメ』
だと思っていたのです。

ほんとそう思っていたのですが、回が進むにつれ、
その扱いがザツなところとか、
言ってることがいいかげんなところとか、
そういうのが鼻について、作品自体を楽しめなくなっていきました。
{netabare}

まず、とにもかくにも『演奏中の無駄なモノローグ』が多いんです。
マンガなら『音』がないから言葉で補うのは必然なんですが、
アニメでそれをする必然性はありません。

  先に例示した絵美の『木枯らし(9話)』なんか、
  曲の尺が4分あって、
  モノローグが被さらないのはアタマの27秒とラスト15秒のみ。
  全体の80%以上は『曲がきちんと聴けない』んです。

  19話、武士の弾いた『革命のエチュード』なんか、
  3分40秒の尺で、モノローグがないのはアタマの7秒のみ。
  わざわざ子供時代の回想まで引っ張ってきて、演奏をツブしています。

さらに呆れるのは10話で、
前回(9話)で演奏が『完全に』終わっている『木枯らし』を、
もう一回、ほとんどフル尺でやっているんです。

さすがに同じ音源を二回使うのは良心が痛んだのか、
わざわざ生バンドつけたアレンジ音源をつくってゴマかしてますが、
そこには何のメッセージも必然性もありません。

  『熱い、情熱的な演奏』ということを表現したいのなら
  もとの音源で充分できています。
  『クラシックはもっと自由なもの』ということを表現したいのなら
  それを『ピアノのコンクール』の音源でやるのはおカド違い。

そんなことをするぐらいなら、
演奏中のモノローグをぜんぶ演奏前の会話劇にして9話の尺を埋め、
演奏シーンを10話一本にまとめればよかったんです。
同じような意味のないアレンジは、
13話のラフマニノフでもやってましたが、ほんと意味がありません。

つまるところ『コトバで語ること』と『オンガクで語ること』が、
ごちゃごちゃになっているんですよね。
というか『オンガクで語りたいこと』があるのかどうかも眉唾です。

キャラに「音楽は言葉を超える」なんて聞いたふうなセリフ言わせながら、
その音楽にばんばんセリフかぶせて、
言ってることとやってることが違うじゃんか、というハナシです。

  ちなみに『響け! ユ-フォニアム』みたいに、
  ちゃんとオンガクと向き合っている作品は、
  演奏中に必要のないモノローグをいれることは、ほぼありません。

  モノローグが比較的多い『のだめ』だって、
  その音楽を理解・楽しむための補助的なものがほとんどです。
  萌え系の『ぼざろ』や『けいおん!』だって同じこと。
  イミのない言葉をできるだけ排除して、
  聴かせるべきところをきっちり聴かせることに心を砕いています。

  音楽で語るべきことは、音楽で語る。
  そんなアタリマエができてないのは本作だけなんじゃないかしら。

  演奏者に『届け、届け』なんて言わせながら、
  その音楽を『きちんと視聴者の耳に届けるつもり』がないという、
  国会のダブスタ発言みたいな演出になっちゃっています。


なお、幼き日の公生が楽譜に忠実に弾くことで優勝することを、
他の子どもたちが『ヒューマンメトロノーム』『譜面のしもべ』と揶揄してる、
なんてくだりもありましたが、これはもう『ふざけんなよ』です。

音楽のコンクールは、ほとんど年代別に分かれるんですが、
公生が出ていたのはおそらく小学生高学年の部。
この年代に『楽譜を自分なりに解釈』なんてスキルは求められていません。

  そもそも『譜面どおり弾く』というコトバの用い方・重みが違うんです。
  国立音大だってソルフェージュの授業があるんですよ?
  楽譜を読み解くというのは、その曲の本質に迫っていくことなんです。

  ロックバントがスコアをちょいちょいと見て、
  じゃあ後はフィ-リングで、
  なんていうのとは、そもそも楽譜が占めるポジションが違うんです。

コンクールって、大会によってレベル差があるんですが、
トップレベルのコンクールに出場する子どもたちやその指導者たちは、
その重みをイヤというほど理解しています。
わずか数曲を、毎日数時間、
何か月もかけて『楽譜どおり』弾けるよう仕上げていくんです。

もちろん、一曲の完成に固執することによって『独創性』や、
さまざまな曲を自分なりに楽しむ心が失われることを危惧する方もいます。
ソルフェージュ能力の発達に支障がでるとの声もあります。
ピアノ教師によっては、
子どものうちはコンクールに出すべきじゃない、という方もいるほどです。

そして、公生が出場するのはトップレベルのコンクール。
そういう場所で有馬公生というのは、
出場している方々が目指すところの『完成形』なんですね。
それを「楽譜どおりでつまんね~」とか言うのは、
ろくに楽譜も読めない、なんちゃってピアニストぐらいのものなんです。

  ちなみに、本作のなかでは公生の演奏を、
  「デジタル時計のようにコンマ一の誤差もなく、余韻もない」と評していますが、
  そもそも、そんなものは『楽譜どおり弾いた』演奏ではありません。

  それが正解なら、演奏家なんていりませんしね。打ち込みで充分です。

  作品内で絵美に「つまんね~演奏」とも言わせてましたが、
  それはつまり、ショパンだのモーツァルトだのは、
   『指示どおり弾いたらつまんね~演奏にしかならない楽譜』
  ばっか残していると言ってるのと同じです。
  これはもう、わかってるわかってない以前のハナシではあるまいかと。

原作者の新川直司さんは、クラシックの経験はまるっきりなく、
高校時代はヘヴィメタばっか聞いていたんだそうです。
だからこそ、こういうめちゃくちゃなお話を書けるんだろうな、と。

このヒトって『さよなら私のクラマー』でも、
まるっきりサッカーというスポーツを理解していない、
素人のたわごとレベルの話を書いていましたよね。

  知らないなら、調べろよ。
  調べもしないで、
  わかったふうなこと書くなよ。

  本気でそれに打ち込んでいる人たちに失礼きわまりないだろうが。
{/netabare}


【3.病気と真剣に向き合っていない、デッチあげている】

宮園かをりの病気はいったいなんだったんだ、
なんていう議論じみたものがネット上に出回っています。
  ・白血病
  ・脳腫瘍
  ・パーキンソン病
  ・ALS
  ・SCD(脊髄小脳変性症)
  ・筋ジストロフィー
なんていろいろと候補が上がっていますが、
どれも「この症状はあてはまるけど、この症状や治療はあてはまらない」
ということで、結論は『わかんない』になっています。
{netabare}
そりゃあそうだろうな、と僕は思います。だって、
  何かの病気を想定し、取材に基いて書いたものじゃない
というのがまるわかりなんですもの。

そういうのは、業界ではよくあるハナシなんです。

  有名どころはやっぱり庵野秀明監督の『エヴァンゲリオン』ですね。
    こんなアニメ、どうせ誰も真剣に見ねえや
  いうことで、なんも考えず『伏線っぽいイミシンな』ものをまき散らし、
  なにも回収せず(できるわけもなく)話を畳んじゃいました。

  で、後から人気に火がつき、謎本まで出版される大騒ぎに。

  あちこちから『謎の真相』を聞かれるんだけど、
  庵野さん、ほんとに、まったく、これっぽっちも、考えてなかったんです。
  「アンノのやつ、マジで頭抱えててさ。ま、自業自得だけど」
  というのは、庵野さんのご友人である某漫画家さんから直接聞いた話。
  まあ、結果がアレなので、禍転じてほにゃららら、なんですが。

