「私がモテてどうすんだ(TVアニメ動画)」

総合得点
66.1
感想・評価
417
棚に入れた
1929
ランキング
2938
★★★★☆ 3.4 (417)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.5

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

腐女子に翻弄される男子勢のリアクションが笑える、逆ハーレムコメディー

別冊フレンドの少女漫画原作、全12話。通称「わたモテ」(私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!と同じですな)
筋金入りの腐女子ヒロイン中心に美少年たちが集う逆ハーレムですが、非常にコメディー色の強い作風です。
腐女子要素はとことんコメディー要因で、男子側の目線が共感出来る為か、腐女子ニガテでも問題なく楽しめてしまう怪作でしたw
2016年度のギャグアニメでも、上位の面白さです。

{netabare}『物語』
ヒロイン・芹沼花依(せりぬま・かえ。作中主に「芹沼さん」)は肥満でガチの腐女子(BL、ボーイズラブ。男性同士の関係を妄想する萌えジャンル愛好者の女子)という、およそヒロインにあるまじき凄まじいキャラであった!
そんな芹沼さん、愛するキャラの死を悲しむあまり……
なんという事でしょう!激やせして、美少女に!?
ええええええええ!!?
美少女になった芹沼さんの周囲に、にわかに美少年たちが集まって逆ハーレム化するのであった…。
(マジか…)

まず初っ端1話のインパクトがかなりのもの。1話は爆笑しましたw
だが、本作の神髄は1話の一発ネタだけでは無かった。
※1話、常軌を逸した展開で押してくる、少女漫画、前期の「初恋モンスター」を彷彿。
初恋モンスターは1話一発ネタがピークだったので、本作も面白さ怪ぶんでましたが…
幸い本作はここからも十分に面白かったです。

以降、割と王道ベタな少女漫画的逆ハーレムの様相を呈しつつ、美少女になっても中身は腐女子のままな芹沼さんの強烈な個性に、常識人で純情派揃いの男子勢が翻弄されまくる展開に。
視点が困惑しっぱなしな男子中心なのも、共感し易いです。
芹沼さんも腐女子全開な裏表の無さも含めて純粋で、ちやほやされても嫌味少ない。

何気にオタク的な小ネタも豊富、2話「ホモがきらいな女子なんていません!(げんしけん)」等々のオタクネタは、腐女子でなくてもクスリと笑える。
※中の人を絡めた声優ネタ多数あった模様。
ドラマCD版とはキャスト変更した為、声優ネタ的には惜しい(との事)
進撃の巨人のリヴァイ兵長など、講談社作品繋がりは分かります。

本作の見所は、強烈な腐女子が、逆ハーレムの姫として全面的に肯定されている(ただし腐女子趣味は理解されず)環境で、大暴れする様でしょうか。
ラブコメ感は非常に薄く(終盤除く。ただし終盤も盛大にブチ壊す)、逆ハーレム的には結構丁寧ながら、結局強烈な腐女子オーラでかき回されてしまう。
まさに私強い系の極致…なんですが、状況があまりに特殊過ぎて圧倒されて、許せる。
男子たちの性格付けも地味に丁寧で、3話のケンカ回で各々のリアクションで、細かな性格が分かり易いです。

5話、芹沼さんが再び太ってしまった回が第2のピーク。
タックルで壁ブチ抜いたり、純粋にギャグのノリがツボでしたw
一応真面目なテーマ?として「外見が美しく無くても好きでいられるのか?」という普遍的なテーマ?が。
右往左往うろたえる男子勢の中で、ひとり六見(ムツミ)先輩だけは変わらぬ…
終盤含めて、同性の後輩の志麻ちゃんの存在により「性別すらも超えた恋愛感情」を、ギャグ調ながらごく自然に押し通していた…ような?
他の男子たちの葛藤は、同じ男として非常によくわかる…
「性格良いブスより性格良い美人が好きなんだ!」バカな男でごめんなさい…同感。
テンパった男子勢のダイエット作戦もいちいち笑えますが、BL好きな芹沼さんを萌えさせる為に体を張ってBL演じる展開は爆笑&不覚にも萌えましたw

