「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続(TVアニメ動画)」

総合得点
87.8
感想・評価
3079
棚に入れた
15692
ランキング
139
★★★★☆ 4.0 (3079)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

やはり私の続編への期待値が高すぎたことが間違っていたのか。

前作から2年経っての続編。まず絵が少し変わっていることに驚く。全体的に線が細かく、きれいになってはいるものの、個人的には主人公・八幡の「死んだ魚のような目」のイメージが薄れてしまったことに残念さを感じる。

「続」のタイトルがつく通り、体育祭で幕を閉じた前作のその後から物語は始まる。季節は次第に秋から冬へ―。
人の感情というのは寒さが増すにつれメランコリックになっていくもの…というかこの作品の場合は物語の進行上なのだけれども、内容が随分と重苦しく変化してしまっている。

第1期のレビューで、私はこの比企谷八幡という主人公を「新しい時代のヒーロー像」と手放しで褒め称えたのだが、それは彼の鋭い洞察力と他人と迎合しない「ぼっち」行動を堂々と行っていること、時には敢えてヒールに徹してでも鮮やかに問題を解決に導いていくその手腕に舌を巻いたからなわけで。
だが本作では、その彼の鋭さや潔さに陰りが見え始め、痛快さを欠いていたと言わざるを得ない。
さらに、タイトルに「ラブコメ」と入っている割に、「コメ」の要素は非常に少ない。

前作での問題解決の手腕が功を奏しすぎ、八幡はもはやクラスの空気ではなくなり、クラスメイト達からもどこか一目置かれ、頼られる存在になってしまっていた。
八幡を取り巻く環境は変化し、彼は嫌が応にも様々な人々と関わりを持つようになっていく。

人とは、関わりを深めていくうちに相手に対する思いや、その関係性が変化していくものだ。
そういう点では、この続編で描かれているキャラクターたちがそれぞれに自分や周囲の感情や行動の変化を敏感に感じ取り、時に衝突したりすれ違ったりする様は自然の流れと言えるかもしれない。
ただ、そればかりにフォーカスを当ててしまうと、ラノベとしては良くともアニメとしてそもそも面白い作品となり得るのだろうかと思ってしまう。
やはり、アニメには何かしらの娯楽性みたいなものを求めてしまう私の個人的な見解だけれども。

会話劇が特徴の作品ではあるが、時に会話の尺が長すぎて、ストーリーの進行が遅々として進まず、もどかしく思う場面がいくつもあった。
八幡のちょっと笑える鋭いツッコミが光るモノローグは一応健在していたが、それよりも真面目な精神論だとか、周囲との関係性や自分のあり方に自問自答を繰り返す場面が非常に多く、とにかくこれが重たい。

特に{netabare}中盤のクリスマスイベントでの他校との会議に手こずるくだりは、正直観ていてしんどかった。
途中で八幡が平塚先生からの助言を受ける場面があったが、この会話シーンだけで1話の半分を割くのは、少々やりすぎと感じた。{/netabare}

また、本作から登場となった新ヒロインの一色いろはというキャラクター、どうにも好感が持てない。
彼女のあざとさと甘えぶりに苛立つこと少々。

青春時代につきものの、迷いと葛藤。何かをきっかけに起こりうる友人関係の破綻への恐怖心と、それを回避するために時に自分を偽っていかねばならぬことへの罪悪感。
そんな、言うなれば高校生生活で起こりうる人間関係や心理描写を丁寧に描き過ぎた「青春群像劇」となった結果、前作のような破天荒さを失ってしまったこの作品は、一体どんな結末を迎えることになるのだろうか。

投稿 : 2017/02/02
閲覧 : 267
サンキュー:

6

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