そこから業界が得た教訓というのも、
『これからは設定をちゃんとしよう』というリッパなものではなく、
ぶっちゃけた話をすると
  イザとなったら気合と口先でなんとかなるんだなあ、
みたいなアレであり、似たようなものがいまでも量産されております。

宮園かをりの病気もその一つ、ですね。

早い話「徐々に身体が弱って死に至る、手術困難な病気」であれば、
なんだってよかったんです。
だから、それっぽい症状なり病気を『デッチあげた』。

ネット上では病名を公開しないことを
 『同じ病気を持つ人の希望を奪ってしまわないように』
なんて好意的に解釈してる方が多いですが、そんなわけあるかい。

  かりに具体的な病名のウラ設定があったにしても、
  原作者にしてみれば、
  かをりが『きれいに死んでくれれば』それでよかったわけで、
  正確な医学的考証なんか、ハナからやってません。

  ですから、もしも具体的な病名をあげてしまえば、
   「こんな症状が出る(出ない)のはおかしい」
   「こういう治療をしないのはおかしい」
   「このタイミングでこんな手術なんかできっこない」
  などと、
  同じ病気に苦しむ方々からクレームの嵐になるのが目に見えてます。

  ですから、病名なんか公開できるわけがありません。
  ごまかしごまかしでつなぐ以外に手はなく、
  そんなわけで『誰が見ても病名が特定できない映像』になっているわけです。

ふたつ前の章の話に戻りますが、
僕が『いちご同盟』の引用を『面白半分』と称したのは
こういう理由です。

三田誠広さんがあの作品を書きあげるために、
  どれほどの取材をし、
  どれほどの見たくないものと向き合い、
  自我の根底を揺さぶられるような思いをしたことか。

そういう取材・努力・考証を一切せず、
とりあえずきれいに死んでくれればいいやあ、でヒロインを殺すマンガ家に、
あの作品を寸借する資格なんてない、と僕は思うのですが。
{/netabare}


【4.言語表現がチンプ、言ってることが支離滅裂】

これは原作者さんのクセだと思うんですが、
ものごとを『詩人』っぽく表現しようとして、
言葉選びでコケてるところがけっこう多いんですよね。
{netabare}
  「そのホイッスルは澄み切った空に乱反射した」
  「壊れたシ-ソ-みたいにぎっこんばったん心臓が波打ってる」
  なんて、意味わかんないですしね。

  前者は『乱反射』というコトバの明らかな誤用。
  比喩表現だとしても、情景がまるっきりイメ-ジできません。
  後者は、ふつうに不整脈。医者行けよ医者。
{/netabare}
まあ、そういうのはただ『こっぱずかしい』だけなんですが、
それだけじゃなく、
根っこの部分で『?』となる表現も散見されます。
{netabare}
作品全体を通じて、しょっちゅうつまづいちゃうのは、
『ジブンたちは演奏家(音楽家/ピアニスト)なんだ』
という系統の表現ですね。

  イシキタカイ系はけっこうなんですが、
  実態は、まだ『先生について演奏を習っている』中学生です。
  演奏家を名乗るにはほど遠く、
  それを目指してがんばっている若者、という位置づけかと。

  先のない宮園かをりが『生き急ぐ』のは仕方ないにしても、
  一円も稼いだことがないスネかじり、
  いくつかのコンクールで賞を取っただけの『生徒さん』が、
  職業的演奏家の『生き方』を語っちゃうってどうなんでしょうか。

さらに、その前提となる演奏家論として、宮園かをりに五話で、
  楽譜を投げ捨てた演奏家なんていっぱいいるよ。
  それでも、また拾い上げて楽譜にむかう。
  そうやって、最も美しい『嘘』が生まれる。
なんて、とんでもないセリフを言わせちゃっていますしね。

これ、言葉としてはウツクシイけれど、内容的には大問題です。
だって、その前後の公生とのやりとりも加味すると、

  演奏家は、ほんとうは楽譜通りになんか演奏したくない。
  だけど聴衆の喝采がきもちいいからやめられない。
  で、しぶしぶやって素晴らしい演奏(美しいウソ)が生まれる。

ということを言っちゃってるわけですから。

そういう、箸にも棒にもかからない職業観をベースに、
音楽家(演奏家)とはなんぞや、ということをイシキ高く語られても、
え……まあ……そうですね、としか言いようがありません。


で、物語が進むにつれて、支離滅裂な言い草が増えてきます。
あまりにも多すぎて全部紹介できないのですが、
代表的なところを挙げるとですね、

13話 紘子(公生母の友人、ピアノニスト、公生の現先生)のセリフ
   「最愛の母の死が彼に何かをもたらしたのだとしたら、
    それは鬼のとおる道だ」
21話 かをりの病状にショックをうける公生のモノローグ
   「音楽は、大切な人を連れ去っていく……」

  まず紘子さんのセリフですが、言ってる意味がわかりません。
  愛する人の死を乗り越えて開花した音楽家なんて、なんぼでもいます。
  音楽的な精進のために、自らの手でその人を殺したのなら、
   『鬼のとおる道』と表現してもいいでしょうが、
  公生はふつうに母親の病死をのりこえてるだけ。鬼、関係ありません。

  次に挙げた公生のモノローグは、もう完全に『いいがかり』です。
  かをりが病気になったのって、音楽、なんにも関係ありません。
  なんの脈絡もなく、
  こういう理解の仕方をさせたら音楽家としてのピンチ感が増す、
  そんな理由で言わせているだけのことではあるまいかと。

母親と好きな女の子がどちらも病死するって、もちろん可哀そうなことです。

だけど、その『可哀そうさ』をアピールするため、
関係ないコトバや解釈をこじつけてドラマ感をあおろうっていうのは、
僕には『とても醜いこと』に感じられます。
ヒトの『死』というのは、
そういうヨコシマな言葉で飾り立てていいものじゃない、と思うんですよね。
{/netabare}


【5.人のカタチがご都合主義で崩壊していく】

ここまでごちゃごちゃ書いてきましたが、
それでも『人のカタチがちゃんとした、ドラマとして成立している』作品なら、
僕は物語の評価に『2』なんてつけません。

ですが、その『人のカタチ』が、回を追ってぐちゃぐちゃになっていくんですよね。
これは言いたいことが山ほどあるんですが、
長くなるので(ここまででも充分長いですし)
物語の最終盤、21話と22話にしぼって言及させていただきます。
{netabare}
おさらいしておきますと、この終盤の前フリとして、

 前話で宮園かをりの発作を目撃し、公生、いじけてふぬける。
 →手紙をうけとり、カヌレもってお見舞いへ。
 →かをりからコンクールと同じ日に手術を受けることを知らされる。
  「君のせい、ぜんぶ君のせい」と指さして言われ、
  わたしたちは命がけであがく演奏家じゃない、と励まされる。
 →それでも「もう一週間もピアノさわってない」とダダをこねる公生。
 →かをり、必死にたちあがり「奇跡なんてすぐ起こっちゃう」とさらに励ます。
 →そのまま倒れ「わたしを一人にしないで」と公生の腕の中で泣くかをり。
 →「僕はバカだ」と、ある程度ナットクする公生。
  (「雪の中の君はウツクシイ」とか、意味ないこと考えてますが)

と、まずまずきれいなやりとりがあったわけです。

ところが、コンクール当日、
公生って、ひざを抱えて引きこもっちゃってるんですよね。
ウツクシイやりとりも、かをりの懸命な励ましも、すべて台無し、ゴミ箱へポイ。
しかも、なんでそうなったのか、一切の描写がありません。
で、コンクールの描写に移るわけですが……

