「四月は君の嘘(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
5048
棚に入れた
20059
ランキング
29
★★★★★ 4.3 (5048)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.2
音楽
4.4
キャラ
4.2

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ネタバレ

ヤマザキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

最高でした!(2016/11/06 追記しました)

追記しました。一番下にあります。

【2016/10/02】ファーストインプレッション

dアニメストアで先ほど最終回まで観ました。この間「聲の形」で涙を搾り取られたはずなのに、まだ涙が止めどなく出てくる人体の不思議・・・。

「『四月は君の嘘』って、すごくいいよ」「音楽をやっているヤマザキなら絶対気に入るはず」と勧められたのが視聴のきっかけ。数話観て思う。「なんでもっと早く勧めてくれなかった!」「なぜリアルタイムで観なかった!オレのバカ!」。

私はクラシックのプレイヤーではなくジャズのプレイヤーでありますが、このステージ上で待ち受ける「恐怖」の感覚、すごくよくわかります。多分これについてはクラシックだからとかジャズだからとか、そういうジャンルの違いはないはずです。そして宮園かをりというプレイヤー・・・。クラシックなのに自由奔放にヴァイオリンを弾きまくる、クラシックとしては規格外のプレイヤー。いやあ、大好きですね。たまりません。

その明るく闊達なかをりちゃんが、ストーリーの中頃で病に倒れる。一緒に出演するはずのコンサートをドタキャンする。{netabare}もう一度、主人公と一緒に演奏できるんだろうな、とたかをくくっていたら、さにあらず。もう2度と彼女はステージ上に戻ってこなかった。こちらの予想とご都合主義を裏切る残酷なリアリズム。でもたしかに病気ってそうなんだよね。「感動」という「ご都合」で病状はよくなったりしませんしね。{/netabare}ああ、オレも元気なうちにいろいろやっておこう。

主人公、有馬公生くんの悩みは深刻なもので、音楽に集中するとピアノの音が聞こえなくなってしまうというもの。でも、中盤からそんな描写が鳴りを潜めます。もう文化祭の時には克服したのかな?でも、自分の身に置き換えて考えるとなんて恐ろしいことなんだろうなと思います。{netabare}彼がそれを克服できたのは、かをりをはじめとして周囲の人間が支えてくれたから。そして、その周囲の人たちに感謝を捧げながら演奏する最終回のショパン。もう涙ダダ漏れですわ。{/netabare}

{netabare}最後のかをりのモノローグ、本当に素晴らしかった。そして・・・悲しかった。「かをりの死」という、ある意味主人公以上に強烈な光を放ったキャラクターの死はとてつもなく悲しいものだったけれど、それでも{/netabare}主人公の未来が明るく輝かしいものになると感じさせる手法は素晴らしいものでした。これ、まともに描いたらたんなる鬱アニメですものね。

脇を固める登場人物たちもいいですね。ライバルたち、ライバルの妹、イケメンの親友、みんないい人たちばかり。渡は、本当はかをりが自分じゃなく公生のことを好きだったということを最初から見抜いていたんだろうな。自分のことは公生に出会うためのきっかけだったと知っていたんだろうな。でもそれを敢えておくびに出さないイケメンっぷり。素敵であります。結果、かをりは5歳の時から会いたかった公生に出会えた。ああ、あの時の涙の意味はそういうことだったか・・・。22話に渡って回収された伏線。なんて素敵なBoy meets girl!

唯一難点をつけるとすれば、かをりと椿というダブルヒロインが揃いも揃って二人とも結構暴力的で、アニメの表現として流血その他があるということ。「とらドラ!」「WORKING!」でもその点が気になりましたが、今回もちょっとだけ気になりました。なのでキャラの評価を☆半分下げさせていただきました。

でも逆に言えばそれ以外にはケチのつけようもなく、自分の中でも大好きなアニメ、五指に入るアニメの中に文句なく入れさせていただきます。

観るべし。特に音楽に人生の中でちょっとでも関わった人は絶対に観るべし。

【2016/11/06】追記しました。

2周目、観終わりました。やはり演奏シーンは白眉ですね。もちろんというか、お約束になりそうですが、ラストのかをりの手紙には涙しました。観れば観るほどますます好きになれそうな作品であることを改めて確認しましたが、その上で難点を一つ指摘しましょう。

上に書いた最初の感想にも書いたのですが、ギャグ的な部分での流血シーン・暴力シーンの必然性について、改めて疑問に思いました。{netabare}第9話、病気の母のために感情をこめてピアノを弾いた公生でしたが、それがママンのお気に召さず、車いすに乗っていたママンから杖で殴打され、それで左側頭部から流血します。これってものすごくショッキングなシーンですよね。客観的にショッキングというだけではなく、ママンのためにピアノを弾いた公生にとってもショックな出来事であることは想像に難くなく、さらにこの後、「オマエなんか死んじゃえばいいんだ」と言った直後にママンが急死してしまうことから、実際公生がショックを受け、その後スランプに陥るという重要なシーンなわけです。{/netabare}

ところがこのアニメは、最初から暴力や流血が多い。{netabare}ピアノを弾いていたら椿の打球を頭に受け、血の海で横たわる公生。盗撮していたと勘違いされ、リコーダーで殴打されて鼻血を出す公生。所々でギャグ的に挟み込まれる暴力、流血、殴打。そうなると、この第9話でのシリアスなシーンでの殴打・流血、さらにはママンのスパルタ教育で腕にあざを作る公生、チェルシーに噛まれて(引っかかれて)指を怪我して流血した公生の、その怪我の意味合いが軽くなってしまうんですよね。{/netabare}つまりは、もう少しギャグ的な部分での暴力や流血を抑えないと、話全体が軽くなってしまうわけです。その点が改めて残念、いや、非常に残念でありました。

とはいえ、大好きな作品なので、最後は苦言で終わりたくありません。2周目に気づいたポイントを列挙して追記を終わりにしたいと思います。皆さんも2周目以降を観る際には参考にして下さい。

{netabare}・第8話 確かに公生の初演奏を聴いている井川絵見の横に、幼少期の宮園かをりが座っています。
・第9話 公生がピアノの音を認識できなくなって演奏途中で頭を抱えてしまうステージ。客席でそれを心配そうに見る椿の斜め後ろにこれまた幼少期の宮園かをりが座っています。だからかをりは、公生フリークとして追っかけをしていたために、彼のスランプの発症を目の当たりにしていたんですね。{/netabare}

3周目以降を観て、何か気づいたらまた書いていきます。
さあ、次は原作を読むぞ!

投稿 : 2016/11/06
閲覧 : 306
サンキュー:

42

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