「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード(アニメ映画)」

総合得点
67.4
感想・評価
177
棚に入れた
1030
ランキング
2395
★★★★☆ 3.9 (177)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

落ちこぼれ魔女っ娘たち、がんばる!愉快で王道的な、西洋ファンタジーと日本アニメの融合

ハリーポッターっぽい魔法学校で、落ちこぼれの魔女見習いアッコが元気いっぱいにがんばるファンタジー作品です。
日本アニメ的な「魔法少女」ではなく、西洋ファンタジー風な「魔女」
「アニメミライ2013」で好評を博し、その続編となる劇場版ですが、アニメミライ版未見でも十分楽しめます。
…2017年冬アニメのTVアニメ版1話だけでも、舞台や背景が分かるかも。

これぞ魔法!これぞファンタジー!これぞアニメーション!
子供から大人まで安心して楽しめる、王道的な良作です。
(TVアニメ版1話素晴らしいじゃないか!こちらも楽しみ♪)

{netabare}『物語』
主人公のアッコは東洋の島国(日本かな?)出身で魔女としては名門じゃなくて落ちこぼれだけど、幼い頃シャイニィシャリオという魔女に憧れてルーナノヴァ魔法学校に入学、でも問題児なのだった…。
彼女の入学の経緯はアニメミライ版か、テレビアニメ第1話でバッチリ分かります。

本作の魅力は第一に、王道的な西洋魔法学園ファンダシーの雰囲気そのものと、そのジャンルにありがちなネガティブ・ストレス要素が少なく全般に明るい作風にあり。
西洋的な学園物で、教師に問題児扱いされる授業風景や優等生との軋轢、それらを意に介さぬアッコたちの自由奔放な活力…
まさに王道な魔法学園ファンタジー、アッコ(とスーシィついでにロッテ)たちが魔法の授業メチャクチャにしちゃうシーンはありがちながら、楽しいです♪

新キャラの問題児3人(アマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカ)も加えて「毎年恒例の魔女パレード成功させる」課題を与えられ、アッコが燃えてがんばっていく。
アッコの猪突猛進な情熱と、周りが見えなくなってしまう危うさを分かり易く描く展開…
魔女パレードにまつわるネガティブな要因(忌まわしい魔女狩りの歴史、魔女と一般人の軋轢、優等生ダイアナの敵視など)も立ちふさがり、アッコひとりが頑張るだけではダメなのか…?

それでも…
アッコの情熱(幼い日に憧れた魔女シャイニィシャリオみたいに皆を楽しませたい!皆に魔法の楽しさを知って欲しい!)と仲間たちの友情が合わさり、途中災厄が復活か!?という危機も(アーシュラ先生のナイスアシストのお陰か)終始コミカルにお祭り騒ぎになっていく…楽しいです♪
ロッテとのケンカ→危機にユウジョウ!素晴らしい王道だ素晴らしい。
山場の魔法アクションもハラハラ感満点(だけど危機感よりもコミカル重視)で文句なしでした。

魔女を敵視する一般人の悪ガキたちとも自然な流れで和解、一般人から喝さい浴びる展開も優しい世界で好印象。
その悪ガキとの対立シーンも子どものケンカ的な微笑ましさあって、あまり不快感無いのも良い。
…本作の大きな魅力の一つ「対立する価値観の和解」
魔女と一般人、名門魔女(ダイアナ)と落ちこぼれ魔女(だけどエンタメ的な新発想持ち)のアッコなど、対立しがちな価値観が、アッコたちの無邪気な情熱で非常に自然にしかも楽しく解けていくのは爽快そのもの。
肥満児やギーク(機械オタク)や不良といった、スクールカーストから落ちこぼれがちな新キャラ3人も活き活きと活躍する事も、共感し易い要因かも。

金銭欲の為に伝統軽んじる俗物市長も、勧善懲悪で一方的にギャフンと言わされるのではなく、ちゃっかりと魔女パレードを観光の目玉にしようとするラストの逞しさも、何気に好き。
ここも含めて日本的といいますか、0か100か正義か悪かではなく、多様な価値観を認め合う中に楽しさがある的な?
西洋的な魔女含めた軋轢しがらみに囚われぬ東洋の魔女見習いが、エンタメでやってのける、日本アニメの魅力の一端を垣間見せてくれたのでは。