 →絵美や武士に気遣われても、ほぼ無反応の公生。
 →舞台に上がっても、顔を覆ってうずくまる。
 →椿のくしゃみを契機に、なぜか、いきなり覚醒する公生。
 →ぐちゃぐちゃといろんなこと考えながら演奏開始。
 →かをりのタマシイ登場。手術失敗を確信。
 →最後の共演(超ウルトラス-パ-過剰演出)を経て、演奏終了。
 →雪の中、お墓の前でかをりの両親から手紙をわたされる。
  (火葬後、ソッコ-納骨? 四十九日までは家に置いてあげなさいよ)
 →なぜか、桜が咲くまでボッケにいれたまま手紙を放置。
 →ぶらぶら歩きながら読んで、びっくり。で、ふわっとした大団円。

これはもう、ツッコミどころ満載。てか、筋の通ってるところがありません。

つまるところ、演奏前に公生が引きこもっていたのって、
この『覚醒』をカンド-的に見せるためであって、
おハナシの前後のつながりも人のカタチもまるで関係ないんですよね。

しかも、その公生の覚醒・フッカツっていうのは、

  みんなが支えてくれたからいまのジブンがあるんだ

という『魔法少女アニメのど定番』みたいな気づきでしかないわけです。

その気づきも、それまで親身に心配してくれた紘子さんや、
舞台袖で気遣ってくれていた絵美、武士をガン無視しておいて、
  ピアノ弾いてたらなんか急にヒラメキました、
  やっぱピアニストってすごいっスね。
という、ご都合主義を通り越した、シュールな展開によるものなわけでして。

桜が咲くまで手紙を放置プレイするのも意味不明。

ふつうは『すぐに読む』か『哀しくて読めず封印する』の二択ですよね。
これ、物語のはじめと終わりを四月でキレイにまとめたかった、
という作者のご都合に合わせている以外、理由がまるで考えられません。

かをりをソッコ-納骨したのも、そのカンケイかと。

  二月十八日(手術日)を命日とすると、
  四月八日の四十九日法要時に納骨するのが一般的。
  ふつう、親族以外は法事に出ないから、公生の墓参りはその後になります。
  そうなると、中学は卒業するし、ヘタすると桜、散っちゃいますし。
  (ラストシーン、中学の制服のままです)

  だったらお通夜の席で手紙渡しなさいよ、というハナシなんですが、
  そこは絵的な原作者のこだわりがあったと思われ。
  (あるいは納骨をいつやるのか知らず、調べもしなかった、とかね)

  おかげでかをりのお骨は、
  生まれ育った愛着ある実家に、まったく置いてもらえませんでした。 
  (僕的には、手紙なんかよりそっちの方が可哀そうです)


で、その『かをりの手紙』なんですが、こちらもモンダイだらけです。

まず、かをりは『君のせい』で手術を受ける気になった、
ということを、公生にはっきりと言っちゃっているわけです。
で、その手術が失敗して死んじゃった、と。

  これ、あなたが公生だったら、セキニン感じませんか?

どうせ助からない病気であったとしても、
手術をしなければ、一分でも一秒でも長くご両親と一緒にいられたわけです。
そんなもん知るかい、なんてフツ-は思わないですよね。

  ところが、手紙にはその件に関するフォロー、なんにもなし。
  公生くんも、責任感じてたり自分責めてたりするフシ、なんにもなし。
  それって人としてどうなのよ、と思うのは拙だけなんでしょうか。

で、この手紙が公生に最後に会った直後に書かれたものであること、
雪の屋上で公生を励ましつつ「一人にしないで」と泣いた、
感動シーンに続けて書かれたものであることが、さらに問題を深くしています。

  もう助かりません、あなたもうすぐ死にます、
  医者にそう言われて書くのなら、
  こういう『雲の上から』みたいな文面になっちゃうのはわかります。

  でも、かをりは『生きるために』手術を受けたんですよ?

  あがくと決めた、少ない可能性に賭けて手術を決めた。
  でも失敗するかも知れない、こわくてたまらない、でも、生きたい。
  生きてもう一度、公生と共演したい。奇跡を起こしたい。だけどやっぱりこわい。
  そういう思いがぐちゃぐちゃになって泣いたんです。
  そんな気持ちのときに、こんな雲の上からみたいな手紙、書けると思いますか?

    君がこの手紙を読んでるということは、手術は失敗しちゃったんだね。
    残念。でも、後悔は一つもありません。
    私は、最後まであきらめず頑張った私をほめてあげたいと思います。

  そういう書き出しで、自分を鼓舞しながら、
  万が一ダメだったときのために、
  そうなったら伝えられなくなる想いを書き記すのが自然じゃないのかな、と。

  ところが、かをりの手紙はぜんぜん違います。
  これじゃまるで、余命宣告を受けた人の『遺書』そのまんま、
  すでに天に召された気になっている、生きボトケのお手紙じゃないですか。

実は最初、種田さん(かをり役)がこの文面を語る芝居を聴いたとき、
ものすごい違和感があったんです。
彼女ほど実力のある方が、なんでこんなに中途半端なお芝居するんだろうって。

だけど、よくよく考えてみるとナットク。

手紙を書いている時の心情をトレースしたら、とても演れません。
そこにフォーカスすればするほど、
綴られたコトバと感情が乖離していってしまうんです。

ですから、いつ、どんな思いで書かれた手紙であるかはガン無視して、
(ほんとはそれが一番ダイジなんですが)
とにかくけなげに、おナミダ頂戴で演るしかなかったんだな、と。

でまあ、凛として演るのもしおしお演るのも違うと思い、
とりあえず無理やり気持ちを作って、
キャラを意識してちょい明るめに、だけど生命感を漂わせないよう、淡々と演った。

  ところが、巷ではこれが『名演』っぽく語られ、
  イベントで同じところ再朗読させられたりするハメに。
  ほんと、役者さんって大変だなあと思います。
{/netabare}


というわけで、僕的なおすすめ度はCランクです。
映像がかなりきれいなので総合満足度が3.4になっておりますが、
心証的には2点台がいいところの作品かな、と。

内容的には、ど直球の感動ポルノ。
  病気にも、
  音楽にも、
  人の死にもカタチにも、
ろくに向き合わず売れ線だけを追求した会心の一本です。

おそらくは、原作の抱えた問題をそのままアニメに完コピ(原作未読)。
監督のイシグロキョウヘイさんは、
内容のなさを映像でカバ-しようとしすぎかと。

  これが初監督作品でいろいろ気を使ったのはわかりますが、
  原作者の新川直司さんだって、
  初のアニメ化作品だったわけですしね。

  講談社の版権担当は最初とっつきにくいけど、
  強気にいったらけっこう話聞いて親身になってくれるし、
  (昔は、ですね。いまもそうなのかな?)
  ちょっとこれおかしいんじゃね、と感じるところは
  もっとゴリゴリいくべきだったと思います。後の祭りですが。


ただまあ、板もマンガもけっこう売れたようで、
ビジネス的には成功作品です。
カネ目当てで作った感動ポルノでお金がたくさん入ってきたんだから、
そこは「よくできました」と誉めてあげるところかと。
流れで『いちご同盟』がそこそこ売れたのも、よき。

