STONE さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

また違った切り口のゲーム世界転送もの

　原作は未読。
　「SAO」、「ログ・ホライズン」などと同系統のゲーム世界に転送されるような話だが、
主人公であるアインズ・ウール・ゴウン(モモンガ)がアンデッドで、
ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」が異形種のみで構成されているためか、意識を持ち出した
NPCが人間を見下しているなど、通常のハイファンタジー的には悪的存在が主人公サイドで
あるというのがヒネリが効いている。同じような設定でも色々な切り口があるものだなと。

　序盤から中盤まではモモンガ達ナザリック勢力の無双状態で話が進んでいくが、その
行動結果とは裏腹にモモンガ自体の心情はかなりの慎重居士であるのが面白いところ。
　このモモンガの心情に関しては、本音の部分とNPCを初めとする回りの受け取り方の差異が
一種のコメディ要素としてもうまいこと機能しているみたい。

　モモンガ達の強さを見せるという点では、ゲストキャラの強さを描いておいて、いざ
ナザリック勢力と戦うと問題にならないという手法がベタだがある種の気持ち良さがある。
　特に印象的だったのはクレマンティーヌで、モモンガ達の行動はいわゆる善的行動では
ないものの、目的のために手段を選ばないといった類のものだったのに対して、
クレマンティーヌは非道な行為そのものを好む存在というのが、モモンガ達の悪印象を緩和して
いたような感があった。
　かなりいかれたキャラだったクレマンティーヌだが、キャストである悠木 碧の好演がより
それを印象付けていたような。

　終盤はモモンガとシャルティア・ブラッドフォールンとの戦いが山場といったところだが、
それまで圧倒的な強さを見せたナザリック勢力ゆえに、近いレベル同士が戦うとこうなると
いった感の高レベルのバトルが見応えあり。

　全体的に作りがていねいな印象で、展開もじっくり描いている感じ。まあ、その分あまり進展
しないうちに終わってしまったが。