市長(人間の愚かな欲望の代表)の愚行があんまり報い受けていない、むしろエンタメ的には結果オーライなのは…
別に本作は「平成狸合戦ポンポコ」みたいな主義出張は、どーでも良い作風なので無問題。
余程の名作でない限り、そーいうお説教をエンタメアニメに入れるのは興醒めなので。

総じて、結構困難や軋轢もありつつも、終始ネガティブを吹っ飛ばす楽しさと後味の良さがある王道な良作でした。
2017年冬アニメのTV版も観ていけば、本作がもっと好きになれそうです。
(第1話、超良かった!1話のワクワク感では今期随一では)

※余談
魔法でエンタメ、2016秋アニメ「マジきゅんっ!ルネッサンス」の魔法芸術の先輩かも(本作は2015年作品)
どこぞのデュエリスト主人公より、よっぽどエンタメしてるなぁ…。

「魔法は魔法学校でしか上手く使えない(外の世界は魔法的な力場?が弱いから?)」
「終末のイゼッタ」の先輩でもあったか…。
本作でもシャイニィロッドに魔力貯めて力場弱い土地でも魔法発動してましたし。
…まあ、結構よくある設定なのかもですけど。(イゼッタと本作以外、意外と思い付かない)


『作画』
やはり素晴らしいです。これぞ王道な西洋魔法ファンタジーと日本アニメの融合だ!
キャラデザは決して萌えるアニメ的美少女絵では無いものの、喜怒哀楽が楽しくて十分に可愛い。
正統派美少女はダイアナだけですが、スーシィだってちゃんと可愛く見えますよ!
魔法シーンや魔法の小物などの細かい描写も一つ一つが魅力的。
見せ場のアクションもワクワク感満点でした。


『声優』
潘めぐみさんの活き活きとした演技はまり役、これぞアッコ!
ロッテは往年のヒロイン声優折笠富美子さん、気弱だが深みのある演技。歌も流石。
MVPは村瀬迪与さん。「ひみつのここたま」の、モグタンの人ですな。
スーシィだけは、村瀬迪与さん以外替えが効かない程にはまり役。
…主要3人組全員「かみさまみならい ひみつのここたま」声優だった。
ラキたま(潘めぐみさん)、ミシル(折笠富美子さん)、モグタン(村瀬迪与さん)

日笠陽子さんのツンデレも良いですねぇ。
日髙のり子さん山場ではノリノリでした♪


『音楽』
ロッテ(折笠富美子さん)の挿入歌「ふたつの夜」が非常に良かったです。


『キャラ』
アッコはウザいくらいに元気いっぱい猪突猛進、彼女が主人公でなければ本作はもっと暗いネガティブな雰囲気になってそう。
決して強メンタル過ぎるワケでもなく、普通に落ち込む普通の女の子らしさも自然で良かった。
慣習に囚われぬ奔放な発想と、裏表無く怒る時は怒るけれど、根は誰かを楽しませたい!非常に良い子だと分かります。
少女物主人公として理想的、どのキャラともカップリングが組める!(百合厨の妄言すいません)

メガネっ娘ロッテ可愛いです。今回は歌姫な一面が魅力的。
ケンカ→仲直りは王道、アッコ大ピンチに戦局一変させる切り札…ユウジョウ!

スーシィの暴走ぶりも楽しい。ある意味アッコ以上の問題児、何考えてるのかよく分からないようでいて、実は一番ちゃんとアッコを見ている親友でした。

本作随一の優等生美少女ダイアナさんマジツンデレ可愛いです。
劣等生で価値観も相容れないアッコを、実は密かにを認めている…
夜会話シーンは対立しつつも…デレる気配が?
アッコとダイアナの百合…ありだな。(ロッテ大正義?いやスーシィとのコンビも…)
ダイアナちゃんはベジータ系ヒロインなりそう。
ここ一番でエース級の大活躍するダイアナさんマジクールでした。
これは悪ガキが惚れるのも分かる。

シャ…もとい、アーシュラ先生の影の機転で危機もノリノリな楽しさに。良き先生…なんですかねぇ?
奥ゆかしいようでいて、とんでもない先生でしたw

新問題児3人もキャラ立ちまくり、フランクなアマンダちゃんが良かった。


多分あんまり注目する人いなさそうな、俗物市長好き。
こういうポジションの人物の良し悪しは、結構作品全般の印象に影響しますので。{/netabare}

投稿 : 2017/01/21
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サンキュー:

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