現実論として、こういう作品の需要があることは誰にも否定できません。

ぶっちゃけたハナシ『いちご同盟』みたいな
  悲しい・可哀そうという表層を超えて突きつけられるなにか
が含まれているコムズカシイ作品よりも、
  うんうん、好きな人が死んじゃったらつらいよねえ。
  うんうん、支えてくれる友だちや仲間はダイジだよねえ。
  うんうん、打ち込めるものがあるっていいよねえ。
みたくアタリマエのことを目先を変えた言葉で語った作品の方が、
市場に受け入れられやすいのは『事実』です。

マ-ケットにおいて『感動』は『消費するモノ』なんです。

消費財としての『感動ポルノ』のどこがワルいんだ、と問われれば、
実際のところ、どっこも悪くなんかありません。
それは『良し悪し』の話ではなく『好き嫌い』の話でしかないんですよね。


  僕は、あくまでも個人的にですが、
  アニメが『消費財』ではなく『文化』であることを願っています。
  ですから、音楽や人の生死にかかわる作品は、
  きちんとそれらに向き合い、
  物語に芯なり骨格をちゃんと通して届けて欲しいと思うんです。

  ただ、そういうのは現場を離れたから言えることであり、
  それができるんならトックにやってんだよ、
  というのは、現場を預かる方の多くが声を大にして言いたいセリフだろうなと。

    そんなもんは、チンプな理想論に過ぎね~よ。
    こっちゃビジネス、食い扶持かせぎでやってんだよ。
    みんなが「いい」と言ってるのに、なにカッコつけてんだテメエ。

  というのは、ある意味『正論』なんです。
  ……いや、そうじゃないな、自分を正統化したがっちゃってるな。
  そういうのは、ほんとうに、イタいほどの『正論』なんです。


つまるところ、世間一般からしたら『たかがアニメ』なんですよね。
ですから、僕が言っていることは、
しょうもない一個人の、しょうもない感傷論みたいなものに過ぎません。

でも……ですね、

  その『たかがアニメ』に全てを賭けている人たち、
  命を削るようにしてモノづくりに打ち込んでいる人たちがいることを、
  ほんの少しでも考えていただけたら、
  そんなふうに考えてアニメを見る方が一人でも増えたら、

     僕としては、とても、とても幸せだなあと思います。

投稿 : 2023/06/06
閲覧 : 442
サンキュー:

28

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

強烈な輝きをずっと忘れない青春ラブコメの名作。

ピアノをやめた天才少年のもとに現れた底抜けに明るくバイオリンを弾く少女に出会い、音楽を通して自分の色を見つける話。
いやー、あまりにも切なくて儚くて強烈で思い出に残るアニメでした。このアニメで出てくる音楽がまずこのキャラクターたちの心情描写を丁寧に力強く表しているのがいいし、何かにかける人々がぶつかって衝突して悩みながらも壁を乗り越えていきその先の景色を追い続ける、その中で人は失うこともあり、なくしたものもありながら変わっていき自分の色を見つける話でした。
とにかく青春アニメとして素晴らしい出来で、このアニメの儚さと明るさ、見ていてとっても楽しくて輝いていました。この物語上での幼馴染・椿と突然現れて強烈に思いを残していくバイオリン奏者のかをりとの対比などもよくできていて、青春の一瞬のきらめきと心の揺れる恋愛模様や感情の揺れ動き、そしてキャラクターたちの想いなどが見ていてとても切なくなり苦しめられる、それでいて楽しいという青春アニメの心地良い感じが出ていてました。また、中学生という、今生きているこの世界が一番大事な彼らにとってこの世界を生き抜くこの一瞬を生きるという輝きも感じました。
アニメとしては作画やキャラクターデザインや世界観に引き込まれるような作画、演出で演奏シーンなども音楽が美しく綺麗で儚く輝いていて絶妙でした。物語の展開が春から夏、秋から冬、そして出会いの季節へと移り変わっていき、その中でキャラクターたちが互いに考えながら状況も変わり色々なことを思い合っていくこの空気感が最高にたまらなかったです。
そして種田梨沙さんの儚くて強烈な明るさを持った切ない声の演技。非常に感動しました。とても面白い作品で、この22話を見て青春アニメの良さを感じてほしいアニメでした。

投稿 : 2023/05/26
閲覧 : 109
サンキュー:

10

ネタバレ

shitasama さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これは…

何回見てもこれはいい!
この感想届くかな…届くといいな…
ってネタバレになるのかな?

これは何周かすると感想が変わる
1周目はこの終わり方は…
2周目はこの終わり方だから…
3周目は只々…
という感じですかね

たまに感動物が見たくなると観ます!

と久しぶりに見た

見ている最中に娘が部屋に入ってきたので
これ知ってる?って聞いたら四月は君の嘘でしよ?
これって最後が嫌いだと言った…確かに…
と思ってしまったが、どこら辺が?
と聞いたら、残されたほうがたまらないでしょ?
と言われた😅

投稿 : 2023/05/16
閲覧 : 389
サンキュー:

22

ネタバレ

ぽにぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジャパニメーションの一つの到達点

放送当時に見ていたのですが今回見直した&記録に残していなかったので起こします。

【総評】
三田誠広の小説 いちご同盟をオマージュした漫画原作のアニメ作品。
主人公で天才ピアニストの公生がヴァイオリニストの宮園かをりと出会い、ピアニストとして再生し成長していく姿を描く。
演者の演技、演出、音楽、作画、特に水彩画調の美術の扱いと、
どこを取ってもレベルが高く、ジャパニメーションの一つの到達点だと思う。

※微ネタバレ
{netabare}タイトルの「四月は君の噓」の「四月」はシェイクスピアの「O, how this spring of love resembleth. The uncertain glory of an April day!(恋の始まりは晴れたり曇ったりの四月のようだ)」から取っていると考察している。四月(=恋の始まり)は君(=かをり)の嘘 となっていい感じ。{/netabare}

以下、各評価基準ごとの詳細
◎物語の評価◎
良い。
オマージュ元の作品の性質上、好みは分かれるかもしれないが
構成も非常にうまく、伏線の張り方が素晴らしい。

◎作画の評価◎
非常に良い。
全体を通して良いが、随所で見られる漫画的表現と水彩画調の淡い色遣いが特に素晴らしい。
演奏シーンにロトスコープ技法を用いていないというのも驚きポイント

◎声優の評価◎
良い。
全体的に素晴らしいが、特に種田梨沙さんの演技は圧巻。

◎音楽の評価◎
良い。
OPやED、劇中で演奏されるショパンやラヴェルはもちろん、劇中のBGMも素晴らしい。

◎キャラの評価◎
良い。
こういう振り回してくれる系のヒロイン、絶対オタクは好き。

各星の数は3つを基準に下記で採点。
★☆☆☆☆:好ましくない
★★☆☆☆:やや好ましくない
★★★☆☆:可もなく不可もなく
★★★★☆:良い
★★★★★:群を抜いて良い

投稿 : 2023/05/05
閲覧 : 81
サンキュー:

7

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

聖女のように

A-1 Pictures制作。

青春を謳歌する中学生の悲喜交々、
真摯に「生」と向き合い、
過去を乗り越えようとする少年と、
聖女のように「献身」に身を捧げた少女の、
これは美しくも儚い物語なのです。

母親から勝つためだけの演奏を叩き込まれ、
ヒューマンメトロノームと揶揄される少年。
母親の死をきっかけにピアノが弾けなくなる。
やがて1人の少女との出逢いがあり、
モノクロームな日常が、カラフルに色づき始める。

{netabare}死を悟った時、残りの人生をどう生きるのか、
この物語が問いかけるものはそういうものだ。
少女は幼かった自分に大切なものをくれた、
大好きな少年に、最後の生を捧げたのだ。{/netabare}