以降も展開にバリエーションあり、飽きさせず。
作中作の甲冑擬人化が笑えたり(刀剣乱舞っぽいノリか?と思いきや、BL的に濃い!)
終盤の六見先輩の兄登場でラブコメ的に波乱巻き起こる展開は正直さほど面白さ感じなかったけれど、六見兄弟のお城カードゲームは笑えました。
なんとなく「帰宅部活動記録」のしりとり回少し彷彿。

ラストも意外にオイシイ?王道な逆ハーレムを謳歌しつつ…
結局はそうなるのか!?全くブレない芹沼さんのフラグクラッシャーぶりに最後の最後まで笑えました。

総じて、かなり面白い&好感の持てるコメディーでした。
腐女子ネタは笑える一方でついていけないノリもあったり、6話以降やや面白さにバラツキがある、ラブコメが強い展開はやや求めてない辺りが難でしたが、全体的に見て面白かった。
好感が持てるのは、キャラクターが良いのでしょう。
(実質的にキャラ評価が物語評価)


※余談
ギャグ以外のテーマというか女性の(いや私ら男も)理想「外見や価値観(趣味)が合わなくても愛してくれるか」を茶化しつつもきちんと描いたのが、少女漫画の女性読者に好感持たれたのかな?
全く別ジャンルですが同時期の「魔法少女育成計画」のシスターナナに対するヴェス・ウィンタープリズンのような、無条件の愛。(更に余談ながら、ウィンタープリズン役は小林ゆうさん)
それって、尊いものだなぁ(ただし空想限定で)
…的外れな深読みかもですがわたモテ、案外深い作品(かも)!?


『作画』
芹沼さん(ダイエット後)のキャラデザは正直あまり好みでは無いです。
イケメン勢は普通に良かった。
芹沼さんは、腐女子モード全開の目を充血させる狂気シーンが怖面白かったw
男子勢がテルテル坊主+漢数字になる演出も好き。


『声優』
画伯もとい小林ゆうさんの怪演が光った。
本作の芹沼さんの面白さ、狂った魅力は小林ゆうさんの好演大きい。
美少女モードは普通にかわいい…。

二科ちゃん役の沢城みゆきさんもハマリ役に思える。
(赤崎千夏さん版もどういう感じか気になりますが…)

その他男子陣が豪華、特に四宮くんの松岡禎丞さんのあざとい可愛さ絶品でした。
…神谷浩史さん演じるドラマCD版は未視聴なので判断できませんが、松岡さん十分良かったです。

六見兄はさすがお兄様中村悠一さん。同時期に「Lostorage incited WIXOSS」でもカードゲームやっていて、お城ゲームシーンでは里見と重なったw


『音楽』
OPよりも、村川梨衣さんのED「ドキドキの嵐」が良かったです。


『キャラ』
なんといっても芹沼花依ちゃんの魅力に尽きる。
太った状態でも伸び伸びと楽しく生きていて、最後まで観ると(なるほど、確かに中身も可愛いな)と思えたり、思わなかったり…
欲望に忠実で自由奔放かつ純粋無垢な、ある意味天使ですな。
二次元に恋する天使……ある意味、中立なアイドル性の高い理想的ヒロインなのだ!?

彼女を中心にキャラクター配置が良く、一人一人はテンプレながら、どの
キャラにも共感出来るのは上手い。
萌え的には四宮君あざとくかわいい。(私は男の子でも可愛ければOKだ!ただし二次限定で)
カッコ良さ的には、六見先輩一強でした。先輩、男から見てもカッコイイですもん。私はBLではないが。
最も、先輩が完璧超人過ぎて、相対的に他の男子たちへの共感度が上がる辺りもキャラ配置上手いです。

芹沼さんに匹敵するほど狂っていた、BLにして百合でもある二科ちゃんの印象強い。
六見先輩に匹敵してたのは彼女くらいか…。
本作に置いて、「性別すらも重要ではない」→諸々の外的要因を全て排してでも好きという感情は尊いのだ!
と示してくれる重要キャラなのです、多分。

六見兄はとんでもない男でしたが、彼なりに弟思いなのかな。{/netabare}

投稿 : 2017/01/05
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サンキュー:

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