音楽は本来、楽しいものである。
五線譜の檻に閉じ込められた少年への、
少女からの大切で温かいメッセージです。

最も胸を打つ最高のシーンがあります。
{netabare}延命手術を決意した彼女へ贈るショパンのバラード。
その最後の演奏中に少年は、
舞台に現れた彼女を見て顔をゆがめる。
驚きではなく、安らぎでもなく…、
この世にもう彼女はいないと知ったのです。{/netabare}

色彩が命を吹き込み、音楽は魔法になる。
{netabare}春の訪れとともに、彼女の生を想う、
美しく咲き誇った彼女をまた好きになる。
彼女のついた微笑ましい嘘に涙を堪える。
これからもきっと。{/netabare}

素晴らしい作品に感謝したいです。

投稿 : 2023/04/24
閲覧 : 1160
サンキュー:

134

ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ひたすらきれいで、せつない

中学三年生の、
過去のトラウマによりピアノが弾けなくなった天才ピアニストの少年と、自由奔放な演奏で聴衆を魅了する天真爛漫なヴァイオリニストの少女。

二人が四月に出逢うところから物語は始まります。

本放送時、1話目観て「やたらキラッキラッしてるなぁ・・・パスかな?」と録りだめだけして、放置。
翌正月に暇でまとめ見してはまりました。
それから、最終回まで毎週が待ち遠しく。
テレビ番組でこんな気持ちになったのはいつ以来でしょうか。
自分の中ではBest of Bestの作品です。

以下、評価、感想です。

物語は勿論のこと、映像、音楽、演出、声優さんの演技全てが素晴らしい。

絵柄は背景含め丁寧できれいでカラフル。
目のチカチカするようなものではなく、優しくそれでいて鮮やかな色彩。
背景は一つ一つ切り出しても十分美麗なのですが、さらに登場人物のその時々の気持ちを真摯に映し出しています。

キャラクターの表情もワンシーン毎に丁寧に描かれており、声優さんの演技も相まって、1つ1つの動作や台詞が生き生きと伝わってきます。

原作漫画の構成・演出がもともと秀逸なところに、アニメでは漫画にはない「色」や「音」「精細な背景」を乗せ、さらに細かい工夫を重ねた演出で作品の魅力を最大限にまで引き上げている印象。

声優さんの演技では主人公「公生」とヒロイン「かをり」役の花江夏樹さんと種田梨沙さんが特に好きでした。

花江さんは公生のデリケートに揺れ動く心情をごく自然に表現されてます。
モノローグが多くそれがポエムっぽいので最初は面食らいましたが、花江さんの演技ですぐに馴染んでしまいました。

かをりは明るく天真爛漫ながら実は心のうちに葛藤を抱えているという複雑なキャラクター。
(最終話まで観てから二周目観るととそのことがよくわかります)
種田さんはその複雑な役回りを本当に上手く演じてらしたと思います。

音楽は演奏シーンの音と描写、ともに凄かったですね。
私は素人なのですが、音楽やってる人からの評判も素晴らしく高いようです。
重要な演奏シーンではとてつもない手間をかけてるそうで。
作画は単なるCGだけではなく、モデルアーティストの演奏を10台くらいのカメラで囲んで撮影した画像を見てアニメーターが手で起こしたのだそう。
特にヴァイオリンの演奏シーンは本当に圧倒されてしまいます。

ストーリーはジャンル分けするなら「音楽もの」「ボーイミーツガール」「恋愛」「少年の成長」といったところでしょうが、個人的にはそうした範疇には収めたくないなぁとか思ったり。

ストーリー展開が読めてしまい萎えた、という声もちらほらあるようですが、わかっていても釘付けになってしまうような迫力と物語としての完成度の高さがあります。


二つのプロット

{netabare} 「挫折した天才が、ヒロインに励まされ鼓舞されながら周囲との関係性に気がつき、自分の演奏を取り戻し、さらには成長していく」{/netabare}

{netabare} 「自分の死期を悟ったヒロインが残された時間を精一杯生きる」{/netabare} 

が九十九折のように絡み合いながら展開されていきます。


特に後者は最終回まで隠されているので、二周目はヒロインの気持ちが手に取るようにわかり、感動がいや増していきます。

この作品を{netabare} 死んで{/netabare} お涙頂戴というのが見当違いだということは、二回観た人ならわかるはず。


一番好きな作品なので熱く語ってしまいましたが、この作品のファンの方ならたくさん書いてしまう気持ちも共感いただけるかと 笑。

とりあえずチャンスがあれば人におすすめしている作品です。

<追記①>
「君」という言葉について
公生とかをりは互いを「君」と呼びあっています。
もはや君嘘を象徴するワード。

でも互いに互いを「君」と呼ぶとか変ですよね。
そもそも「君」とか現実ではあまり使わないし。

普通に考えると君嘘の公生、かをりは、{netabare} 互いを少し距離を置いた{/netabare} 存在としようとしていた。

でもただそれだけなら苗字で呼べばいい。
やはり「君」と呼びかけるのはなんらか特別な気持ちがあるのだと思います。
他の人には「君」と呼びかけたりしてないわけですし。

公生のモノローグ{netabare} 「近づきたいけど近づけない」。{/netabare} 
結局これなんじゃないかな。
これはかをりも同じだったんでしょう。
だから「君」と呼ぶ。

渡と椿にはそんな二人はやはり特別な関係に見えたでしょうね。
だから渡も察するし、椿もヤキモチを焼くんだろうな。

とか思いました。

<追記②>
君嘘を観た感想は人さまざま。

放映直後はネットでいろんな声が飛び交っていたのを覚えています。
号泣して虚脱感に苛まされたという人もいれば、ストーリーが読めてつまらなかったという人も、その中間な人も。

感動したという人も、どこの部分に感動したというのは人により異なるようです。

※以下は重度のネタバレです。
{netabare}
私の場合は、最終回の手紙のとある一文でした。

ここまでの話で、
かをりが公生と出会う前から公生の演奏に惹かれていたであろうこと、
嘘は「渡くんのことが好き」であるだろうこと、
くらいは想像してました(まぁ普通見当つきますよね)。

気になっていたのは
「公生に近づくためになぜそんな無茶な嘘をついたんだろう」

手紙の前段では子供の頃からの公生への憧れが綴られていました。
だから公生に近づきたい気持ちは納得。

でもですよ。
普通、嘘ついて他人をダシにして好きな人に近づくとかはとんでもない行為。
それだけで相当な無茶。
さらには公生を力ずくで舞台に引きずり上げるとか相当無理無茶してます。

「なぜそんな無茶を?」

手紙にはこうあります。

---------
ある夜、病院の待合室で、お父さんとお母さんが泣いてるのを見て
『私は長くないのだ』と知りました

その時です
わたしは・・・走り出したのです。

後悔を天国に持ち込まないため、好き勝手やったりしました」
---------

私はこの
「わたしは・・・走り出したのです。」
にやられてしまいました。

自分の死を悟った14歳のヒロインが残された時間を精一杯生きようと心に決めた瞬間。

ああ、そうか
だから勇気を出してそんなギリギリの無茶をしたのか

「聖の青春」(大崎善生 著)というノンフィクション小説を読んだ時と同じような感動と衝撃でした。


しかし、 かをりのついた嘘は悲しい嘘でもありました。

四月の出会いの後、かをりの中には、公生に対して音楽家としての憧れだけではなく、一人の異性としての好意が芽生えていきます。
しかし、いくら感情が膨らんできても誰にも漏らせません。
知られてしまったら椿にも渡にも酷いことをしたことになる。
何より「私は通り過ぎて居なくなる人間」
もし仮に付き合うようなことにでもなったら公生にも酷い悲しみを与えてしまう。

公生とはあくまで音楽家としての関わりであると一線を引き、真の想いはどんなに勘ぐられても自分の中にしまっておくしかないものでした。

それでもかをりは公生への高まる想いを抑えきれず葛藤していきます。
「自分のことを忘れてほしくない」
「自分の本当の想いを知ってほしい」
そんな「音楽以外でも結びついていたい」という気持ち。

いろんな気持ちがないまぜになり、その帰結があの最期の「手紙」なんでしょう。


もちろん公生の成長やかをりへの想い、青春といった要素もひっくるめて私はこの作品が大好きなのですが、この作品が自分の中で特別になった一番のポイントはこうしたところです。

死んだから悲しい、という話ではない。
死ぬまでのたった1年足らずの短い時間を、周りには隠しながらも、葛藤しながらも、足掻いて足掻いて必死に走り抜けた女の子の話。{/netabare}

アニメでこうした感動が味わえるとは思いませんでした。

<2019/2/1 追記③>
第2話の最後の方。

帰り道、かをりが渡を待つ振りをして公生を待ち伏せしてるシーン。

このやり取り好きなんですよ。

かをりを傷つけまいと、ガールフレンドと帰る約束をしてる渡のことを悟られないように「渡はまだ部活」と嘘をつく公生。

そんな嘘に気がつきながらも「じゃあ渡くんを探しに行こっかなー」と意地悪な素振りをする、かをり。

それを慌てふためいて止めようとする公生

たぶん、この時、かをりは公生が{netabare} "思ってた通り、優しい人"{/netabare} なのだと実感したのかなぁ、と。

<追記④>
この作品の特徴に
「大切な言葉を繰り返す」
というところがあります。

同じ意味で
違う意味で
同じ人が
違う人が

それも結構な話数を飛び越えて。

さらに、時には反対の言葉を持ってきて対の関係にする。

これらがこの作品の魅力を引き立てています。
まるで作品そのものが「詩」のよう。

何度か観た人はそうした、紡がれる言葉を探してみるのも良いかもしれません。

<更新履歴>
2017/9上旬 初投稿
2017/9/19 追記①
2017/10/15追記①修正
2018/9/21 本文を大幅に加筆修正し、追記②を追加
2019/2/1 追記③
2019/11/07 追記④
2023/4/23 一部削除

投稿 : 2023/04/23
閲覧 : 2365
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162

ネタバレ

マニャン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

何か色々惜しい作品

感動と恋愛とスポ根が混ざった、いや、混ざってしまった作品。

等身大の中学生を描いた作品で、心の機微が丁寧に描かれている。
悪く言うと{netabare}グダグダ逃げてばかりの主人公をヒロインが力技で立ち向かわせ続ける{/netabare}作品。主人公は漫画の主人公としてカッコいいわけではなく、あくまでも等身大の中学生ですごく魅力的とは言いにくい。
主人公に熱意や激情があれば恋愛やスポ根部分が盛り上がったかもしれないが、主人公はピアノが上手なだけでどこにでも居そうなおとなしいタイプで盛り上がらず。
おそらくこのストーリーを楽しめるかどうかは、感動部分で感動できるかが鍵。皆さんおっしゃる通り最初からオチがバレバレなので、それでも楽しめるか。
主人公の成長具合も等身大中学生で控えめで、成長による感動は感じにくい。

心の機微が丁寧に描かれているが、逆に言うと冗長とも言えるストーリー展開。
それを飽きさせずに最後まで視聴出来たのは、音楽と映像の素晴らしさ。
キャラクターの豊かな表情や、
演奏時の音楽と映像の融合、
たまに綺麗な一枚絵など手抜き技を使いつつも、見せ場ではしっかり丁寧に描き込んであって、とても上手な緩急の付け方でした。
映像と音楽のために見るなら損は無いと思います。

以下ネタバレで感想など。
{netabare}ラストは綺麗にまとめてあって、観た後モヤモヤが残らないので高評価になりやすい展開。
母親の子供に対する想いの部分は感動した。

苦しくても音楽のために頑張り続けるしかない、というヒロインからのメッセージを受け取った主人公が、頑張るのをやめたヒロインに頑張れと音楽でメッセージを伝えるところが、主人公の成長したところとして描かれている。しかし、ヒロインの頑張りは最後までグダグダな主人公を励ますために役に立っただけで、ヒロインが報われることはない。
ヒロインが自分で言っているように余命少ない人間に最後まで頑張れなんて本当に酷い話。
ここで素直に、無気力で死を待つだけだった少女の人生の最後に色どりを与えられたとヒロインの両親みたいに受け止められれば感動できて良かったのでしょうが、私には無理でした。

猫が人間によって不幸になる展開は現実だけで十分。フィクションでは見たくない。
しかも主人公のトラウマと重ねて何度も出てくるので非常に不愉快でした。

主人公がヘタレなので最後まで告白出来ず、彼女からの死後の手紙で相思相愛を知るというのが、なんとももどかしい。

ご都合主義とかハッピーエンドとかではなく、非常に現実的な描かれ方をしてて、そこが好きな人には評価が高そうなのに、ヒロインの病気に関しては全然情報公開がなく、限りなくフィクションなんですよね。
モヤっとしますし、初期にヒロインは死ぬ病気だなと見えてしまうとそれ以上の情報公開がなく、ああやっぱりで終わってしまう。
こういう病気だと少しでも情報公開があればそうなのかって驚きがあったり感情移入がしやすくなったと思います。

例えば手術でヒロインが延命して、主人公とまた合奏できて、相思相愛を知って、主人公に支えられて、色々報われてからみんなに囲まれて亡くなるとかなら個人的満足度高かったかもです。ついでに高校でバリバリ音楽やってスポ根成分補充して、活躍する主人公をヒロインと視聴者が見れるとか…
ヒロインは無償の愛を提供して、その分思い出は出来たかもしれないけど、もう少し報われて欲しかったな、
主人公もっと最後くらいしっかりして欲しかった、
というのが正直な感想です。{/netabare}

投稿 : 2023/04/15
閲覧 : 272
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7

太郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

モノローグに演奏シーンを重ねる演出が圧巻

作画の良さはもちろん、とにかく演出が素晴らしい。モノローグを多用した脚本ですが説明的にならず、効果的に演出できているところが特に効果的。ピアノはやらないのでわかりませんが、演奏シーンは圧巻で引き込まれるものがありました。
ストーリーは割と王道で、わかりやすい伏線もあり展開が読めるところが多い印象。でもとにかく見せ方がうまいので飽きません。
最終的には主人公と同じ気持ちになれたので、共感性は高いと思います。泣きどころが多いですが、感動よりも悲しさや辛さで泣かせる部分が多い作品です。

レビューの点数には入れてませんが、キャラが中学生にはとても見えないんですよね。特に女子の見た目は身長高くてスタイル良すぎで最低でも高校生、話してる内容や考え方は大学生顔負け。まぁ最近のアニメじゃ珍しくもないですが。

投稿 : 2023/03/15
閲覧 : 101
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9

koucha さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

初の満点

このアニメはすべてのクオリティーが素晴らしい。
心情を表す背景、光の差し込みや色使いも凄く惹きこまれる。
音楽もピアノのアニメだけあって凄い。ピアノ素人の自分でも、感情の違いによる微妙な音の違いまでわかる。
まさかアニメの中の演奏を聴いてあんなに泣いてしまうとわ・・。

そして一番惹きこまれたのはキャラクター達のセリフです。臭いセリフも多々ありますが感情をリアルに表現してて、胸打たれる言葉がたくさん出てきます。

とにかくご視聴あれ!

投稿 : 2023/02/09
閲覧 : 234
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16

ネタバレ

クマ吉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

愛の悲しみ

13話が個人的に好きな回でした。ピアノから逃げていた公正が、かをりに出会って音楽をやる喜びを少しづつ取り戻しつついたところではありましたが、それは純粋に楽しむ気持ちとかをりへの恋心が混じっている状態に思えました。ピアノは自分の気持ちを表現するものだと作中で言っていたとおり、最初はかをりの凄さを皆に見せつけたいという気持ちが強く、ピアノも荒らしい音でしたが、母親との思い出の曲だということを思い出し、演奏がガラリと変わます。母親の死の悲しみを理由に逃げていただけだと、母親の亡霊は自分が作り出した虚構の存在であったということ、それに気づき母親の死と決別する瞬間がとても感動しました。公正の母が公正になぜ強く当たるのかが描かれたのも良かったですね。自分の死が迫っていて出来るだけ何かを公正に残したいと思う気持ちが、結果的に公正を傷つけてしまっていたのでした。それまでは自分を誇示したいという母親として描かれていましたが、実際はただの子供を愛する母親でした。死の間際で感情的になって愛が狂気に変わってしまうといった姿はとてもリアルでした。愛の悲しみ。タイトルと曲がとても秀逸ですよね。

投稿 : 2022/09/25
閲覧 : 138
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6

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

友人A君を、私の伴奏者に任命します!

 全22話。原作は未読。

 見る前は、こういった系統のアニメは苦手だと思ってた。でもいざ見てみると1話1話引き込まれる。
 演奏シーンは圧倒的であり、登場人物たちの名言などは少々クサイけど響くものが多い。最後は、結末はある程度わかっていても感動した。涙が出たという意味ではなく、しばらく呆然とした。ロスが半端ない、そんな作品だった。

 前半は、有馬が母親の呪縛から解放されるお話。といっても母親を恨むままで終わるのではなく、ちゃんと母親の愛を思い出す、というもの。この辺はどうだろ・・・生前の母親は、おそらく公生のためを思って残り少ない人生を息子のために尽くしたかったことはわかるのだけど、ちょっとやりすぎだから賛否はわかれそう。僕はアリだと思った。

 後半は、かをりとの関係と有馬が一人の人間として成長する話。かをりの髪の色素が落ち、弱々しくなっていくかをりを見てホント切なかった。有馬の気持ちもわかって苦しかったなぁ。
 そしてラストは切なくも最高の演奏シーンでした。有馬という男の成長、そしてかをりとの別れ・・・
 もちろん手紙も外せない。フィクションとはいえ、宮園かをりという一人の女性が最後まで短い人生を精一杯生きた、という事実がすばらしいですよね。僕はこのシーンで、どういう感情になったのかよくわからなかったです。涙が出たわけではないけど、悲しかったのかうれしかったのか、、、とにかく最高でした。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/09/16
閲覧 : 680
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58

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

名作音楽青春アニメ。感動しました。

原作は漫画で、原作は未読。
一言で素晴らしいです。
青春、音楽、恋愛などの要素のあるアニメで、
主人公の有馬公正君は中2のピアニストですが、2年くらいブランクがあり、そんな時バイオリニストの女の子で同じ中2の宮園かをりと出会うことでまたピアノを弾くようになっていくという感じです。
音楽アニメで重要な演奏シーンもとても作画が熱が入っており、見応えあります。

最後はとても感動できました。
ネットなどで名前が挙がるのも納得です。
個人的にですが、名作だと思います。
所謂泣ける作品です。

投稿 : 2022/08/11
閲覧 : 397
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36

ネタバレ

くまごろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

心に染みる作品

視聴完了
全22話
原作未読

一言感想
とても素晴らしい1年間の物語
(ハッピーエンドではなくビターです)

あらすじ
とある事象によりピアノが弾けなくなった主人公、こうせいはとある事情により桜の下かをりと出会い、かをりに引きずられる形で音楽の世界に足を踏み入れる。

色々ありながらも充実の演奏をしたこうせいはもう一度かをりと演奏することを目指し音楽の世界を進んでいくが、2人で出ることが決まっていた演奏会の直前にかをりが倒れてしまう。病状を主人公に明かすことはなかったが、かをりも主人公ともう一度演奏するため、危険な手術に挑戦することとなる。
奇しくも手術の日はこうせいが今後音楽の道に進むために重要なコンクールの日

感動的なかをりとのコンサートも終わり、かをりのいない桜の下新たな一歩を踏み出す。

感想
素晴らしい!の一言。
まず本作品はビターエンドである。
そもそも物語が始まる前からかをりは体が弱く長くは生きられない、その中で昔憧れたこうせいの今(アニメの中でははっきりと述べられていなかったが、おそらく過去の出来事も全て)を知り、行動する(未来がないかをりには自分に対する希望がないので、こうせいのためであるが自分では責任を取らなくて良いような事柄のみ)
こうせいの目には傍若無人唯我独尊に見えていたかをりの行動は全てそのような背景から、という時点で泣けてくる。
また、最後のコンクールで、こうせいがこれまで色んな人に助けられてきた、と思い出しながら弾き始めるが、実は全て自分の演奏、母の愛情によるもので、母は死ぬ前にこうせいが独り立ちできるよう技術を、と焦っていたのとリンクして本当に感動だった。
結末としては、母の死を乗り越えられず虚像を作り出し母と音楽そのものから逃げたこうせいが、かをりのお陰で光を取り戻し、かをりの死も乗り越えられるようになった。これも素晴らしい。

最後に1度は音楽家としての歩みを止めたこうせいが新たな道を歩み出すのだが、こうせいの夢はかをりともう一度演奏することであり、それは現実としては不可能となったため、一生音楽家として生きていく。という意味なのかなぁと思うと、どこまで伏線を張っているのか驚嘆の一言だった。
個人的には満点。

ただハッピーエンドではないので、見る人を選ぶかもです。

投稿 : 2022/07/26
閲覧 : 244
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13

ネタバレ

よ! さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作ということに異論は無い。だがーー

今更レビューするのもおこがましい名作だが。
自分はこの物語が嫌い。
特にこのアニメ版は大嫌い。
この作品は視聴者を物語に引き込む力がとても強い。
強いだけに、物語後半では人物への感情移入が深入りしすぎて、とても悲しい気持ちになる。

なんかいい話しのように締めくくられるが、俺はこんな結末は好きじゃない。
それは生きてるうちに伝えろよ、そうすれば残り短い時間、もっと楽しい時間を過ごせたんじゃないか?と思いつつ、そうしたらそうしたで、別れはもっと辛いものになったのだろうと、たかが作り物のお話しで、既に物語は最後まで紡がれているのに、もしこうだったならば、もしこうだったならばと、どうにか幸せな結末に続く道は無いものか?と空想してしまう。
こいつらが何やったってんだよ。
何も悪いことしてねーじゃねーか。
寧ろ必死にあがいてい生きてんだからよ。
誰かこいつら幸せにしてくれよ。

こんな作品は大嫌いだ。

投稿 : 2022/06/04
閲覧 : 341
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12

ネタバレ

これ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

音楽と恋愛と

泣けるアニメと言ったら筆頭に出てくるのがこの作品かなと思います
光るならは名曲ですね!
ノイタミナ枠でオタクじゃない人でも知ってそうな作品で実写にもなってましたね
音楽と恋愛とがメインになってくるのかな?
友人が好きな女の子と出会いその子はバイオリンやっていて一緒に演奏し始めるって物語
主人公は母親にトラウマなどがあって暴力振られ続けたり厳しい指導もあって
きっと本人のためってよりもそういう風に育てたいっていう自己満足のために暴力したりするのってげんじつにでもあるのかな。。。
ピアノが聞こえなくなったなりにも彼女と出会ってからの成長ぶりや
ライバルの登場など熱い展開がおおいわんくーるめでした
第13話目
7色シンフォニーは神曲すぎる!
カヲリが参加しない中で1人でも参加してはいっていく、それでも舞台に立つ
宮園のこれから、どうなるんだろ悲しいなか次回に
第14話目
1人でも出場した有馬公生
昔の有馬だったらこんな事絶対なかったのに
かをりがいたから代われたんだね
検査入院なのかな?ほんとに大丈夫かな?心配な有馬公生
だだの弟だとおもってた椿ほんとは公正がめっちゃ好きで恋してた
遠くに行って初めて気づく よくあるけどつらいよね
このまま治ってくれる終わり方になればいいけど
15話目
つばきは振られたのは向こうの優しさだってことはわかってるんやね、悲しすぎるけど
かをりは病気が進行してるのかな💦
たてなくなってた、つらい( ´:ω:` )
16話目
一日だけ外出許可をもらったかをりは
有馬と夜の学校を一緒に探検することに
もうさ、かをりも有馬が好きっていってるもんじゃん(❁´ω`❁)
涙の意味、わかるとつらくなる( ´:ω:` )
18話目
ナギと2人ではつのピアノ発表会
凪はありまの挑発に打ち勝って戦争状態w音の表現もしっかりアニメでできてるのすごいいいねぇ
もう一度弾きたいことを有馬は
カヲリに告白するはじめてだよね、ありまの成長した瞬間かな
第19話
カヲリは音楽家を復帰するために手術をすることを決意する
今回は相座武士の回だったなめっちゃかっこよかったぜ!!
第20話
椿と有馬の小さい頃のお話からはじまった!
今回は椿がメインの回なのかな?
しれっと告白したびっくり、可愛すぎかよこんなに可愛い告白ずるいやん、モテモテ有馬
カヲリの体調に変化が…
第21話
集中治療室に行くことに、自体が悪化、、、
そんな中有馬は挫折するこんなんやってられないって
集中治療室から病院に戻ってこれたみたいだけど、
そして手術をうけることに、
頼むから成功してくれ、、、
第22話
結局手術は失敗したのかな?( ´:ω:` )
四月は君の嘘の意味の伏線回収と
告白シーンはめっちゃ名シーンだったと思う!!

投稿 : 2022/05/29
閲覧 : 247
サンキュー:

12

ネタバレ

あや さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ネタバレあり

まさか最後にヒロインが亡くなるとは思わなかった…。
爽やかなキービジュアルが心をえぐる。

凪との連弾シーンは、曲もストーリーも良かったです。
子供の頃ピアノを習っていたので、また弾きたくなりました。

他のピアノの演奏シーンも好きなんだけど、結末が悲しいから見返す事ができない(*꒦ິ꒦ີ)

投稿 : 2022/05/04
閲覧 : 228
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4

ネタバレ

誰か さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心がささくれ立っているときに見ることを、お勧め

簡単に言えば、ヒロインの明るさと前向きさが、トラウマを抱えた天才ピアニストを立ち直らせる物語ですが

死んじゃうんだよね~ ヒロイン   で、その後の有馬が、気になるところなんですが

心がささくれ立っているときに見ることを、お勧め

投稿 : 2022/04/27
閲覧 : 279
サンキュー:

4

ネタバレ

たむじゅん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

すべての人に見て欲しい青春群像劇

【評価】
点数:98点(100点満点中)
ランク:SS
※点数の算出方法やランクはプロフィールをご覧ください。

【総評】
物語・作画・声優・音楽・キャラ、どれも本当にハイレベルで、アニメが好きな方はもちろん、そうじゃない方にもぜひ見て欲しい作品です。切なく、けれども心温まるストーリーがそこには待っています。欲をいえば、もう1度だけ有馬公生と宮園かをりが一緒に演奏する姿を見たかったな。
ちなみに、アニメ見終わってすぐに、原作のマンガを買いに行きました。
あと、澤部椿がMAJORの清水薫とタブって見えていたのは自分だけでしょうか…(笑)

【ここがポイント】
主人公の有馬公生とヒロインの宮園かをりを中心としたストーリー、キャラ同士の関係性や成長が1番の見どころだと思います。
途中、進路をどうするか聞かれた宮園かをりが「そんなの考えたこともなかった」と言うセリフがあるのですが、難病を患っている自分の友人も同じようなことを言っていて、個人的にはそこで余計に感情移入してしまいました。
ピアノが弾けなくなっていた天才ピアニスト有馬公生が、破天荒なバイオリニストである宮園かをりとの出会いを通じてどう変わっていくのか、公生の幼馴染である澤部椿にとって公生はどういう存在なのか、精神的に不安定な中学生らしい心の動きにぜひ着目してみてください。

【好きな回】
第22話「春風」
ベタですが、やはり最終回が1番好きです。
中でも手紙シーンの最後の方にある、有馬公生(花江夏樹さん)と宮園かをり(種田梨沙さん)の掛け合いは胸にくるものがあります。
こんなにも素敵なシーンを作り上げてくれた、花江夏樹さんと種田梨沙さんには感謝しかありません。声優さんって本当にすごいです。
そして忘れてはいけないのが、最後に出てくる澤部椿の存在。

「一人になんてなれると思うなよ、公生!背後霊みたく、ずーっとずっーと側にいてやるんだからな!覚悟しとけ!」

母を亡くし、好きだった宮園かをりも亡くしている公生にとって、この椿の言葉は、どれだけの心の支えになったことでしょう。椿という存在がいるからこそ、公生は救われています。椿、本当にありがとう。

投稿 : 2022/04/22
閲覧 : 582
サンキュー:

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四月は君の嘘のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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四月は君の嘘のストーリー・あらすじ

母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才少年・有馬公生。モノクロームだった彼の日常は、一人のヴァイオリニストとの出逢いから色付き始める。
傍若無人、喧嘩上等、でも個性あふれる演奏家・宮園かをり。少女に魅せられた公生は自分の足で14歳の今を走り始める。(TVアニメ動画『四月は君の嘘』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2014年秋アニメ
制作会社
A-1 Pictures
公式サイト
www.kimiuso.jp/
主題歌
≪OP≫Goose house『光るなら』、コアラモード. 『七色シンフォニー』≪ED≫wacci『キラメキ』、7!!(セブンウップス)『オレンジ』

声優・キャラクター

花江夏樹、種田梨沙、佐倉綾音、逢坂良太、早見沙織、梶裕貴

スタッフ

原作:新川直司(講談社『月刊少年マガジン』連載)、 監督:イシグロキョウヘイ、シリーズ構成・脚本:吉岡たかを、キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子、プロップデザイン:髙田晃、 美術設定:塩澤良憲、美術監督:薄井久代、色彩設計:中島和子、 3Dディレクター:小野竜太、撮影:関谷能弘、編集:三嶋章紀、音響監督:明田川仁、音楽:横山克

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この頃(2014年秋アニメ)の他の作品

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